第37総会期第1回予算決算委員会は、2月14・15日と2日間にわたって開催された。今総会期に選出された委員は、伊藤瑞男(招集者)、津村正敏、外崎孝、長島恵子、宮下重康、森川恵美子、山上清之の7名であった。委員長に、伊藤瑞男、書記に外崎孝、常任委員に森川恵美子が決まった。なお、監査委員会から初日に服部能幸、2日目に寺門文雄が陪席したほか、総幹事内藤留幸と財務幹事計良祐時が陪席した。
総幹事報告として、第37総会期第1回常議員会で自然災害に備える救援対策基金が設置され、今後兵庫、関東、中部の被災経験教区の意見を聞いて、体制作りを進めること、伝道方策特別委員会が設置されたことなどが報告された。
財務幹事からは、全国の教会の経常収入、現住陪餐会員数が年平均1%減少している(過去5年間)ことなどで経常会計の対応が必要であるとの報告があった。
2010年度の補正予算については、12月までの月次報告書を見ながら検討した。一般の支出款科目では、予算内の決算が見込まれ、その点で補正の必要はない。しかし、世界宣教委員会でスイス・韓国三国間教会協議会の延期があったため、繰入金で補正が必要となり、補正予算編成時期は常任委員会に一任された。収益事業会計での補正は、不要とされた。
前期委員会からの引き継ぎ事項の中で、教区の負担金についての検討は、引き続き小委員会を委員会内に設置し、検討を進めることを決定した。委員には、伊藤瑞男、長島恵子、山上清之の3名がなった。この検討は、教区活動連帯金検討委員会が今後出す結論の方向と関連する。
教職者家族奨学金については、返還のお願いをした結果、8月末時点で399万4千円の返済があったが、同会計の最終処理は次年度に行うとされた。
神学生奨学金及び神学生奨学金基金の残金960万円全額は、関係神学校に教師委員会より送金され両会計が終了した。
(計良祐時報)
第2回委員会は、2011年4月4日(月) 、高橋和人書記(東北教区議長)欠席、大震災で被災された方々と教会をおぼえながら開かれた。
震災前の第1回委員会で当委員会の位置づけと任務について大枠を決めてあったが、大震災を踏まえて、協議内容を変更すべきではないかとの提起があった。
即ち、現況下での教区連帯の在り方について新たに検討し直す必要があるのでは。また、他の委員会との協働、予算決算委員会との連携、多岐にわたる課題の浮上など意見が交わされたが、既定通りとして、自由提案・自由討議の形で進められた。
現行の教区活動連帯金はすでに2011年度分は決定しており、本年9月の配分協議会においては2012年度も現行通りと予想されることから、それ以後の対応を視野に進めることとした。以下は自由討議の様子である。
連帯金、教区負担金等についての問題点について
*教区間格差について、収入面、支出面、その内容、教区規模、公平性、必要性など。*拠出について、従来の指標についての検討など。*配分についての検討など。*教団負担金の算出基準との関連。*教団機構における教区活動連帯金配分協議会の位置付についての問題点。*堤起されている連帯崩壊についての問題整理。*教会の財政的実態把握を正確にするために、教会付属幼稚園、保育園の財政状況把握の必要性など。
教区活動連帯金組織の性格と方向性について
*現状維持のために経済的援助を必要とする教会への支援。*現状の教区活動を維持するための教区への経済的支援。*伝道活動活性化のための支援。
現教区活動連帯金配分協議会は各教区代表者の自主的組織であるが、離脱などを含め、問題を抱えた協議会組織の性格そのものが問われていると言えよう。
(鈴木功男報)
第56回定期総会は、5月3・4日、大阪女学院ヘールチャペルを会場として開催された。開会時出席正議員は294名中211名。開会礼拝では、一木千鶴子牧師(高石)が「主の優しさに生かされて」と題し説教、聖餐式は鈴木賛美牧師(愛隣)が司式、「洗礼を受けた者、小児洗礼を受け信仰告白式をおわった者は、どこの教会員であっても共に聖餐にあずかってください」と宣明して執り行われた。続いて、向井希夫教区議長司式により准允式が行われ、2名が受允した。
諸報告および決算・予算関連議案の審議では、次年度への繰越金が常態化している会計状況に対し、教区負担金を減額して各教会・伝道所の負担軽減を求める意見、負担金納入に困難を覚えている教会への配慮を求める意見が繰り返された。
今総会で特記される議案は以下の通り。
「『分かち合い特別資金』(仮称)設置とその給付に関する件」は、質疑の段階で、規則文言、継続的な資金供給見通し、申請精査の基準などにつき再検討を求める意見が相次いだ。議長は議運提案を受け「差し戻し」を諮ったが、「提案者自身が差し戻しを提起するのは議場に対し失礼である」との反論を受け、議事が中断した。休憩を挟み、宣教部委員長より「廃案」が提案されたが、これにも抗議の意見があり、最終的に「取り下げ」となった。
「大阪教区会計に『東日本大震災支援資金』(仮称)を設置する件」では教区として1、000万円を「第二特別資金」より振り替え、支援活動の資金とすることが提案された。質疑では、既に購入されている物品の費用も、本資金の支出に含まれることが確認された。賛成多数で可決した。
