宣教総合活動の取り組み 張田 眞
東日本大震災により今なお困難の中にある方々のうえに主の慰めを祈ります。また、懸命に救援・復興のために労しておられる方に感謝いたします。被災地にある諸教会、また、その宣教の働きのために祈り、委員会としてなすべきことに取り組みたいと願います。
当委員会は伝道、教育、社会の常設専門委員会、障がいを考える小委員会、自主活動団体の全国教会婦人会連合、全国教会幼稚園連絡会、日本キリスト教保育所同盟から報告を受けて、「宣教の総合活動」に取り組みます。今総会期は4つの課題が中心となります。1.教師とその家族が必要に応じてカウンセリングを受けることができる「相談室」設置に向けて取り組むこと。2.保育・教育のいっそうの充実を目指して関係諸団体との交流促進。3.作業が進んでいる「改訂宣教基礎理論」を前提に、「宣教方策」に関する議論を始めること。4.中長期的な展望ですが、グローバル化に伴う社会の変化に注目して教団の宣教態勢について研究する。以上の他に、在日大韓基督教会との宣教協力や統一原理問題連絡会との協力に関することがあります。いずれも、グローバルな課題と関連しており、宣教に関してさらに広い視野と深い知識も求められています。
今総会期は、震災に関連して教団による国際会議が予定されています。その関連で宣教方策会議は行うことができないかもしれません。ご理解いただきたいと思っています。
(宣教委員長)
第2回教区活動連帯金検討委員会は、4月16日、教団遺愛会議室において開かれた。
協議は、委員会に課せられた任務と責任について再度確認した上で、本委員会の基本方針を軸に多方面にわたる議論が交わされた。
結論から言えば、教区活動連帯金破綻の要因を検証し、基本的に継続審議となっている議案の中身を整備するための法規上の課題を明確にし、負担金とする「伝道資金規則」の検討に入った。
破綻に至る歴史を遡れば、1968年、第15回教団総会、機構改正に伴う「教団と教区の活動分野改正に関する基本原則」により、活動分野の区分が行われ、同時に平衡交付金が設置された。これは、教区の規模や地域的事情から起こる財政的格差に対して、教区間互助を基底とするものであり、第27回総会における教区活動連帯金設置の源となるものであった。
2009年、教区活動連帯金配分協議会が行き詰まり、27総会の精神に戻るべきとして打開策を内藤留幸総幹事に委ねた時の、「27総会の精神」とは何を指すのか。結果的には立場の違い、思惑の違いで、一致の意味を持たなかった。
つまり、当初考えられていたような資金の使われ方ではなく、そのほとんどが謝儀補償に向けられ、機構改正の主旨が生かされてこなかった。同時に、1%の拠出など、決められていた通りのことが守られたことはなく、教規上の不一致、教区間の連帯も崩れ、更に教団教勢の20年に亘る衰退の危機感も薄いまま現在に至っている。
以上の実態認識の上に立って提案されている議案を「伝道資金規則」として負担金化し、法規的にも明確に位置づけることとした。
新制度規則の概要は、各教区経常収入の0.5%を負担金として賦課し、予決委員会が特別会計に振り分け、伝道委員会が交付申請を受け付け、申請教区への伝道資金として交付するものである。今後、シミュレーションを行い、更に具体化に向けて整備が進められることになっている。
(鈴木功男報)
4月1日、教団会議室にて、38総会期教団救援対策本部第4回(通算第21回)会議を開催した。
先ず、3月31日現在の国内募金総額が5億3141万3444円、海外からの献金が2億4336万4809円となっていることが報告された。
続いて、教団が設置している各救援対策活動の拠点において活動している方たちからの報告を受けた。
