東日本大震災を覚えて、多くの祈りが捧げられてきました。被災された方々を覚えて、多くの祈りが捧げられてきました。宗教法人立、社会福祉法人立、その他の法人立にかかわらず、また無認可のボランティアの皆様を覚えて、祈りが捧げられてきました。特別の思いをもって、働きを担っておられる皆様を覚えて、祈りが捧げられてまいりました。そして今も、祈りと共に、全国の諸教会から、日本基督教団東日本大震災救援募金が捧げられています。深く深く感謝をいたします。
今年も12月第一主日の「キリスト教社会事業を覚えて祈る日」を迎えます。日本全国に、多くの働き人が散らされています。十分に光の当たっていないところには、さらに光を当てようとしているわたしたちの仲間がいます。継続が大事な福祉を、心を込めてこれからも続けようと努力している仲間がいます。そして東日本大震災の中で、心のこもった福祉を実践しようと心がけている仲間がいます。祈りをあわせて支えたいと思います。
日本における社会福祉の根拠となるものは日本国憲法第25条です。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」
また『福祉六法』と呼ばれる法が定められています。老人福祉法、身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、生活保護法、児童福祉法、母子及び寡婦福祉法です。それに老人保健法と社会福祉法を加えて『福祉八法』と呼ぶこともありますが、憲法に基づいて社会福祉を支えるものとなっています。社会福祉事業は、社会福祉法二条で定められている事業のことを言いますが、その内容は多岐にわたり、細部にいたるまで触れられています。
わたしたちの日本社会に社会福祉が体系的に入ってきたのは、プロテスタントのキリスト教が伝えられてからでした。また、心のこもった福祉を実践しようと心がけてきたのも、キリスト教社会福祉事業でした。
実際の働きがあります。祈りをあわせて、支えたいと思います。
2013年12月1日
第38総会期日本基督教団社会委員会 委員長 釜土達雄
東中国教区にて初めての試み
10月28日、東中国教区宣教部社会委員会主催の部落解放劇が岡山教会に於いて行われた。これは東中国教区で初めての試みであった。
今回のテーマ「希望を生みだす」(ローマ5・3〜5)によって行われるのは4度目であった。
劇の内容はある教会で過去におこった部落差別が問われるものである。
5年間無牧の教会があった。そこに転任してきたばかりの、新牧師は部落差別問題などの研修に力を入れていく。ある日役員の南森に「もっと大事なことがあるのではないのですか」と言われ教会のあるべき姿が問われていく。そんな中で牧師は教会の女性谷田から牧師になりたいと相談をもちかけられ、また狭山事件に取り組む青年やまぐちの後押しもしていくことになる。やがて牧師は近隣の居酒屋のおかみから教会で5年前にあった部落差別について聞かされる。
やまぐちの活動が問題視されるも、一方で役員会では5年前の差別が糾弾される。「わたしたちは知っているのです。苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。希望はわたしたちを欺くことはありません」果たしてこのみことばはどのようにかたられるものなのか。
劇は結論を見ない。全ては聴衆に呼び掛けるものでここから人々が何を考えるかが問われるものだろう。
劇後、休憩をはさみ質疑応答が行われた。出演者の自己紹介の後、解放劇への取り組み方、脚本について昨年とどのように変わったかが説明された。福島第一原発事故を扱った箇所が狭山事件になったという。
聖餐に関する差別は実話をモデルにしており衝撃的であった。差別は教会でさえおこるという主張は聴衆全体に伝わっただろう。そしてこの主張は演じたとき、役者達にも刺激となったようだ。
解放劇の課題としては、より規模を大きくしていき教団・教区総会にも見合ったものにするべきということがあげられる。それを教団全体で支えていかなければならないだろう。(根津仁詩報)
私は依頼を受けて教会や神学校にお話に伺うことがよくあります。その中で様々な声があります。ある集会で「私はクリスチャンです。聖書には、みんな神様に愛され、平等だと書かれています。だから差別をしたことがありません。私は、被差別部落の人が差別を受けて大変苦しい思いをしているのを知っています。だから、私の家族がこんな事になったらと思うと被差別部落の方との結婚に反対します。そんな親の気持ち分かって下さいますね」と話されました。結構多くの方の思いです。私はその方に部落差別の起こり(現代であれば差別されない事象)、なぜ今も差別が残っているか、それをなくしていくにはどうしたらいいか、そして聖書はどのように語っているかを話します。差別はどのような理由があってもよくないです、と話します。
