第38総会期第3回社会委員会が、9月30日から10月2日にかけて開催された。
福島新町教会を会場に行った会議では、冒頭、9月21日に1名の死刑が執行されたことに伴い、即日、社会委員長名で要望書(「死刑執行を繰り返さないよう要望します」)を内閣総理大臣、法務大臣宛てに送付したことを確認した。
そのほか、EMS(旧南西ドイツ宣教会)の要請に呼応するシリア難民支援、長期療養教師へのクリスマス見舞金の取り扱い、2つの協力団体(日本キリスト教社会事業同盟、日本キリスト教保育所同盟)の報告、そして来年の全国社会委員長会議などについて協議した。
会議の前後には、福島県内、東日本大震災被災教会及び社会福祉施設を次のとおり訪ねた。
〔1日目〕磐城教会、(社福)白水のぞみ保育園、〔2日目〕会津放射能情報センター/放射能から子どものいのちを守る会、浪江伝道所(帰宅困難区域内)、小高伝道所(同)、鹿島栄光教会、〔3日目〕福島新町教会、福島教会。
いわき、会津、福島と訪ねた先々では、震災後2年半という年月を経てなお教会と地域が向き合う諸課題を教えられることとなった。また、放射能汚染による帰宅困難地域に至っては、課題と向き合う足場さえ失っている現実を目の当たりにすることとなった。
白水のぞみ保育園においては、園児に供する食品の安全を確保するべくガンマ線測定機を独自に設置している。これは会津放射能情報センターにおいても同様で、測定器を地域の人々に開放している。口にするもの一つひとつに疑念をもたざるを得ない地域住民の不安、また食品の安全を確認するために払う物理的・精神的労力は計り知ることができない。
一方で、子をもつ親と周囲の人々、地域住民と震災後の転入住民、時に一つ屋根の下に生きる家族の間にも見解の相違から軋轢が生じるという。和解の福音を携え世に仕える、かの地の教会の働きが豊かに用いられるよう、教団をあげていよいよ祈りを集めなければならない。(村上恵理也報)
10月1日ハートンホテル西梅田にて第3回教師委員会を開催した。
委員会開催に先立ち、同志社大学神学部と関西学院大学神学部に問安を行い、教団の教師養成に対する感謝を述べ、それぞれの学校から教団に対する忌憚のない意見を聞く時を持った。
委員長及び事務局報告について。道家紀一担当幹事より、13年度東京神学大学交付金、神学教育交付金、12年度神学校日献金送金報告、13年度神学校日献金のお願い、13年度教師継続教育研修費援助中間報告、教師養成制度検討会議についての報告を受けた。
福島県の教師問安(8月末と9月初旬の2回実施)について。吉澤永書記が記した教団新報及び、KNL(教団ニューズレター)について内容を確認した。教師委員会としては、救援対策本部会議を福島で開くことを、石橋秀雄教団議長に要望することとした。
神学校問安について。関西の2神学校問安の報告者と関東の4神学校問安日程について確認した。
東京神学大学交付金変更について。交付金の額を半額にした経緯を確認し、元に戻すことを予算決算委員会に要望すること、この議論を契機に教団立神学大学の支援を考えることとした。
教師継続教育について。牧会者共同研修委員会の過去の経緯について認識を深め、教師継続教育については、今後予算措置と人員配置について議論していくことを確認した。なお、本件を次回常議員会で報告することとした。伝道推進室が企画実行した夏期研修会(第7回Cコースの会)に関しては、参加する者に、次年度より教師継続教育研修として援助を行うこととした。ただし、本研修会は、本来教師委員会が取り扱う事項との認識で一致し、推移を見守ることとした。
教師名簿整理に関して。別帳教師の整理については長崎哲夫総幹事に依頼をし、無任所教師については、各教区に住所不定教師及び教師として活動していない無任所教師に関する調査依頼をすることとした。
最後に大友英樹委員の祈祷で委員会を閉じた。(吉澤永報)
日本基督教団教誨師会「研修会・教区代表者会」が7月29、30日、日本基督教団軽井沢南教会において、33名の出席で開催された。この研修会は設立から毎年行われ、今年で4回目となった。
教団教誨師会は、教団伝道委員会の協力を得て、刑務所や少年院をはじめとする法務省所管の矯正施設において宗教教誨にあたっている教団教誨師の働きを支え合い、その宣教の使命を果たすことを目的としている。その働きの重要な一つとして、「研修会と教区代表者会」を毎年、開催している。
今年度は、都会から離れ、避暑も兼ね、自然豊かな軽井沢での開催とした。軽井沢南教会の宮澤豊牧師には、会場教会として心からのもてなしを受け感謝であった。
研修は、ルーテル学院大学教授で府中刑務所において外国人被収容者への教誨も行っているジェームズ・サック氏を講師として、「外国人被収容者への教誨」と「スピリチュアル・ペインとそのケア」についての講演を聞いた。
