東日本大震災は多くの子どもたちとその家族とに不安を与えている。一つは地震と津波とによる幼児施設の建物被害に始まる困難と子どもたちとその家族の被災である。もう一点は原発事故による今なお続く放射能汚染による不安である。そこで、教団では、対策本部の下に被災幼児施設担当者会を設置して、この課題に向き合っている。
同担当者会は今まで、建物のこと、また、避難園児保育料補助、一時避難児受入施設への支援、除染費用の補助、被災職員への見舞金などを援助した。また、幼児施設ゆえに公的援助についての助言も行ってきた。そしてまた、幾たびも諸施設を問安し、現状把握に努めてきた。
去る9月16~17日にも東北教区のいくつかの施設を訪問した。担当者会としてはじめて「いずみ」(東北教区放射能問題支援対策室)を訪れ、「いずみ」の取り組みについて特に子どもたちに関わることについて話を聞いた。福島のみならず宮城県南地区での甲状腺検査の状況、千葉、茨城のいわゆるホットスポットの地域でのデータなどに驚かされ、課題を共有した。また、保護者が食品について注意深く選択して子どもたちに与えている場合と、そうでない場合との被ばく状況に違いが表れていることを知らされた。
施設訪問は3つの施設を訪問した。ある施設は東日本大震災以前の2007年の地震でも被災し、また、訪問前の週の大雨でも地域が床上浸水などの被害を受けた地域である。しかし、明るく子どもたちを見守り、特に運動会に向けて意欲的に取り組んでいる姿に励まされた。また、ある施設は、観光地に位置し、放射能被害について公にできない痛みを抱えている。しかし、公にしないという約束のもとで、地域全体で園庭の除染作業が行われたことを聞いた。その施設が長い間、地域に根ざし、しっかりとした信頼関係のなかで歩んできた証詞に違いない。痛みの中でも絆が表れる一面でもあった。
今後の課題として、放射能数値の高い地域の子どもたちの「園外保育」の手伝いを担当者会としてコーディネートできないかということが挙がっている。また、なお放射能被害について適切な対応ができていない幼児施設への意識啓発の使命も挙げられる。(岸 憲秀報)
第3回委員会が9月15~16日に行われた。会場は1日目が安行教会、2日目が武蔵豊岡教会であった。いずれも関東教区埼玉地区の教会で、かつて開拓伝道援助を行った問安を兼ねて訪問した。実際に現地を訪ね、いずれの教会でも教会員と共に祈祷会を持つことにしている。
今回の委員会は、甚大な被害をもたらした関東・東北豪雨の翌週に行われた。開会礼拝は、関東教区副議長でもある熊江秀一委員の奨励であった。茨城県常総市にある水海道教会における会堂、牧師館、付属施設の浸水の被害の報告を受けた。また、ボランティアセンターが開かれ、教区としての支援体制を築いているとのことである。関東教区内で度重なる自然災害の被害を受けているが、祈りを大きくする機会ともなっている。主にある救いへとすなどるために網を打つように、様々な教区の連帯を実現させる活動がなされていることが伝えられた。それを受け、皆で祈りを合わせた。
議事としては、前回委員会議事録を承認し、業務報告及び会計報告を承認した。また、常議員会報告、東日本大震災救援対策本部報告を受けた。担当委員から、伝道推進室委員会報告、宣教委員会報告、「こころの友」「信徒の友」編集委員会報告、日本基督教団教誨師会報告を受けた。
また、2015年度前期貸出金に関する件で、兵庫教区の飯盛野教会の会堂補修の申請を承認した。伝道推進室が伝道専任幹事を求めているとの要望を受け止め、これを宣教委員会に提案することを承認した。
2016年2月22日~24日に北海道・瀬棚町で酪農を主題に開催予定の「農村伝道に関する協議会」、2016年9月に行われる第39総会期教区伝道委員長会議に向けて、準備を進めた。伝道力を上げるために、これらの集会をいかに活用できるか議論を重ねた。
(飯田敏勝報)
9月12日から15日にかけ、伝道推進室主催の福島伝道キャラバンが行われた。教職7名、神学生4名のキャラバンが福島に到着すると、現地の牧師に迎えられ、早速奉仕。二手に分かれ、一つは大平伝道所の礼拝、もう一つは保原教会近隣でのトラクト配布をなした。
翌13日は信夫教会の早朝礼拝に出席した後、各教会に分かれて主日礼拝の奉仕であった。福島地区は保原教会、福島教会、福島新町教会、信夫教会、川俣教会、飯坂教会(午後)、福島荒井教会、福島伊達教会、また伝道応援の講師派遣として磐城教会、郡山教会と土曜日の礼拝も合わせて11教会・伝道所の礼拝で奉仕した。午後は福島地区の卓球大会が福島伊達教会を会場に行われ、各教会より参加者が集まり、教団総会議長杯と銘打って熱い戦いが繰り広げられた。バーベキューを挟んで福島地区合同夕礼拝がなされた。