部落解放センターは日本基督教団の業務機関として設立されました。教団の大阪分室としてセンターが開所して32年になります。その間様々な取組みをしてきました(取組みについては、センターホームページをご覧下さい)。2000年制定の日本基督教団部落解放方針(教憲教規)にのっとり活動をしています。その方針には反差別の連帯も明記されており、「部落差別がなくなりますように、全ての差別がなくなりますように」と願い、祈り、取組みをしています。いつの日か必ず差別のない社会がやってくると、信じています。
2013年12月に機関誌「良き日のために」が発行されます。ご期待下さい。ぜひ読んで下さい。(部落解放センター運営委員長)
河村 博氏(高円寺教会主任担任教師)
13年9月30日逝去、69歳。神奈川県に生まれる。’73年日本聖書神学校を卒業。同年志布志教会に赴任、溝ノ口教会、蒲田新生教会、調布教会を経て、13年より高円寺教会を牧会した。
遺族は妻・河村英子さん。
榮 英彦氏(隠退教師)
13年11月4日逝去、82歳。樺太・豊原に生まれる。’57年東京神学大学大学院を修了。同年奄美大島で開拓伝道、瀬戸内町伝道所、瀬戸内教会(’61年設立)、札幌教会、麻生伝道所、麻生教会(’72年設立)を牧会し04年隠退、07年復帰後12年まで札幌教会を牧会、隠退した。
遺族は妻・榮潤子さん
隠退教師を支える運動」全教(支)区推進協議会が、去る10月8日より9日の二日間、教団会議室で開催されました。出席者は長崎哲夫総幹事、田安晴年金局理事長、櫻井淳子年金局業務室長の陪席を頂き、計良祐時監事、高橋豊監事共々、31名でありました。
会議に先立って、開会礼拝が捧げられ、長崎総幹事により、コリントの信徒への手紙二8章1〜7節のみ言葉による「パウロの慈善の業と奉仕」と題する説教を戴きました。
「『施すこと』『奉仕をすること』は、豊かな中にある有り余るものにおいてなされるものではない。貧しくとも、自ら進んで豊かになす所のものだ。パウロは福音の伝道者としてその生涯を語り続けると共に、エルサレムの貧しい聖徒のための托鉢を貫いた。献金は、究極的に献身すなわち、『自らを主に献げる』こと、しかも喜んで献げることによって、主にあって豊かにされるからである。パウロはその大事業を、十字架と復活の主イエス・キリストの都エルサレムにおいて弟子たちの憂慮やユダヤ人らの妨害を超えて完成した。わたしは、聖書が証しする『慈善の業と奉仕』についてそのような重さにおいて見ている」。
厳しいメッセージのなかにも大いなる励ましと恵みを戴いた礼拝のひとときでした。そしてメッセージに盛られた「恵み」が協議会全体を包んでいたように思われるのです。
はじめに森啓一委員長より挨拶および今後の運動の進め方として運動の原点を認識し、更なる祈りと努力を注いでまいりたい、との話がありました。次いで鈴木秀信事務局長より2人の監事と新任の教区推進委員、都合で出席出来ない推進委員に代わって出席した方が紹介され、拍手をもって歓迎の意を表しました。
2012年度事業報告、同決算と13年度計画(目標)額の報告があり、決算については献金総額7360万円余りとなり、前年度を下回りましたが計画通り年金局に5100万円余を繰り入れ、クリスマス祝金1956万円を贈呈する事が出来て感謝でした。詳しくは教団新報・年金特集№58をご覧下さい。
年度報告の後、年金局理事長藪田氏によって「教団年金制度概略説明」が行われました。特にこの制度の基本的な捉え方として、神の召しによって生涯を伝道、牧会に捧げられ、隠退された教師に対する老後の経済的支えに留まらず、現役でその業に仕えておられる教師方をも視野に入れた、全教団的り組みとして考えていくことの大切さを学びました。
その後、分団に分かれて、各教区、支区、地区における推進活動の現状、各教会としての取り組みについての情報交換、課題の共有、これからの歩みについて語り合い、2日目は全体討議として、これまでの語り合いを踏まえ、この大切な信徒運動を支えていくについては、「教会形成としての豊かな霊性」のもとで育まれていく「慈善の業」として、今後も歩み続けていくことを示され全日程を終えることが出来ました。
この「隠退教師を支える運動」が、信徒の篤き祈りと、それによって溢れ出る奉仕への促しによって、主のご栄光を拝する業へと導かれるようにと祈らされたことでございます。(鈴木秀信報)
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