各地で教区総会が始まった。今年もできる限り多くの教区総会取材を、と新報では取り組んでいる。地域固有の課題を抱えての伝道と教会形成について報告、計画が為されるであろう。これらを良く伝えられるよう心がけたい▼昨秋の教団総会を経て教区の意見があるであろう。また国政の交代で地域の課題が変化していることもあろう。震災被災教区では、教会の復興、再建、地域のそれにも進展があるであろう。原発、基地、人権といった諸問題を取り上げざるを得ない教区もある。一方で、伝道の危機が報告され、他方、これまで真剣に伝道に取り組んできた自負が語られる▼社会情勢の変化による種々の課題を論ずるにも、また伝道そのものを論ずるにも、これらが究極的な目標とされてはならないはずである。社会的課題も、伝道も、歴史の流れによって過ぎ去る。究極的目標は、今、隣りにある同胞に救いが伝わることであり、これらの人々の救いである。そして、この救いによって神の栄光が明らかになり、永遠に思い致すことだ▼この世にて、伝道し、教会を建て、社会的課題に真摯に取り組む。そして、この世は過ぎ去る。だが、そうであるからこそ、主から、終わりの日に「善かつ忠なる僕よ」と呼んでいただけるよう、今を懸命に生きなくてはならない。
教団問安使との活発な質疑
大阪教区
5月3日~4日にかけて、大阪女学院ヘールチャペルを会場に、第58回大阪教区定期総会が開催された。
開会時の正議員数は、議員数292名中193名であった。
准允、按手、聖餐式を含む開会礼拝が行われ、新しく教師が立てられたことの喜びを議場は共有し、本格的な議事がスタートした。
法定議案は順調に可決され、その他さまざまな議案が審議されたが、なかでも教団問安使との質疑応答が活発になされた。問安使は石橋秀雄教団議長であったが、議長報告それぞれについて、また、議長報告で触れられていない事柄にも質問が及んだ。
「1962年に憲法擁護声明を出している日本基督教団として、現自民党政権下での憲法改正問題について、どう考えているか」という問いに対し、「憲法96条の改定から、憲法を改正し国民を縛ろうとする動きに関しては非常に危機感を持っている。そのことへの対応策として現在教団書記が資料を作成し、今後三役で資料に基づいて具体的に検討していくことになっている」と答えた。
「人権が軽んじられた大谷裁判のこれまでの経過についてどのように受け止めているか、また、議長は北村裁判について疑問視するような文章を発表したが、大谷裁判を支援する声明を出した議長として、人権が軽んじられた北村裁判についてどう考えているか」との質問に対しては、「大谷裁判と北村裁判は全く質が違う。大谷裁判は人権のために闘った牧師の裁判であり、しかも、教会の境内内での逮捕という事例は議長としても認めがたく抗議をした。今後の裁判の経緯を注視し、大谷牧師の勝利を願っている。一方北村裁判は人権問題が問われる裁判ではない。この問題は、教会法における教師職についての問題であり、世俗法ではなく教会法で解決していく問題である。教会法の中に世俗法が入り込んではならない」と応じた。
「沖縄教区との関係回復について、今年の沖縄教区総会において、伝道所からの議員を総会議員として認めると沖縄教区が決断した場合、その教区総会を認めるのか、それとも認めないのか、また、沖縄教区との関係回復について、重要課題だと記しているが、具体的に何をしてきたか」との問いに対し、「沖縄教区から教団に、伝道所からの議員選出に関する教区規則の変更が出されたが、信仰職制委員会の提言を受け、その変更は認められないと既に結論付けている。また現状に関しては、何もできないでいるのが現状であるが何とか突破口を開きたいと願っている」と答弁した。
その後、「現在稼働中及び停止中の原子力発電所をすべて即廃炉にするよう求める声明」「憲法96条改悪並びに憲法の全面改悪に反対する声明」という2つの声明が採択され、現在の大阪教区が担うべき課題と、教区としての方向性が明らかにされた。
また、東日本大震災被災地、沖縄教区、大谷隆夫牧師、北村慈郎牧師をそれぞれ引き続き支え課題として担っていくとする各議案が可決された。
一方で、教区負担金算定見直しに関する議案、教区のスリム化を検討する議案が否決された。
三役選挙結果