エマオ仙台および笹屋敷での活動について佐藤真史教団派遣専従者は、祈りと寄り添いスローワークボランティア(地域の方たちの要望に基いた活動と交流を大切にする)を継続していること、地域からの信頼を得ていること、現在は家屋清掃や田畑の細かいがれきの処理などのワークをしていることを報告したほか、ボランティアの心身の休養といった課題があることを報告した。
エマオ石巻での活動について飯野久美子教団派遣専従者補佐は、漁業支援ボランティア(ワカメの芯抜き、カキ床作りなど)を行っていることや、地域の教会との協力関係をもちながら活動していることなどを報告した。
ハートフル遠野での活動について佐々木ムツ子スタッフは、傾聴を基本とした「お茶っこサロン」を継続していることのほか、住民や地域の社会福祉協議会などから大きな信頼を得ていることを報告した。
以上の報告の後、それぞれの働きへの感謝と、活動の上にさらなる主の支えを願って共に祈りを合わせた。
その他、救援対策室会議報告、および、石橋秀雄本部長の台湾基督長老教会訪問報告がなされた。
審議事項においては、東北教区放射能問題支援対策室設置に対する支援について協議し、教団としては、東北教区がNCCのJEDRO(エキュメニカル震災対策室)に対して行った助成金申請を支援することと、教団としてできるだけの支援をしていくことを確認した。
また、東北大学実践宗教学寄附講座への支援(1千万円。2年目)を承認したほか、『救援対策本部ニュース』第8号の発行予定を確認した。
次回会議は、5月17日、教団会議室にて開催する。
(雲然俊美報)
認定こども園運営・教育・保育について講演
4月2日、教団会議室に日本全国から64名の教会幼稚園、保育所、認定子ども園関係者が集まった。年度当初の最も忙しい時期にもかかわらず、これだけの人数が集まったことは、ことがらへの関心の高さを物語っているであろう。
日本における教会幼児施設はある時期、教会の宣教と財政とを支えていたが、近年少子化の影響もあり、多くの幼児施設が困難を抱えている。
また、神学校から送り出される教職は、必ずしも幼児教育や保育、施設運営について学んでいるわけではなく、これらの課題に追いついていかない現状もある。
そういうなかでの新システムが動き出そうとしている。否応なく、この問題に直面せざるを得ない。
教団がこの課題に取り組んだのは、昨年7月に続き2回目である。前回は伝道方策検討委員会が常設専門委員会の協力を得ての開催であったが、今回は発足間もない伝道推進室の主催であることは意義深い。教団が幼児施設を伝道の課題として認識し問題を担おうとする姿勢の表れでもある。
今回の研修会では、鈴木信行氏(教団信徒・聖愛幼稚園理事長)と岡村宣氏(矢吹教会牧師・全国認定こども園協会理事)を講師に迎え認定こども園の運営面と教育、保育のあり方の面から、それぞれの経験を交えながら話を伺った。また、講演後、フロアからも活発な意見が出、大いに盛り上がった。
新システムの是非のみならず、昨今の政治状況を踏まえての学校法人化の是非に至るまで豊富な話題があげられ、有意義な時とされた。
当然ながら、何かの結論を出すことが目的ではなく、それぞれの教会や諸施設に戻り、よりよい結論がなされる一助となることを期待して、終わりの時を惜しみつつ閉会された。
(岸憲秀報)
新議長に梅崎浩二氏
三役一新
九州教区
第63回九州教区総会は、5月1日から3日間、福岡中部教会で正議員235人中、開会時170人が出席して開催された。
深澤奨議長は、13項目、30分余に及ぶ長文の議長報告の中で、「第38回教団総会で九州教区が提案した沖縄関連議案は、審議未了・廃案となり、独裁的運営が目立った。こうした中で、九州教区は、その立ち位置を沖縄側に近づけ、徹底して連帯する道を模索する時に来ている」と強調した。
また、緊縮財政に言及し、「互助教会は、12年度、12教会・伝道所、1818万円だが、今後、互助費は増大するものと思われる」と財政削減に一層の理解を求めた。
