3月23日、教団会議室にて、教団救援対策本部第10回会議を、震災から一年を経過した被災者および被災地にある教会の歩みの上にさらなる主の支えを願う石橋秀雄本部長の祈りによって開会した。
まず、3月24日現在での国内募金総額が3億245万9、758円、海外からの献金総額が2億968万1、305円となっていることが報告された。また、海外献金プロジェクト小委員会および救援対策室(11号室)から、エマオ笹屋敷開所式、エマオ石巻ワーク、こひつじキャンプ、ハートフル遠野等の報告がなされた。
続いて、奥羽・東北・関東の各教区から、震災一年を覚えての礼拝の開催、教会再建に向けての現状、諸支援活動の内容等が報告された。また、被災3教区の各支援担当者が集まり、各教区における支援活動の現状などの情報交換をする予定であることが報告された。
なお、以上の報告を受け、これらの教団の救援活動の状況を、海外の諸教会に発信することを確認した。
審議事項として、救援対策本部・組織整備、および会堂・牧師館再建支援委員会の設置について協議し、次回会議においてさらに検討することとした。
次に、会堂・牧師館建築資金貸付け要綱の作成について協議し、元金の返済開始の据置き期間を2年、返済期間を20年とし、教会に対しては貸付利子を課さないこと等を決定した。
また、牧人会「あだたら育成園」からの施設改築整備事業への1千万円の追加補助、および北日本3教区合同短期保養プログラムへの160万円の補助を決定した。
さらに、2012年度の救援対策本部会計予算案作成に向けて協議し、次回会議において予算案を作成することとした。
その他、「福島第一原子力発電所事故に関する教団議長声明」については常任常議員会で扱うこと、委員による現地視察を実施すること、また、田中弘志委員の後任者選任については次回会議で扱うこと等を協議した。
また、被災地における精神的なケアを担うための新たな取り組みを進めることについては、現段階では様々な状況から判断して実施は困難であることを確認した。
次回は、4月27日、教団会議室にて開催とした。
(雲然俊美報)
3月28日、大阪地方裁判所は、いわゆる四・五釜ヶ崎弾圧事件の判決を下した。
被告らは共謀し、4人全員有罪との、不当な判決だった。自由・平穏な日本において、どのような事情であれ、投票所の静謐を乱す言動をしてはならない、と。
事は2007年3月、大阪市が釜ヶ崎解放会館などを住所としていた2088人の日雇い労働者や野宿者たちの住民票を、居住実態がないとして、一斉に職権消除したことにそも遡る。
住民票を消除された人々の多くが、生活上の不便を強いられ、また誰にも保障されているはずの投票権を行使できなくなった。
一定条件を満たせば投票できると約束した大阪市は、しかしその周知活動をほとんどしなかった。
釜ヶ崎医療連で働く大谷隆夫教師を始め、釜ヶ崎の労働者の権利のため闘ってきた人たちが、市に代わって投票を呼びかけ、付き添い・監視活動を選挙のたびに行って来た。
2010年7 月の参議院選挙時にも同様の行動をした。それが「公務執行妨害罪」だとして、2011年4月5日、7名の突然の逮捕・勾留となった。
最終的に罪状は「威力業務妨害罪」へ変更され、大谷教師を含む4名が起訴され、勾留期間は111日にも及んだ。
関西労働者伝道委員会の協力牧師を中心に有志の会を立ち上げ、他の団体と共に救援会を結成し、昨年度一年間懸命の支援活動を展開した。労働者の人権に何ら触れない判決に強い疑問を覚えている。
常に「イエスだったらどうか」が、大谷教師の行動の原点。彼はこれに聴きながら、労働者の命の尊厳のために行動して来た。
支援を通して、大谷教師の関わって来た労働者をも支える広がりを与えられ、実際、釜ヶ崎に繋がる多くの人々と連帯を深め得た。
4月、4人はそろって控訴した。長い厳しい闘いが予想される。
大阪教区は支援を総会で議決した。人権を守り、公民権をうち立てる道のりだ。私たちにとって信仰が問われる歩みでもある。是非、お支え下さい。
(横山順一報)
北海教区