【議長】向井希夫(大阪聖和)、【副議長】小笠原純 (高槻日吉台)、【書記】上地武(大正めぐみ)
常置委員選挙結果
【教職】小豆真人(東梅田)、村山盛芳 (浪花)、大澤星一(西大和)、岡村恒(大阪)、平井文則(阿倍野)、栗原宏介(奈良)、一木千鶴子(高石)、久木哲(交野)、田邉由紀夫(茨木)、中西真二(小阪)、清藤淳(和歌山)
【信徒】山崎喜美子(愛隣)、山田淳子(大阪聖和)、東谷誠(いずみ)、鈴木恵美子(馬見労祷)、江本義一(茨木東)、安田信夫(高槻)、楠原道温(茨木)、筧伸子(茨木東)
(小林信人報)
教区改革実質化委員会を設置
京都教区
5月3日、4日と第77回(合同後第47回)京都教区総会を洛陽教会を会場に開催した。
今総会は3つの重要な議案があった。①京都教区宣教基本方策の確定、②教区センターの一般社団法人化を白紙にする件、③教区改革実質化委員会の設置である。これらの議案は一部文言の訂正はあったが承認された。
例年総会において協議会を開催しているが、第1日の夕刻に「憲法改悪の自民党草案」を巡って憲法学者の横田耕一氏を講師に協議会をもった。憲法第96条の憲法改正要項に対して、さらには現憲法を守る立場から教区声明を出すことを確認した。
3・11東日本大震災から2年が経過し、今後も継続的な被災地支援の依頼とこの間の被災地支援活動に対する感謝が髙橋和人東北教区総会議長から伝えられた。特に2年を経て被災地での復興は円滑に進んでいるにもかかわらず、30万人を超える被災者が避難を強いられている現実と、社会全体に拡がる支援に対する希薄化に対して、警鐘と支援の継続が訴えられた。
今総会の2日目午後に石橋秀雄教団議長が問安のために来会した。教区は事前に問安を断っていたために、応接室で総会準備委員長と議長で丁重に応対し、7月9日第2回常置委員会において教団議長との協議の時間を持つことを確認して退席してもらった。
京都教区は77教会・伝道所で成り立っているが、昨今の各教会、伝道所の地力の低下は教区の存亡に関わる案件となっている。その中で今期から教区負担金算定方法が見直される。自立教会の負担金が軽減され、小規模教会の負担金が増加するという厳しい負担金の逆転減少となって現れた。今後4 年間にわたる移行措置として、軽減された負担金の拠出と増加した負担金への補助制度を実施し、その後に教会間の互助制度を整備し、教区からの支援と教会間の互助という二重の教会支援制度を作っていきたいと考える。
今回は2年に一度の選挙総会でもあった。議長・副議長は再選され、井上勇一、入治彦が2期目に入った。
三役選挙結果
【議長】井上勇一(洛南)、【副議長】入治彦(京都)、【書記】森下耕(洛陽)
常置委員選挙結果
【教職】望月修治(同志社)、山田真理(上鳥羽)、大澤宣(紫野)、韓守信(長岡京)、今井牧夫(京北)、大山修司(膳所)、竹ヶ原政輝(丹波新生)
【信徒】川上穣(錦林)、奥野カネコ(膳所)、谷口ひとみ(八幡ぶどうの木)、志賀勉(紫野)、押本年眞(丹波新生)、中井正子(堅田)、原田潔(大津東)
(井上勇一報)
15:1 わたしたち強い者は、強くない者の弱さを担うべきであり、自分の満足を求めるべきではありません。
15:2 おのおの善を行って隣人を喜ばせ、互いの向上に努めるべきです。
15:3 キリストも御自分の満足はお求めになりませんでした。「あなたをそしる者のそしりが、わたしにふりかかった」と書いてあるとおりです。
15:4 かつて書かれた事柄は、すべてわたしたちを教え導くためのものです。それでわたしたちは、聖書から忍耐と慰めを学んで希望を持ち続けることができるのです。
15:5 忍耐と慰めの源である神が、あなたがたに、キリスト・イエスに倣って互いに同じ思いを抱かせ、
15:6 心を合わせ声をそろえて、わたしたちの主イエス・キリストの神であり、父である方をたたえさせてくださいますように。
15:7 だから、神の栄光のためにキリストがあなたがたを受け入れてくださったように、あなたがたも互いに相手を受け入れなさい。
15:8 わたしは言う。キリストは神の真実を現すために、割礼ある者たちに仕える者となられたのです。それは、先祖たちに対する約束を確証されるためであり、
