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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4749号】人ひととき 網中 彰子さん 新たな召しに忠実に

2012年6月2日

日本キリスト教協議会(NCC)総幹事。教団世界宣教委員。

網中牧師は、「《主がお入り用なのです》との信仰により、すぐにお受けしました」と語り始め、次のように続けた。
「今総会期の標語はマルコ1章17節《わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう》。総幹事として選出された総会の場所は聖アンデレ教会(聖公会)でした。3代前は銚子の網元だったと聞いている私にとって、この聖句は東洋英和の小学部の時から好きな聖句でした。務めを果たす力は神さまが下さると信じ、気負わずにおります」。
NCC総幹事の役割について尋ねると、「議決機関の長である議長の指示に基づき、執行機関の長として淡々と冷静に業務にあたります。ただし教団と違い、協議会の特徴の一つに、委員の派遣制度があります。委員は委嘱ではなく、加盟教団・団体が派遣する人が自動的になるのです。主にある交わりを信頼し、福音に根差した活動が出来るよう祈っています」と答えた。
今総会期より総幹事は委任契約となった。NCCは会計業務でさえ週3日のパートという必要最低限の人数で事務局を運営しており、総幹事も普通に電話を取り、コピーを取り、教会の牧師同様何でもして、少人数だからこそ互いに配慮し合い助け合っている、とのことである。
今、特に取り組んでいる課題は、東日本大震災被災者支援に関わる事柄である。「世界の教会が被災者のため熱心に祈り、具体的に献金して支えて下さっています」と述べ、その祈りに共に加わり続けたいと、網中牧師は願う。2013年10月に釜山で開かれるWCC総会の前に、被災者の現況と日本の宗教者が代替エネルギーについてどう考えるか提言することが出来る国際会議を開くよう要請があり、準備を進めている。
「エキュメニカル震災対策室(JEDRO)室長は小橋孝一NCC議長、フルタイムの室長補佐として5月から教団の外崎孝牧師が働いています。祈りお支え下さい」と結んだ。

能登半島地震被災教会最後の再建、羽咋教会の献堂式が4月30日行われた。
新会堂は、七尾線羽咋駅から徒歩10分弱、羽咋高校前の市の中心部にあり、1、000㎡の土地に鐘楼を持つ木造平屋建ての会堂と牧師館が並ぶ。
会堂は昨年11月末完成し、12月から使用を開始していたが、雪解けを待っての献堂式となり、春を待ち兼ねたかのように、近隣の教会、中部教区、全国の関係者など、51教会184人が出席した。
会堂の扉を開け放って玄関ロビー、廊下に隙間なく椅子を並べ、あるいは別室でビデオ中継を見守る中で午後2時、献堂式が始まった。
「新しい天と新しい地」と題した式辞で内城恵牧師は、「能登半島地震の直後、5年後に羽咋教会の献堂式を迎えることが出来るとだれが考え、97年前に伝道所としてスタートした時、2012年に新会堂を建設出来ると、だれが想像し得ただろうか。私たちの祈りを主は叶えて下さった。
イザヤ書の『わたしは新しい天と新しい地を創造する』の御言葉が、会堂建設の間中、いつも心の片隅にあった。新しくされた建物という器だけでなく、切望する終末の希望を、建築の過程で見させて頂いた。新しい天と新しい地は、会堂を通して証しされた」と力強く述べ、虹のエピソードを紹介して結んだ。
「新会堂で礼拝を守るようになって主日礼拝で3度の虹を見た。虹は信仰者にとって特別な意味を持つ。初めて会堂を使用した12月第1主日。2度目はその翌週。3度目は東日本大震災1周年の3月11日早朝で、会堂の端から端まで掛かる大きな半円状の虹だった。聖書に虹は神と人間との平和の徴とある。
東日本大震災以来、多くの試練を経験したが、今こそ復活された主が来られることを切望し、新しい天と新しい地に生きる神に、キリストの教会として立つことが出来るよう祈り願う」。
’74年に建築された旧会堂は、能登半島地震で多数の亀裂が生じたが、元来、羽咋白百合幼稚園(現ゆりっ子児童クラブ)園舎として建設されたため、主日ごとにホールに講檀と椅子を並べ、礼拝を守って来た。耐震工事をどうするかの協議の中で、信徒が農地を寄贈したことから独立の新会堂建設へと進展し、総工費3、500万円の瀟洒な会堂へと結実した。
献堂式に引き続き行われた感謝会で、内藤留幸総幹事は、「北陸伝道に20年間携わった者として、感慨無量、万感胸に迫るものがある。神様のなさることは誠に素晴らしい。歴史の転機には、破局が起きる。それを克復した時に、新しい時代が始まる。能登半島地震被災教会支援の働きは終了した。能登での経験を活かして、東日本大震災に取り組んで行きたい」と語った。
続いて挨拶に立った長山信夫・銀座教会牧師(能登半島地震被災教会会堂等支援委員長)は、「能登半島地震の全国委員会は、中部教区、能登伝道圏の教会の熱意に本当に支えられた。会堂がどうしても必要なのだという熱意無しには、募金運動は進まなかった」と述べた。
小宮山剛・逗子教会牧師(元中部教区被災教会再建委員長)は、「24年前に能登に赴任したが、羽咋の人たちが会堂建設を熱望しているのを聞いて、それは不可能なことだと感じた。神様は本当に生きていることを今日感じた」と語ったが、何人かの人が同様の感想をもらした。
会堂全体を立錐の余地なく埋めた出席者が、感謝会でも茶菓に手をつけようともせず、祝辞に大きくうなずき、時に目頭を押さえていたのが印象的で、9人の祝辞の後に立った川原潤長老は、「万感の思いで皆様のご挨拶を聞いた。神様はいつも私たちとともに歩んで下さった。全国諸教会の熱い思いと支えで会堂建設は達成出来た。20名ばかりの小さな教会だが、地域伝道に邁進して行く」と会員を代表して決意を語った。
能登半島地震発生以来5年余。被災教会の支援は、2教会1伝道所の会堂、3教会牧師館を再建、2教会会堂、2幼稚園の改修すべてが完了した。
(永井清陽報)

