伝道推進室基本方針を承認
伝道推進室報告において、小林克哉伝道委員長が8頁に亘る、詳細な資料に沿って報告した。
この推進室は、第37総会期第6回常議員会(12年7月9日)で可決されたことに基づき、伝道の具体的な取り組みをして行くものとして設置され、これまでに7回の委員会、5回の実務委員会を開催している。
組織や実務については、推進室が伝道委員会の下に置かれ、推進室の委員1名は伝道委員とし、伝道委員長は必要に応じて推進室委員会に出席すること、必要に応じて協力委員をおくこと、会計は全て教団会計の中で処理され監査の対象となること等が報告された。
活動の土台となる「基本方針」では、日本基督教団が聖なる公同の教会に連なる福音主義合同教会であり、簡易信条と公会主義の伝統を継承し、主のご委託に応えて、日本伝道の幻に仕えることを確認している。その上で、推進室が、信仰告白と教憲教規に基づく信仰の一致をもって、将来の伝道局構想を視野に入れ、伝道の実践と研究に取り組むことを述べている。
活動内容として、「発足記念大会」、「幼保一体化に向けての『子ども・子育て新システム』緊急研修会」、「教師養成プログラム」、「教会伝道応援」、「中高生・青年大会」、「ユースミッション」、「伝道キャラバン」、「伝道トラクトの作成」、「信徒運動の全国的展開への応援」、「伝道研究」、「伝道方針の検討」が挙げられた。
また、伝道応援の取り組みの一環として「講師派遣のガイドライン」が提案された。礼拝平均出席30名以下の教会を対象とし、推進室が、講師謝礼や交通費、宿泊費を負担すること等が定められている。
報告に対して、様々な質疑がなされた。特に、「宣教基礎理論との関係をどのように考えているのか」、「『教師養成プログラム』と、教師委員会が研修を委託されていることとの関係はどうなるのか」、「教会伝道の応援につき、各教区の伝道委員会との連携をどのように考えるのか」等、教団内の諸組織、諸活動との関係が問われた。
これらに対して小林委員長は、「宣教基礎理論が定められたら、それに基づいて活動して行く」こと、「伝道推進室で企画した研修会について、教師委員会の了解を丁寧に得る必要がある」こと、「各教区伝道委員会とは、協力できることは協力したいが、スピーディに動くために、全てのことについて教区を通すことは考えていない」ことを述べた。
その他、「『伝道局構想』は機構改正を伴うことであり、踏み込み過ぎである」との指摘や、「各教区の担当委員が教区と関係ないところで決められ、活動がなされることは承認出来ない」、「経緯の中に記されている『荒野の40年』というのは承認できない」等の意見が述べられた。
一方で、「伝道推進室の活動が、教団内の組織をより活性化し伝道的にするために横断的活動が展開出来たら良い」との意見や、「実践的に取り組みながら、福音主義の霊性を土台とした伝道的礼拝をどのように守ることが出来るか等を研究していただきたい」等、積極的な意見が述べられた。
賛成多数で承認された。
(嶋田恵悟報)
12年度各決算を承認
会計等の報告についてであるが、予算決算委員会報告の中で、委員会の課題としていくつか挙げられた。
一つは会計構造の見直しについて。「2014年度の決算から公益法人会計に準拠させる予算の組み立てを実現したい」と報告された。
収益事業会計に関する課題については、「教団新報や教団年鑑の収支について教団の中でどのように位置付けていくか、その位置付けを明確に説明できるようにしなければならない」と報告された。
また、キリスト教会館補強もしくは改築工事資金の資金繰りの問題についての課題が挙げられ、さらに、教団負担金賦課方式の再検討に関する課題については、「早急に結論は出ないが、なるべく分かりやすい計算方式にすることを検討したい」と報告された。
最後に、全国財務委員長会議の開催が予定されていることが報告され、会議の内容としては、「被災教区への支援について、特に負担金の減免処置が終了することに伴い、その後の対応について協議する予定である」との報告がなされた。
2012年度教団歳入歳出決算承認に関する件では、「経常会計は概ね予算通りに執行された」との報告があった。その中で、前期より今期の方が繰越金が約1000万増額していることに触れ、「この結果から、負担金の減額の声も出るだろうが、会館建て替えなどの課題のための積立に充てる方向で考えている」との報告があった。
監査報告では、会計方式の変更について、「公益法人会計基準に宗教法人会計を適合させるには様々に工夫が必要であり、社会福祉法人が行っているような部門別会計で行うことが考えられている」との方向が示された。
加えて、「予算を組む中で、委員会費等の補正の予算立てが安易になされている印象を受けるが、そのような流れが不正経理につながりかねないので危惧している」との報告者からの厳しい指摘もあった。
出版局からは、「出版業界全体が苦境にある中で、倉庫を教団内にしたこと等の工夫もあり、黒字決算の報告ができることは感謝である」との報告があった。
また、「震災関連の書籍の売り上げから一部を被災地へ献げることもできた」との報告があった。
年金局からは、2012年度の事業が滞りなく行われたとの報告があり、年金局への更なる理解と協力が求められた。その他、部落解放センター会計、各監査報告が報告され承認された。
(小林信人報)
震災国際会議開催計画を報告
宣教研究所報告で佐々木美知夫委員長は、「改訂宣教基礎理論草案」が各教区に配付され7教区から意見書が戻ってきていること、各教区、常議員会、各教団委員会からの意見を合わせ、作業部会にて検討を開始することを報告した。
38教団総会議事録精査委員会報告を受け議事録を確定した。本常議員会に陪席にて出席した芳賀力東京神学大学学長は、「教団と東京神学大学の関係回復決議は今後どうなるのか。献身者を呼び起こすことは一つの神学校の存続ということではなく教団の将来を担う伝道者を生み出せるかである」と述べた。石橋秀雄議長は「教団が伝道者を生み出しにくくなっている現実を直視しなくてはならない。生み出す努力を必要とする。決議はスタートラインであり、過去と将来双方の課題がある」と答えた。また決議の実質化のため具体的な議論が必要との意見も述べられた。
東日本大震災国際会議実行委員会報告にて伊藤瑞男委員長は、主題・「原子力神話に抗して-フクシマからの問いかけ-」、日時・2014年3月11日〜14日、会場・東北学院大学が決定し、海外教会へ参加呼びかけを開始することを報告した。また各講師が決定した。記念講演・姜尚中氏(聖学院大学教授)、神学講演・近藤勝彦氏(東京神学大学前学長)、基調講演・島薗進氏(上智大学教授)。予算として全国募金(目標400万円)、三国間協議会、宣教方策会議開催費用を充てる計画であること、また合同メソジスト教会へ支援金申請を行なう予定であることを報告した。
教区報告では、欠席の九州、沖縄を除き15教区から報告があった。報告を受け次のような意見があった。「未受洗者への配餐についての報告は看過できず戒規執行の継続が求められる」「聖礼典の秩序は教師養成の問題でもある。各神学校の公式見解を求める」「教区の一教会への不当介入が報告されている」「信徒数の減少、無牧、休眠教会の実態等が常議員会に報告される必要がある」。
(新報編集部報)