4月30日~5月1日、札幌北光教会を会場として第72回北海教区総会が開催された。開会時の出席正議員は、127名中105名だった。
点呼後、4年にわたり教区分担金未納を続けている札幌教会の議員資格を問う質問があった。久世そらち議長は「未納により議員資格を消失する規定は教区規則にはない」と答弁した。
組織会に続く開会礼拝では、聖餐、3名の正教師按手が執行された。按手礼式に先立ち、二種教職制の問題指摘が従来どおり司式者によって述べられた。
「議長総括」で久世議長は、まず「時代の状況の中で」として東日本大震災後の被災地支援対応を報告した。この中で「北日本宣教会議」を北海教区担当にて11年10月に東北・奥羽両教区からも参加を得て開催できたことを報告した。
次に「教会内外の課題」として現住陪餐会員数、礼拝出席者数の減少、教会員高齢化が顕著で財政状況も厳しいことを述べた。また、2つの伝道所がそれぞれ閉鎖、教団離脱をしたことを報告した。複数年にわたる分担金未納教会が増えていることを挙げ、未納が財政的な理由による場合には軽減を考慮しているとした。また、「札幌教会をめぐる問題」については、07年の発端より比較的詳細な経過報告をした。71回教区総会の要望を踏まえて常置委員会と札幌教会との話し合いを重ねたが解決していないことを報告した。
最後に、教区宣教活動方針に基づく「革新・連帯・平和」各項目について11年度の取組みを報告した。
質疑では総括にて比較的大きく扱われた札幌教会問題に多くの時間を用いた。
東日本大震災支援では、被災地の教区、教会の要請に応え支援活動を行うこと、また教団救援対策本部の支援活動に協力すること、教区支援委員会を設置することを決定した。また12年度末を期限に400万円を目標に募金に取り組むこととした。今後も年度毎に目標を定めて募金を当面継続する。
教区宣教活動方針に基づく12年度活動計画を「革新・連帯・平和」各項目に則して決定した。また、04年度より10カ年に亘り行われてきた「第3次長期宣教計画」が13年度で終了するのに伴い、今期総括と次期長期宣教計画策定を常置委員会で行うこととなった。
71教区総会で決定した教区機構改変によって、今年度より宣教部のもとに革新・連帯・平和各部門が置かれ特設委員会等が統合再編される。予算案審議では、これに伴う会計科目変更が決定された。また、新謝儀基準に15年度までの経過措置を経て移行するが、これと共に謝儀保証制度を改変し算定方法を明確化することとなった。
2日目午前の協議会では、五味一隠退教師による発題とこれを巡っての協議、教団問安使である雲然俊美教団書記との質疑応答が行われた。どちらも丁寧に協議、質疑が行われた。
この他に、「アイヌ民族権利回復運動推進」、「脱原発社会を目指す運動推進」等が決議された。
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】田中文宏(真駒内)、ロバート・ウィットマー(名寄)
【信徒】島崎康広(千歳栄光)、佐久間光昭(置戸)
教団総会議員選挙結果
【教職】久世そらち(札幌北部)、西岡昌一郎(旭川六条)、後宮敬爾(札幌北光)、笠田弘樹(琴似中央通)、佐藤幹雄(岩見沢)、日向恭司(教区)、秋山千四郎(北見望ケ丘)、卜部康之(千歳栄光)
【信徒】佐久間光昭(置戸)、島崎康広(千歳栄光)、稲垣正策(函館千歳)、相馬述之(札幌北光)、荒木とみえ(岩見沢)、一條英俊(札幌北光)、藤巻朋子(札幌元町)、浦部浩行(新発寒)
(渡邊義彦報)
九州教区
第62回九州教区定期総会は、5月3・4日、九州キリスト教会館にて開催された。開会時出席正議員は237名中187名。
1日目午前の議事で議長報告、次いで受按者・受允者承認に関する件を承認。准允式が行われ、3名が受允した。