議長が重点施策として上げた沖縄教区との連帯では、1日目夕食後、沖縄教区から平良修氏(元合同問題特設委委員長)を講師に招いて議員研修会を行った他、「沖縄教区との『協働・研修の場』の設置を目指す」議案が可決された。
議長報告の中でもう一つ目指した「教団の独裁的状況下における九州教区の態度表明に関する」議案(常置委員会提案)は、「九州教区を何故辺境というのか」「少数派から見れば、教団の運営と同じ状況が九州教区にも存在する」「九州教区は『聞く耳』を持っている」と議論が並行線をたどる中で、「議案を取り下げ、練り直す」意見がセコンドを得て修正動議となり、採決の結果、投票総数149、賛成111で可決され、議案は常置委員会差し戻しとなった。
三役選挙は、予備選で上位3名選出、所信表明後の本選で議長に梅崎浩二議員(副議長)、副議長に日下部遣志議員が選出され、書記は正副議長推薦の新堀真之議員を承認して三役が一新された。常置委員選挙(教職・信徒各4)は、4選禁止(本総会3人が該当)、女性枠30%・2人確保目標、倍数候補選出という九州方式で行われた。
本総会で、粕屋伝道所(西岡巌教師)の開設が承認され、2年前の総会で、3伝道所の廃止が承認されていただけに、大きな拍手に包まれた。粕屋伝道所は、福岡渡辺通教会が74年来開拓伝道に努めて来たもので、九州教区は、126教会・伝道所(うち伝道所10)となった。
三役選挙結果
【議長】梅崎浩二(大牟田正山町)、【副議長】日下部遣志(川内)、【書記】新堀真之(香椎)
常置委員選挙結果
【教職】西畑望(大分)、原田のぞみ(宮崎清水町)、東島勇気(門司大里)、古屋治雄(福岡中部)
【信徒】浅野直人(福岡警固)、伊津見七生子(若松浜ノ町)、島田晋(大分東)、松山萠子(武蔵ケ丘)
(50音順)
(永井清陽報)
互助の抜本的見直し継続
四国教区
4月29日~30日、四国教区総会が今治湯ノ浦ハイツで行われた。開会時、正議員123名出席。
冒頭、議長挨拶において黒田道雄議長は、「東日本大震災で被災した教会への思いを強めて行く」と述べ、支援への協力を呼びかけた。また、教区において、教勢の低下が続いていることに触れ「協力伝道を強め共に歩む決意を固くしたい」とした。教区において課題となっている、互助の抜本的見直しについては、「丁寧に協議をするために、検討小委員会を継続して設置する」と述べた。
互助検討小委員会の報告においては、開拓伝道を含めた援助の使途拡大と互助基準のことが重要な点として挙げられていることが報告された。
東日本大震災被災支援に関することとして、被災支援小委員会から、ボランティアプロジェクト、「エマオへの道・四国」を通して、活動が実施されていることが報告された。教育部の報告では、スプリングキャンプにおいて、福島から1名の高校生を迎えたことが報告された。
教団問安使・伊藤瑞男教団副議長挨拶では、石橋秀雄教団議長の挨拶について、活発な質疑がなされた。
洗礼と聖餐に関することについて、「プロテスタント教会の伝統に立ち、聖書に立ち返って議論する作業を教団として行ってほしい」との意見が出された。伊藤副議長は、基本信条、プロテスタントの伝統、教団信仰告白、教憲、教規の中に聖書解釈が含まれているとし、「様々な聖書解釈がある中、聖書解釈に返ってということを際限なく行うことは難しいが、教団という文脈に立ちつつ、会議で筋道を立てて議論して行くべき」と答えた。
また、伝道推進室について、「地方の現実をつぶさに見て戦略を考え、地方教会と協力しつつ進めて行くべきだと思うが、考えはあるのか」との質問があり、「伝道委員会と相談しつつ進められているはず、意見を出してほしい」と答えた。この他、沖縄教区との関係、宣教基礎理論のこと等について、質問があった。
東北教区から片岡謁也宣教部委員長が出席し、四国教区の震災直後からの祈りと支えに対する感謝を述べ、東北教区総会議長挨拶を朗読しつつ、被災地の現状を報告した。