15:9 異邦人が神をその憐れみのゆえにたたえるようになるためです。「そのため、わたしは異邦人の中であなたをたたえ、/あなたの名をほめ歌おう」と書いてあるとおりです。
15:10 また、/「異邦人よ、主の民と共に喜べ」と言われ、
15:11 更に、/「すべての異邦人よ、主をたたえよ。すべての民は主を賛美せよ」と言われています。
15:12 また、イザヤはこう言っています。「エッサイの根から芽が現れ、/異邦人を治めるために立ち上がる。異邦人は彼に望みをかける。」
15:13 希望の源である神が、信仰によって得られるあらゆる喜びと平和とであなたがたを満たし、聖霊の力によって希望に満ちあふれさせてくださるように。
14:13 従って、もう互いに裁き合わないようにしよう。むしろ、つまずきとなるものや、妨げとなるものを、兄弟の前に置かないように決心しなさい。
14:14 それ自体で汚れたものは何もないと、わたしは主イエスによって知り、そして確信しています。汚れたものだと思うならば、それは、その人にだけ汚れたものです。
14:15 あなたの食べ物について兄弟が心を痛めるならば、あなたはもはや愛に従って歩んでいません。食べ物のことで兄弟を滅ぼしてはなりません。キリストはその兄弟のために死んでくださったのです。
14:16 ですから、あなたがたにとって善いことがそしりの種にならないようにしなさい。
14:17 神の国は、飲み食いではなく、聖霊によって与えられる義と平和と喜びなのです。
14:18 このようにしてキリストに仕える人は、神に喜ばれ、人々に信頼されます。
14:19 だから、平和や互いの向上に役立つことを追い求めようではありませんか。
14:20 食べ物のために神の働きを無にしてはなりません。すべては清いのですが、食べて人を罪に誘う者には悪い物となります。
14:21 肉も食べなければぶどう酒も飲まず、そのほか兄弟を罪に誘うようなことをしないのが望ましい。
14:22 あなたは自分が抱いている確信を、神の御前で心の内に持っていなさい。自分の決心にやましさを感じない人は幸いです。
14:23 疑いながら食べる人は、確信に基づいて行動していないので、罪に定められます。確信に基づいていないことは、すべて罪なのです。
14:1 信仰の弱い人を受け入れなさい。その考えを批判してはなりません。
14:2 何を食べてもよいと信じている人もいますが、弱い人は野菜だけを食べているのです。
14:3 食べる人は、食べない人を軽蔑してはならないし、また、食べない人は、食べる人を裁いてはなりません。神はこのような人をも受け入れられたからです。
14:4 他人の召し使いを裁くとは、いったいあなたは何者ですか。召し使いが立つのも倒れるのも、その主人によるのです。しかし、召し使いは立ちます。主は、その人を立たせることがおできになるからです。
14:5 ある日を他の日よりも尊ぶ人もいれば、すべての日を同じように考える人もいます。それは、各自が自分の心の確信に基づいて決めるべきことです。
14:6 特定の日を重んじる人は主のために重んじる。食べる人は主のために食べる。神に感謝しているからです。また、食べない人も、主のために食べない。そして、神に感謝しているのです。
14:7 わたしたちの中には、だれ一人自分のために生きる人はなく、だれ一人自分のために死ぬ人もいません。
14:8 わたしたちは、生きるとすれば主のために生き、死ぬとすれば主のために死ぬのです。従って、生きるにしても、死ぬにしても、わたしたちは主のものです。
14:9 キリストが死に、そして生きたのは、死んだ人にも生きている人にも主となられるためです。
14:10 それなのに、なぜあなたは、自分の兄弟を裁くのですか。また、なぜ兄弟を侮るのですか。わたしたちは皆、神の裁きの座の前に立つのです。
14:11 こう書いてあります。「主は言われる。『わたしは生きている。すべてのひざはわたしの前にかがみ、/すべての舌が神をほめたたえる』と。」
14:12 それで、わたしたちは一人一人、自分のことについて神に申し述べることになるのです。
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