柴田 勝氏(北星学園女子中学高等学校教務教師)
05年11月26日逝去、70歳。滋賀県に生まれる。’60年東京神学大学大学院修了、同年札幌教会に赴任、渡米しマウントバーノン教会、日米合同教会を経て、’73年より北星学園女子中学高等学校に勤めた。
遺族は、妻・柴田敬子さん。

北久保勝也氏(隠退教師)
12年3月14日逝去、’87歳。東京都に生まれる。’53年日本基督神学専門学校を卒業、同年京都丸太町教会に赴任、和戸教会、熊谷教会、長崎古町教会を経て’67年より’95年まで洗足教会を牧会した。
遺族は、娘・巌崎悦子さん。

鎌谷きよ氏(隠退教師)
12年4月2日逝去、96歳。群馬県に生まれる。’38年神戸女子神学校を卒業、’54年新発田教会に赴任、倉吉教会を経て’86年まで八頭教会を牧会し、’87年隠退した。
遺族は、娘・深井光さん。

福島第一原子力発電所事故に関する議長声明
2012年3月27日
日本基督教団総会議長 石橋 秀雄
「地とそこに満ちるもの、世界とそこに住むものは、主のもの。」    (詩編24編1節)
東日本大震災の発生から一年が経過しました。2012年3月11日現在で、死者15,854名、行方不明者3,155名という厳しい現実を前に、主なる神の憐れみを願い求めます。
被災し、今なお大変な困難の中で生活しておられる方たち、福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染により、将来の不安を抱える中で、その生活の場から避難することを余儀なくされている方たちを覚え、主の支えと導きを心よりお祈りいたします。
日本基督教団では、震災後直ちに被災者・被災地の救援と支援活動を開始し、今日に至るまでその活動を展開しておりますが、このことのために教団の諸教会のみならず、海外の多くの教会において祈りがなされ、支援が継続されておりますことを感謝いたします。
さらに、原子力発電所事故による放射能の拡散を防ぎ、放射能の被曝の危険の中で懸命に働いておられる方々の努力と痛みを覚えます。
さて、この度の震災による被害の中で、私たちがとりわけ関心を持ち続けて行かなければならないのは放射能汚染の問題であり、その原因となった原子力による発電の問題性です。
すでに昨年の「平和聖日」に在日大韓基督教会と合同で「平和メッセージ」を発表(『教団新報』第4728号)、その中で原子力発電の問題性を指摘し、「全ての原発の稼働を停止し、廃炉を前提とした処置が取られること」を表明しました。
福島第一原子力発電所事故は、原子力発電というものが、神に祝福された世界、神の創造の秩序を破壊し、命あるものの関係を断ち切る人類滅亡の危機の始まりとなりうることを警告しています。日本は被爆国です。原爆の恐怖は投下された時の凄まじい破壊の恐怖にとどまらず、その時助かった方々にも一生放射能の恐怖に怯える生活をもたらしました。わたしたちは国家の原子力政策の被害者でもあります。福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染の被害により、軍事のみならず民事においても被害者となりました。しかし、同時に今や日本は原発事故によって大量の放射能を大気に、海に放出し、世界に対する加害者になってしまいました。
