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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4824号】荒野の声

2015年7月25日

 巣から落ちたのか、雀の子を息子が連れ帰ってきた。雨の日で濡れてほとんど動かない。動物病院に電話し介抱の仕方を聞くと、とにかく暖めてやることだ、と言う。湯たんぽを置くことを教えてくれた。置いてやると身体をくっつけている。それでも濡れた羽根がなかなか乾かないので、電気スタンドのランプを近づけてやった。▼しばらくすると動き始め、元気が出てきたら与えるように教えてもらった餌を食べるようになった。最初のうちは立ち上がることもままならなかったが、元気が回復してくると、羽もふっくらとし、足にも力が入るようになった。箱の中に渡した枝にもとまれるようになった。▼そうして一週間、朝、冷たくなっていた。前の晩は餌もよく食べてさえずっていたのだが。丁寧に対応してくれた動物病院にお礼を兼ねて報告に行くと、雀はわからないことが多く直前まで元気でも急に死んでしまうことがあると教えてくれた。自分も幼いときに弱った雀を連れ帰って世話をしたが、元気にして空に返すことができなかったことを思い出した。▼小さな雀一羽をもお忘れにならないお方、小さな雀一羽の生命をも支配なさるお方、このお方のお許しがなければ雀も地に落ちることはないことを、この一週間の小さな出来事に思った。

 6月15日~17日まで、新任教師オリエンテーションが天城山荘にて開催された。新任教師オリエンテーションは、教規43条(2)により、教師委員会がつかさどる教師研修として行われている。今年も例年のように、主題「教団の教師として宣教を共に担う」のもと、3日間のプログラムであった。4月より教会やキリスト教学校で仕えはじめて3ヶ月ほど経過して、様々なことを経験してきた新任教師にとって、教団の教師として立てられた同労者と過ごす貴重な3日間であると考えてプログラムを設定している。今回の参加者は新任教師43名、教団・神学校関係者25名、総計68名であった。

 1日目は開会礼拝(説教・菅原力委員長)からはじまり、石橋秀雄教団議長から講演「日本基督教団の伝道」があった。石橋議長の講演は、東日本大震災10億円募金に教団が一致して献金運動として取り組み、これを達成することができたことから、さらに伝道協力として一致することが求められていることについて語った。その伝道協力として2015年度から伝道資金が開始されたこと、その一例として東京教区が伝道資金を申請して実施した伊豆諸島および離島教会の修養会、礼拝なしには信仰が成り立たないという信徒によって自身が育てられたこと、最後に伝道協力によって一致するためには逆転してならない二つのことがあること、すなわち「洗礼から聖餐へ」と「伝道から愛の業へ」という順序を逆転してはならないことを強調して締めくくった。夕食の後には、交わりのときをもって、1日目を閉じた。

 2日目は朝の礼拝(説教・阿部晋也伝道師)からはじまり、午前は次の3つのセッションであった。

 佐々木美知夫教団副議長「教団の教師像」。教師として立てられるとは「教憲・教規により主の体たる公同教会の権能を行使するためである」という教憲・教規における教師像を確認し、自身の経験をふまえて教会や関係学校などにある教師像と共に教師が育てられていく必要性が語られた。

 岡本知之教師養成制度検討委員「教師養成の昨日・今日・明日」、これは例年特別講師を迎えて行う講演に代わるものとして企画されたもので、現在教団が取り組んでいる教師養成の課題についての講演であった。日本社会が直面する超高齢化社会の中で、教団は大きな岐路に立っているとの認識から、①今後教師に求められること、②教師養成に求められること、を取り上げた。特に②については⑴教師養成の出発点(信徒訓練)、⑵献身(神学教育)、⑶准允(教会訓練)、⑷生涯教育、⑸メンタルケアーというプロセスがあること。⑴⑵は神学校に求められることで、教会形成力をもつ教師の養成が求められること。神学校と協力する神学校委員会の再建も視野に入ること。⑶⑷⑸は教団が担うことが求められること。教規上では認められない任期制の発想が教会の中に入り込み、教会が教師を雇用する形態になり、神の派遣した御言葉の役者という教師観が変化しているのではないか。何よりも教師に求められるのは、①教会だけしか語ることができない言葉を持つこと、②覚悟を決めて仕えること、にあるのではないかとの提言があった。その後に活発な質疑応答がなされた。

 雲然俊美教団書記「震災の取り組みについて」、資料によって、教団がこの4年間に行ってきた取り組みについて報告した。

 午後のセッションは、長崎哲夫教団総幹事「教団の機構について」、教団の教勢の推移、機構図を参照しながら教団の機構、さらに関係団体や海外教会との関わりについての解説があった。引き続いて教団三局などの「教団の取り組み」(事務局・出版局・年金局・隠退教師を支える運動・宣教研究所・部落解放センター・教師委員会)について、それぞれの担当者からの説明があった。

 午前と午後の長いセッションを終えて、自由時間には温泉や浄蓮の滝散策などリフレッシュのときをもち、夜には7分団に分かれて語り合いのときをもった。この分団は付属施設のある教師や主任担任教師の分団もあり、それぞれの課題を分かち合った。

 3日目も朝の礼拝(説教・北口沙弥香伝道師)からはじまり、毎年好評の「牧会講話」のときをもった。今年も小島誠志牧師(久万教会)が駆け出し時代から今日までの歩みを通して、ユーモアをこめて語る言葉は、新任教師にとって励ましと慰めの講話となったようである。最後は参加者が一言の感想を語る「全体のまとめ」、閉会礼拝(説教・大友英樹委員)をもって、3日間のプログラムを閉じた。