2013年度予算は、昨年度に引き続き、東日本大震災支援のために200万円を支出すること、東日本大震災被災支援と教区活動の充実のために、負担金を2%増額すること等を盛り込んだ予算が承認された。
「宇和島南伝道所開設に関する件」では、これまで、無任所教師という立場で家庭集会を行って来た山崎恵子教師が、宇和島中町教会の担任教師となり、宇和島南伝道所を開設することが承認された。
三役選挙においては、三役が一新された。
1日目の夜には、「伝道する喜び~神がなさる業~」との主題で協議会が持たれた。
三役選挙結果
【議長】芦名弘道(近永)、【副議長】黒田若雄(高知)、【書記】寺島謙(松山城東)
常置委員選挙結果
【教職】上島一高(今治)、小島誠志(久万)、岡本康夫(日和佐)、篠浦千史(さや)、矢野敬太(愛南)、黒田道郎(石井)
【信徒】長島恵子(鴨島兄弟)、近藤康夫(新居浜西部)、木俣努(香川豊島)、遊口百合子(西条栄光)、竹村徳子(高知)、安宅登代子(石井)
(嶋田恵悟報)
久世そらち議長ら三役再選
北海教区
第73回定期総会は4月29~30日、札幌北光教会を会場に開催された。開会時出席正議員は126名中107名。冒頭に組織会で札幌教会の教区分担金支出留保の件を巡って意見が出された後、開会礼拝で准允式・按手礼式が執行され、2名が受允、3名に臨席正教師全員による按手がなされた。
議事においては、「議長総括」を巡り、教区宣教方針に基づく教区の姿とはどういうものかを問う質問があり、久世そらち教区議長は「教区全体について明確に言い切ることはできない」と答えた。また常置委員会報告に記載された「札幌教会役員会への勧告の実施を求める件」に関し、当該教会の米倉美佐男議員は「論点整理のために教区と話し合っているが、そこに至っていない。常置委員会記録を見せてもらえばわかる」と発言し、久世議長は「当事者からの要求の場合のみ対応する」と述べた。
各議案は4つの分科会に回付され、その報告を受けて審議された。可決された主な議案は「2012年度教区歳入歳出決算承認に関する件」「教区宣教方針に基づく2013年度活動計画に関する件」「2013年度教区歳入歳出予算(付・分担金配分)に関する件」「2013年度教職謝儀基準改定に関する件」。
更に「憲法改悪阻止の取り組み推進決議に関する件」「靖国神社問題に対する取り組み推進決議に関する件」「オスプレイ配備撤回を求めることを通して、沖縄差別のない社会を目指す運動を推進する決議に関する件」「アイヌ民族の権利を回復する運動の推進決議に関する件」については、各議案について繰り返し、「教区の少数者の意見を丁寧に扱うべき」「教会的信仰の視点を明確にすべき」等の意見が交わされた後、それぞれ可決された。
教団問安使への教団関係質疑では主に「教憲教規」「宣教協力」「社会問題」の3点が質問された。長崎哲夫教団総幹事は「教団は戦後新たに合同教会として出発し、公同の教会を目指して信仰告白と教憲教規を定めた」「北海教区の教勢低迷などの宣教課題は教団全体の課題でもある」「社会の様々な困窮の問題の中で、教団はまずキリストに依り頼み助け合う教会の群れでなければならない」と応じた。
東日本大震災支援活動について、東北教区の小西望牧師及び北海教区からボランティア派遣した青年2名より報告がなされ、東日本大震災支援の重要性について理解を深めた。
三役選挙結果
【議長】久世そらち(札幌北部)、【副議長】笠田弘樹(琴似中央通)、【書記】ト部康之(千歳栄光)。
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】小西陽祐(余市)、石川宣道(室蘭知利別)
【信徒】島田久美子(月寒)、板谷良彦(北海道クリスチャンセンター/札幌北部)
(松本のぞみ報)
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