新たな地震によって、福島第一原発4号機の1535本の核燃料棒に対する冷却手段を失えば、再臨界を招き、大気中に果てしなく放射能を放出し、かつて人類が経験することのなかった世界の滅亡の始まりとなることが指摘されております。
被曝に由来する癌が発見されるまで5年、10年と長い年月がかかると共に、放射能は遺伝子を破壊し、その影響は次の世代にまで及ぶと言われています。
人間のつくった原子力発電のシステムは、神の創造の秩序の破壊をもたらすものと言わざるを得ません。人間の命よりも経済が優先される社会の中で生きるわたしたちの悔い改めが求められています。
震災から一年が経過し、原子力発電所の事故による影響が極めて広範囲に及んでおり、またその内容も深刻さを増している現在の状況の中で、すべての原子力発電所の稼働を停止し、廃炉を前提とした処置が取られることを求めつつ、教団に属するすべての教会において祈りを合わせていただきたいと願います。

3月19日、キリスト教会館遺愛会議室で、今期第3回世界宣教委員会が開かれた。1月27日の開催が、インフルエンザ、雪のため交通途絶などにより定足数を満たさず、流会となったので、この日の開催となった。
報告の中で、アルゼンチン・ブエノスアイレスの在亜キリスト福音公同教会責任者谷智恵子さん(前牧師夫人)が自宅前で強盗の襲撃に遭い、重傷を負われて1月10日逝去されたことを聞き、痛みをおぼえた。
<RUBY CHAR=”洛雲海”,”ナグネ”>(韓国、長老会神学大学)、齋藤篤(ドイツ、ケルン・ボン日本語キリスト教会)、ベルトラン小川文子(フィリピン、ボホール・ゴスペル・サテュレーション・プロジェクト)各宣教師の派遣式をそれぞれ行ったこと、台湾長老教会(PCT)との教会協議会が台湾の真理大学で行われ、教団より17名が参加し、震災援助関連のことをテーマとして協議が行われたこと。また、米国合同メソジスト教会(UMC)、オーストラリア合同教会、南西ドイツ宣教会(EMS)の総会への参加要請があり、地震救援活動の報告と募金協力を依頼する機会とすること、フィリピン合同教会、インドネシア・ミナハサ福音基督教会(GMIM)など海外教会からの連帯の申し出があり、地震を機に海外の教会との往来が活発になっていることの報告を聞き、承認した。
協議事項として①「世界宣教の日」献金の支出配分を決めた。②木原葉子宣教師の任地をフレーザーバレー日系人教会の職務に加えて、バンクーバー日系人合同教会を兼務とすること(6月まで)、洛雲海、ベルトラン小川文子各宣教師の任期確定、小井沼眞樹子、佐原光児各宣教師の任期継続を承認。③松本章宏(インドネシア・ジャカルタ日本語キリスト教会)、林原泰樹(ケルン・ボン日本語キリスト教会)各宣教師の在外教師辞任を承認。④マレーシア、クアラルンプルJCFへの牧会ボランティアとして、相浦和生、松谷好明各牧師を紹介することを承認。⑤ボリビア福音メソジスト教会、ラ・グロリア教会に知花スガ子教師を派遣することを承認した。
なお、帰国中の小井沼眞樹子宣教師より、ブラジルのアルト・ダ・ボンダーデ・メソジスト教会での働きについて宣教報告を聞いた。
(秋山徹報)

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