 なおオリエンテーションの期間中には、教師委員会を開催し、委員会に託されている事項の審議を行ったことも付記しておく。
(大友英樹報)

 6月15~16日、「新任教師オリエンテーション」に際して、第2回教師委員会を開催した。議事日程および前回議事録承認、諸報告を受けて、まず新任教師オリエンテーションについての最終的な確認を行った。主な議事として、次の事項を審議した。

 ①神学校問安の件。教師委員会では、隔年で教師養成を託している教団立神学校および認可神学校の6校を問安している。今回は10月5~6日、関西学院大学・同志社大学。11月17日、東京神学大学・農村伝道神学校。11月30日、東京聖書学校・日本聖書神学校に問安をすることを決定した。

 ②教師養成制度検討委員会提案の件。同委員会から「就任後10年経過の教職を対象にした研修会」を教師委員会で検討依頼の提案を受けた。今後の課題として継続審議とした。

 ③第6回夏期研修会の件。伝道推進室の実施する研修会には後援として協力、継続教育研修費の対象とすることを決定した。

 ④教務教師登録の件。関係学校および関係団体以外の教務教師登録について、教師委員会での取り扱いの要請があったが、教規43条にある委員会の取り扱う事項とは認められないと判断して、総幹事へ返信することを決定した。

 ⑤被災地教会・伝道所の担任教師問安の件。37・38総会期には福島県の被災教会・伝道所の教師を問安してきた。39総会期は宮城県の教師を問安することにし、日程調整は事務局で行うことになるが、10月26~27日に問安を実施予定とすることを決定した。

 ⑥2016年度新任教師オリエンテーションの件。日程は6月13~15日、会場はハートピア熱海に決定した。会場は交通の便のことを考慮して、新しい会場で開催することになった。(大友英樹報)

 第39総会期第2回社会委員会が6月16日~17日、札幌教会を会場にして開催された。

 会議の前の15日~16日にフィールドワークが行われ、札幌にある社会福祉法人神愛園を訪問する機会が与えられた。神愛園は、キリスト教社会事業同盟に加入している法人である。

 始めに神愛園清田を訪ねた。そこでは、神愛園の歴史について、特別養護老人ホームについて、軽費老人ホームについて学び、現在の課題、さらには制度上の問題について学んだ後、施設見学をした。

 次に神愛園手稲を訪ねた。現在神愛園手稲は、特別養護老人ホームの建て替えが行われていた。現在の建物は45年前に建てられたものであり、老朽化等の理由からである。移設新築に約13億円かかり、補助金がないため、7億円の自己資金と6億円の借入金で行われる。

 神愛園は創立当初から、施設での礼拝を一日も欠かすことなく行っている。このような施設は、全国でも多くはない。教派を超え、地域の牧師に来てもらっている。冬の気候条件は厳しい中であるが、毎日礼拝を守るために並々ならぬ努力がなされている。

 神愛園がこの地で尊い働きを続けることが出来るのは、主の御言葉に養われ続けているからである。生きて働く主のお姿を見させていただいた。

 その後、開催された委員会では、開会礼拝の後、諸報告がされ、特記すべきことは、ACTの要請に応え、ネパールの大地震の募金を行っていること、「第3回『マイノリティ問題と宣教』国際会議」に教団が後援団体となったことの2点である。

 協議事項としては、2014年度の決算が承認されたこと、次回以降の社会委員会の内容、第39総会期全国社会委員長会議等について協議した。

 その他、社会委員会の使命に関わる事柄について協議し、意見を交換した。

 次回委員会は9月28日~29日に京都で開催する予定である。
(加藤孔二報)

 第39総会期第2回予算決算委員会が6月12日に教団B会議室にて行われた。

 2014年度の決算が今回の予算決算委員会で承認された。主な検討点として次の2点を報告する。

 当年度には第39回教団総会が行われた。総会はここ最近、東京のホテルメトロポリタンで行われている。会場に関して、財政困難な折、利用料の高額なホテルを止めて、教会を会場にして行えば予算削減につながるという意見を多く聞く。この点を教団の財政規模の点から見たい。

 2014年度負担金収入は2億6048万7000円、遡って2013年度負担金収入は2億6038万円である。これに献金や雑収入が加わって、教団の平均的な年間収入は約2億7000万円規模である。ホテルメトロポリタンの利用料金は1549万3766円であった。これを高いとみるかどうかである。

 総会は2年に1回で、総会の無い年は積立を行う。従ってホテル利用料は1年あたりの負担額にすると半分の約800万円程度ということになる。教団総会は本会議室以外に各委員会室、事務室、投票開票部屋など、複数の部屋が必要である。さらに宿泊部屋が会場と同一建物であることの利点も大きい。総合的に勘案すると年間800万円程度の負担は必要な費用というのが今の判断である。

 次に、人件費の検討を行った。教団財政の中で占める事務局人件費は2014年度は約1億2700万円で負担金に対して49%となっている。事務局では、退職者があった場合には採用を控えるとか、常勤職員を非常勤職員に切り替える、あるいは賞与を削減するなどの努力が認められる。人権費については教団教会の献金収入の減少と負担金賦課の関係で、検討を要するところである。

 しかし、事務局の事務量との関連で人件費を考えなければならないことから、教団の財政規模縮小の課題は現在の教団の枠組みの中では予決委員会のみでは限界がある。

 なお、教団が教区への負担金を減額した場合に、各教区が教会への負担金を減額することがないとこの問題は最終的な解決を見ない。
(長谷川洋介報)

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