特に、カウンセリングを専門とする教授の講演をとおして、4つのスピリチュアルな痛み(意味の痛み・関係の痛み・許しの痛み・絶望の痛み)についての説明があり、「受刑者にとっては、絶望の痛みが一番強烈な痛みとしてあり、これが生きる意味を全く失わせてしまう地獄の苦しみとなる。教誨師は、この痛みを聴き、これに寄り添う役割にあり、御言葉や祈りを通して痛みを持っている本人から希望を引き出すことによってスピリチュアル・ケアが実現してゆく」と話した。被収容者が、心からの悔い改めと主からの慰めをもって、新しい人生の歩みができることを教誨師は望んでいる。
教区代表者会は、各教区における教誨師の働きをわかち合う場となっている。教誨師の働きは、他宗教との関わりもあり、何かと費用が発生する。
是非、各教区においても教誨師の働きに理解をいただき、祈りと支援をよろしくお願いしたい。(加藤幹夫報)
今総会期の宣教研究所委員会は、9月6日に第3回、10月11日に第4回を、いずれも日本キリスト教会館で開催した。
7月および8月に開かれた2度の作業部会を受けて「改訂宣教基礎理論」第一次草案の修正に多くの時間を費やし、その結果、第二次草案を常議員会に提出するに至った。
第一次草案に対する応答は、教団諸委員会や多くの教区から郵送、ファクシミリ、Eメールで既に送られて来ていたものである。当委員会ではそのすべての意見、提案等を読み合わせ、個別に検討することになった。重複している意見は特に慎重に吟味したと考えている。
その際、多数の箇所で表現の簡素化をはからねばならなくなったことは否めない。しかし、それゆえ第二次草案は、第一次草案に比して凝縮された文章になった。修正部分のすべてをここに列挙することはできないが、第二次草案を既に常議員会に提出したことから、何らかのかたちで公表されることになるであろう。
日本キリスト教会館問題に関係して、宣教研究所が管理すべき「資料室」に保管されている資料を確認すること、また、その整理をめぐっても協議した。膨大な資料の整理にはかなりの労力が掛かり、今後の大きな課題となるであろう。資料整理ならびに保管の統一性を考えると、他に資料整理委員を設けることなく、資料整理の作業そのものを主として委員会が行うべき、との認識に至っている。教団にとって貴重な資料が多く、現在の会館の耐震強度などを考慮すると、今後は保管場所の移転も視野に入れねばならない。そうとすれば、資料の保管形式もデータ化、マイクロ化するなどの対処が求められよう。長崎哲夫総幹事と協議し、適宜対応して行く。
なお、長崎総幹事には委員会に2度陪席してもらい、慰労の言葉の他、改訂宣教基礎理論第一次草案の修正作業に対する意見、東日本大震災国際会議の意義等についての説明を聞いた。委員一同、宣教研究所管理者としての総幹事の働きに感謝した次第である。
(寺田信一報)
東京教区の東日本大震災を覚える特別礼拝が、10月27日午後、銀座教会で開催された。
礼拝〈司式・鈴木秀信(船橋教会)、奏楽・草間美也子(銀座教会)〉で岸俊彦牧師(経堂北教会)は、「時」と題する説教(ヨハネの黙示録1・1〜3)で、「黙示録の著者ヨハネの『時』とは、キリストの『時は満ち、神の国は近づいた』の『時』であり、過ぎ行く時間でなく、特別な決定的な『時』だ。決定的な『時』の開始は、産みの苦しみの始まりだとキリストは語った。3・11は、まさに決定的な『時』に違いなく、ますます先行きの見えない、困難な時代となった。神の計画と必然は、私たちには計りがたい。だから、いつも目を覚ましていなければならない。ヨハネは、礼拝を考えて黙示録を書いた。神の御前に集うこと、礼拝者の幸いが分かる。教会で真の礼拝の実現する時が、終わりの時の光景だ」と述べた。
礼拝後、長崎哲夫総幹事、飯島信救援対策幹事の挨拶に続いて、第2部5支区聖歌隊讃美〈司会・宮越光(松戸教会)〉に移った。
東京教区は、70年の万博出展問題で起きた激しい対立で、90年の再開まで20年間、教区総会が開けなかった。この間、75年に活動を支区に委ね、教区は連絡・調整役を担って来た。09年の能登半島地震特別礼拝が紛争後初めてで、今回が復活後3度目の合同讃美だった。
西南、南、北支区が合同聖歌隊、東支区が銀座教会、千葉支区が柏教会聖歌隊の讃美で、最後は、5支区聖歌隊讃美の恒例ともなった会場全員での「ハレルヤ・コーラス」(メサイア)を声高らかに歌った。
礼拝には、30教会から207人が出席。当日の献金、15万9千490円は東日本大震災募金に献げられた。(永井清陽報)
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