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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【2025年3月】今月のメッセージ「帰ってきた! 最高のヒーラー」

2025年3月1日

「帰ってきた! 最高のヒーラー」

「この方は、罪を犯したことがなく、その口には偽りがなかった。」
ののしられてもののしり返さず、苦しめられても人を脅さず、正しくお裁きになる方にお任せになりました。 そして、十字架にかかって、自らその身にわたしたちの罪を担ってくださいました。わたしたちが、罪に対して死んで、義によって生きるようになるためです。そのお受けになった傷によって、あなたがたはいやされました。 あなたがたは羊のようにさまよっていましたが、今は、魂の牧者であり、監督者である方のところへ戻って来たのです。

ペトロの手紙 一 2章22-25節

蕃山町教会
服部 修 牧師

 

 私たちの信じる神さまは最高のヒーラーであって、この神さまを信じて生きる時、毒沼だらけの人生の中でも癒され、たとえ立ち行かなくなっても神さまは一緒にいてくださるお方だから、その神さまに癒されて歩み出し、また歩み続ける希望があることを以前(参照:最高のヒーラー)お話ししました。

 ところで皆さんは、RPGだとか狩ゲーをプレイする時にどのような職種を組み合わせるのがパーティを構成する上での基本となるか知っていますか?一般的にバランスの良いパーティ構成とされているのは「タンク」「アタッカー」「ヒーラー」がいることです。細かいことを言えば、「アタッカー」にも前衛、後衛がありますし、「ヒーラー」と一言で言っても、仲間にバフ(有益な効果)をかけたり、敵にデバフ(不利な効果)をかけたりするサポート役も含みますのでどのような職種を組み合わせてパーティメンバーを構成するのかもRPGや狩ゲーを遊ぶ際の面白さの一つであると言えます。それこそ上級のプレイメンバーによっては、「タンクかつアタッカー」というプレイをする人もいれば、「アタッカーかつヒーラー」といったプレイをする人もいます。一つの役割ではなく、複数の役割をこなす、というパターンですね。

 聖書の中にこのような一節があります。「十字架にかかって、自らその身に私たちの罪を担ってくださいました」。これはペトロの手紙(一)2章24節の言葉です。この箇所でイエスさまが私たちの罪を一身に受けてくださった、と語られています。この言葉が意味しているのは、イエスさまは本当はご自身の身に受けなくなくても良かったはずの罪を私たちにかわって引き受けてくださった、ということです。
 先ほどパーティメンバー構成の話をしましたが、その職種の一つに「タンク」があると紹介しました。「タンク」というのはパーティの最前線で仲間を守るために盾となって攻撃を防ぐ役割を持つメンバーのことです。例えばタンクが敵の初擊を防いでくれた後にアタッカーが飛び出す、といった戦法が取られるケースがありますし、タンクが攻撃を防いでいる間に後衛アタッカーやサポート役が攻撃を仕掛けたり、バフ・デバフをかけたりして戦いを有利に進められるように行動する、といったこともできます。そういう意味でパーティの中にタンクが存在しているのは重要です。
 少々マニアックな内容になりますが、このタンクの有用なスキルの中に、ゲームや設定によって表現の違いはありますが「挑発」と呼ばれるスキルが設定されるケースあります。これは敵の攻撃の注意を自分一人に向けさせ、敵の攻撃を一人で受け止めるというスキルです。つまりタンクが挑発スキルを発動すると、敵の攻撃は全てタンク一人に向かうことになるので他のパーティメンバーとしては自分には攻撃が向かって来ないことが分かりますから、タンクが攻撃を一身に受けてくれている間に、敵の攻撃を心配せずに安心して自分の行動が取れるのです。
 聖書は語ります。イエスさまは十字架にかかって、自らその身に私たちの罪を担ってくださいました、と。つまりイエスさまは、私たちに向かってきている罪の攻撃を一身に受けてくださり、タンクとして、聖書的な表現で言えば、「盾」となって私たちを守ってくださった、と。だから私たちはイエスさまがヒーラーであるばかりかタンクとしてお一人で罪を引き受け、担ってくださったことを信じるとき、イエスさまの後ろで守られ、どんな攻撃にも安心していられる存在となったのです。
 しかも聖書の言葉はこのように続きます。「そのお受けになった傷によって、あなた方はいやされました」。イエスさまは、タンクとして私たちを守るばかりか、やはり最高のヒーラーとして私たちを癒し、勝利へと導いてくださるお方なのです。だからこそ、「タンクかつヒーラー」として私たちを徹底して支え、癒してくださるイエスさまを信じることは、罪と誘惑に満ち、罪と誘惑の攻撃にいつもさらされているこの世界を生きる私たちに安心をもたらし、また罪と誘惑の攻撃の不安の中にあっても希望と慰めをもたらすものとなります。

 さて、3月に入りますとレントと言ってイエスさまのお苦しみを思い起こしながら生活する季節が始まります。その時、私たちは私たちを癒してくださるばかりでなく、私たちに迫る罪という危険をお一人で十字架の上に引き受けて苦しんでくださった恵みを感謝しながら歩むことになります。イエスさまのタンクとしての働きに感謝しつつ、さらにイエスさまの盾に守られながらヒーラーでもあるイエスさまに癒され続けて、安心して生きられる喜びを受け止めたいと思います。
 そして、聖書が「あなたがたは羊のようにさまよっていましたが、今は、魂の牧者であり、監督者である方のところへ戻ってきたのです」と語るように、最高のヒーラーであるばかりか、最強のタンクとして私たちを守ってくださるイエスさまをあなたが受け入れ、信じていただけるようにと心から願っています。

前回の最高のヒーラー

愛猫 フクちゃん

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