14日、キャラバンは二手に分かれ、一つは聖光学院中学高等学校のチャペル、もう一つは伊達保育園、飯坂恵泉幼稚園の礼拝に参加。石橋秀雄牧師(伝道推進室室長)の腹話術や手品によるメッセージに子どもたちは目を輝かせていた。午後は福島教会で福島地区の懇談祈祷会が福島教会にて行われ、各教会から教職・信徒が集まって語り合い、祈りを合わせた。
15日、福島愛隣幼稚園の礼拝に参加。白井真牧師がメッセージ、神学生たちは子どもたちと楽しく遊ばせてもらった。
「イエスは神の国を宣べ伝え、その福音を告げ知らせながら、町や村を巡って旅を続けられた。十二人も一緒だった」(ルカ8・1)。主イエスが神の国の福音を告げられる伝道キャラバンに、弟子たちは招かれ共に旅をした。
今回の伝道キャラバンも、主が福島の町を巡って神の国の福音を告げられる旅にお伴させていただく経験であったと言える。福島に建てられている教会・伝道所に生きる信徒・教職、幼稚園・保育園・学校関係者の方たちと共に神の国の福音を聞き、礼拝をささげることがゆるされた幸いを心から感謝する。(小林克哉報)
予算決算委員会は第39総会期3回の委員会と9月28日から29日に全国財務委員長会議を行いました。
予算決算委員会の本務は教団の予算案、決算案の作成とその執行にあります。その予算の収入は基本的に教会員の献金です。このことは決して忘れてはいけないことだと心がけています。大きな数字だけ見つめていると、そのことをつい忘れがちになってしまいます。いつも自戒していることです。
現在課題となっている2016年度予算編成に当たっては、そのことにどれだけ留意することが出来るのかが問われました。昨年度は負担金総額を上げないということで予算を組ませていただきました。しかし、教会員数も献金総額も減少する中では、上げないと言われても実質的には上がっているとの声が寄せられました。
確かにそうです。2008年度から2013年度(これが2016年度の負担金を算定する基礎数字になっています)までの6年間で経常収入、経常支出はともに7.1%減少しています。その間、負担金も減少させてはいるのですが、追いついていません。そこで出来るだけ教会の負担を重くしないようにと収入支出の検討をしました。結果2016年度は前年度負担額の2%、521万円の減という予算案を編成しました。これは2004年度にくらべて2558万円少なくなっています。なんとか教団の運営をこの金額で行うことが出来るように願っています。
(予算決算委員長)
9月10日までに北関東を中心に降り続いた大雨は、鬼怒川の堤防の決壊とそれに続く幾つかの河川の氾濫をもたらした。
10日の夜、茨城・水海道教会に電話で安否確認をした際には、加藤久幸牧師からも無事を確認していたが、11日未明から徐々に水が上がりはじめ、結果的には会堂が床上30〜40㎝、牧師館は床上50㎝まで浸水した。
この浸水によって、会堂・牧師館の生活用品・電化製品などはほとんど使用不能となり、自家用車も2台廃車にせざるを得なかった。やっと9月27日から、礼拝堂にて礼拝が守られるようになった。浸水被害は会堂・牧師館にとどまらず、隣接する「認定こども園双葉こども園」にも大きく及んだ。5年ほど前に新築した「育ちサポートセンター」、また現在建設途中の保育施設に代わって使用している仮園舎もすべて使用不能となり、園バス3台も廃車となった。
教会の信徒宅も甚大な被害を受けている。信徒のある方は、早速発行された水海道教会月報に次のような文章を寄せている。『大切なものは奪われていない』というタイトルで「この度の水害で床上150cmの浸水にあいました。…電気製品、客用布団、パソコン周辺機器、一部の書籍、写真、書類、履き物全部、その他生活用品の多くを失いました。こんな目にあって思うことは『生きて行く上で必要なものはそれほど多くない』ということです」とある。なお、この月報によると、発行日の27日現在で把握されている被害状況は、教会関係者13名、教職員26名中10名、園児関係118名中約50名とある。
13日午後に早速茨城地区の牧師たちが水海道教会に集まり、急遽『水海道教会ボランティアセンター』の立ち上げを決めた。9月30日に活動を区切るが、9月23日のシルバーウィーク終了までは一日平均35名のボランティアにより、水海道教会の信徒宅を中心に奉仕がなされた。感謝。(福島純雄報)
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