午後、諸報告についての質疑では、按手礼式と正教師就任式の関係について議論が交わされた。九州教区では総会決議に基づき、受按教師の牧する教会を会場に按手礼式が執行される。正教師就任式は同日でなく「別の日に改めてすれば良い」また「正教師就任式はしなくても良いもので、むしろ二種教職制問題が露顕するのでふさわしくない」とする常置委員会での意見に対し、「会場教会の負担に配慮してほしい」「就任式を望む教会の声を受け止めてほしい。そうでないと『教区議長挨拶』で教団に対し、教会の主体性を主張した姿勢と矛盾するのではないか」と質問がなされた。深澤奨議長は「按手礼式は教区、就任式は教会という式の主体の違いを考えるべき」と答弁した。
教団問安使に内藤留幸総幹事を迎えた。教団総会議長挨拶が朗読され、教団年金現況・日本キリスト教会館問題・東日本大震災救援募金の直近の献金報告等については、補足を加え詳細に説明された。これを受け、「伝道における一致」理解、伝道方策検討委員会の提言、戒規の理解等を巡り活発な質疑応答がなされた。
引き続いて、在日大韓基督教会西南地方会代表、教団年金局、部落解放センター運営委員会から挨拶を受けた。
また「日本基督教団が沖縄教区(沖縄キリスト教団)に謝罪する件」、「『沖縄宣教連帯金』減額分返金の件」、「『教憲』前文並びに『日本基督教団成立の沿革』を加筆修正する件」が、教区提出の教団総会議案として提案され、可決された。
2日目は決算・予算関連議案等を審議、さらに建議2件について深澤議長から「教憲教規と異なる扱いであるが、教区での従来の扱いに従い今回は議案としたい」と提案され、上程された。建議案1号「教団総会議案に関する件」(提案者・山本爽起子)は、各教区提出全議案につき事前整理なく総会へ提出することを内容とし、賛成多数で可決された。
建議案2号「教団総会が北村慈郎教師戒規免職処分に関わった教師委員および審判委員を処分することを求める件」(提案者同上)は、戒規執行主体の理解、「処分」また提案文中の「人権侵害」の理解を巡って長時間の議論となった。深澤議長が自身も賛同者であることをふまえて、議場に修正案の有無を確認し、宮川経範議員より「北村慈郎教師戒規免職処分に関わった教師委員および審判委員に謝罪を求める件」との修正案が提出され成立、採決により修正案が可決された。
教団総会議員選挙は、選考委員会による倍数候補に自薦者を加える方式で行われた。
教団総会議員選挙結果
【教職】深澤奨(佐世保)、梅崎浩二(大牟田正山町)、青山実(名瀬)、日下部遣志(川内)、本多香織(直方)、鈴木重正(佐賀)、東島勇気(門司大里)、松崎豊(福岡弥生)、多田玲一(福岡女学院)、古屋治雄(福岡中部)、原田のぞみ(宮崎清水町)
【信徒】松山萠子(武蔵ヶ丘)、今村泰子(長崎銀屋町)、島田晋(大分東)、山口紘三(佐世保)、東隆義(田川)、鈴木史郎(佐賀)、園眞實(国分)、水田剛子(延岡三ツ瀬)、山口貞嘉(福岡弥生)、八木一成(福岡中部)、須藤真理子(錦ヶ丘)
(松本周報)
▼我が教会は、建て増しや改修を重ねてきたせいで、建物の統一性に欠ける。それが如実に表れるのは、天井灯などのスイッチ類だ。礼拝堂照明のスイッチ板は、隣接の部屋にあり、上から天井の奧側の部分、手前の順。集会室は部屋の中にあり、上から換気扇、手前側、奧の順。手洗いは換気扇が一番下。エアコンも同様で、部屋毎に勝手が違う。教会台所、流しのレバーは押し下げると水が出、牧師館は逆。一番新しい教会手洗いは、手をかざすだけの自動。▼以上のことは、しばしば間違えるものの安全性には問題がない。しかし階段のスイッチは危険だ。一歩降りた所にスイッチがあるので、上りは良いが、下りだと闇の中で奈落に踏み出す危険がある。実際何回かヒヤリとした。▼かような次第で、闇の中でスイッチを探すのは危ない。停電時、先ず懐中電灯が先だと、冷静に判断、探したが常備している筈の場所にない。懐中電灯を探すべく思わず叫んだ「天井灯を点けて」。▼教団も、建て増しや改修を重ねてきた結果、統一性を失っているように思う。統一性に欠けた雑多・混沌とした建物の方が居心地が良いという人もあろうが、事故の元だ。耐震性を欠いた教会は、時代の塩にも光にもなれない。梃子でも動かない信仰告白こそが時代の要請だ。
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