また「大谷隆夫教師(関西労働者伝道委員会専従者・教務教師、摂津富田教会兼務主任担任教師)が不当に逮捕され、起訴、拘禁されていることに対して、大阪教区として抗議を表明する件」が緊急議案として上程された。住民票の抹消手続きにより、選挙権を失った労働者の権利回復のために活動してきた、大谷牧師の逮捕に対し、不当弾圧と人権侵害、信教の自由をも踏みにじる行為として厳重に抗議すると提案理由が説明された。賛成多数により可決された。
そのほか「『教団沖縄宣教連帯金』の減額分を教区がともに担う件」は169名中96名の賛成、「北村慈郎前紅葉坂教会教師の免職処分に対する抗議、撤回を求める声明に関する件」が167名中99名賛成により、それぞれ可決された。
石橋秀雄教団議長による教団問安使挨拶と質疑応答がなされた。石橋議長は「信仰告白・説教と聖礼典・教会法によって公同の教会が形づくられる」と強調し「未受洗者への配餐は信仰告白における一致を乱すがゆえに止めていただきたい」と語った。また北村氏への戒規についての質問に、「戒規は終わったのではなく、『免職中』である。悔改めて復帰へと進まれることを願っている」と答えた。
議事と並行して三役・常置委員選挙が行われた。
三役選挙結果
【議長】向井希夫(大阪聖和)、【副議長】小笠原純(高槻日吉台)、【書記】山田謙(池田五月山)。
常置委員選挙結果
【教職】小豆真人(東梅田)、小林ようこ(箕面)、村山盛芳(浪花)、大澤星一(西大和)、岡村恒(大阪)、上地武(大正めぐみ)、遠藤勇司(高の原)、田邊由紀夫(茨木)、中西真二(小阪)、大西邦彦(主座)、清藤淳(和歌山)。
【信徒】山崎喜美子(愛隣)、鎌田英子(玉出)、東谷誠(いずみ)、江本義一(茨木東)、山田淳子(大阪聖和)、楠原道温(茨木)、安田信夫(高槻)、糸本資(石津)。
(松本周報)
第69回定期総会は、4月28・29日、道後温泉・椿館を会場として開催された。
開会礼拝では、木村一雄牧師(琴平)が説教、また聖餐式が宇賀充牧師(三島真光)の司式により、執り行われた。
開会時出席正議員は151名中117名。1日目は、教区議長メッセージを受けた後、諸報告が扱われた。
その後、教団問安使挨拶を受けた。雲然俊美教団書記は議長挨拶・総幹事報告に加えて、東日本大震災への教団としての対応について述べた。特に被災教会現況については、自身の被災地実踏による写真も回覧して、詳細な報告がなされた。
夕食は会場の大広間に一同で会し、時間中に各分区の近況報告がなされ、互いの教会の一年の歩みを覚え合うひとときとなった。
夜には「伝道の幻を語り合う」と題して協議会を開催。福田哲(多度津教会牧師)・筧牧人(伊予長浜教会牧師)・濱田康行(土佐教会信徒)3氏の発題により、四国の地に建てられた教会の伝道の恵みと希望、また課題について理解を深めた。
第2日目は追悼式から開始された。引き続いて准允式・按手礼式が執行され、3名が受允、また2名に臨席正教師全員による按手がなされ、キリストの体なる教会を担う教師が、喜びの内に立てられた。
2日目議事の中での教団問安使との質疑応答は「伝道姿勢」、「聖餐関連」、「東日本大震災」の3点に亘ってなされた。雲然問安使は、「議長挨拶の文面は危機感を煽る目的でなく、現状を直視して教会のなすべき中心的な使命を強調したもの」「信仰告白による一致の上に、聖礼典がある。北村氏の転任にかかわる申請書類は教区と対応中」「震災復興の要点は礼拝共同体が存在し続けること」と語った。
緊急に総会直前の常置委員会の議を経た追加議案として、「東日本大震災救援・復興支援に関する件」が上程された。「東日本大震災で被災された教区・教会の復興に、四国教区として祈り、全力を挙げて取り組む。早急に、教区予算より200万円を『日本基督教団東日本大震災緊急救援募金』に献金する。なお、今後の具体的な支援については、常置委員会に付託する。そのために、東日本大震災救援・支援に関する新たな会計項目を設ける」。議案内容において、当該の会計項目の設置により、支援を1回限りでなく中長期的に継続すること、また救援・支援の献金を教団募金へと一本化することが示された。質疑ののち採決され、議長は「満場一致」での可決を宣した。
開会礼拝から始まり、議事開閉時の祈祷、閉会礼拝に至るまで、常に「東日本大震災」が祈りに覚えられ、一つのキリストの体である日本基督教団を深く心に刻む総会となった。
三役・常置委員選挙が行われた。選挙結果は以下の通り、三役は再選された。
【議長】黒田道郎(石井)、【副議長】篠浦千史(さや)、【書記】堀眞知子(瀬戸キリスト)。
常置委員選挙結果
【教職】芦名弘道(近永)、黒田若雄(須崎)、木村一雄(琴平)、岡本康夫(日和佐)、小島誠志(松山番町)、上島一高(今治)。
【信徒】長島恵子(鴨島兄弟)、寺岡恭仁子(屋島)、安宅登代子(石井)、竹村徳子(高知)、近藤康夫(新居浜西部)、木俣努(香川豊島)。
(松本周報)
北海教区、第71回総会は5月5日~6日、改装の成った札幌北光教会を会場として開催された。
冒頭、組織会で議員資格について議論があり定数確認まで30分を要した。教区分担金支出を留保している札幌教会に議員資格を認めるか否かの議論であった。教区の教務執行に抗議することを理由として、3年に亘り札幌教会が分担金支出を留保し、教区財政を圧迫していることから総会議員資格を停止すべきとする意見と、また札幌教会からは訴願問題に端を発する抗議内容が述べられた。書記より、常置委員会では議員資格を停止しない決定をしていること、分担金未納教会への延滞金賦課が提案されることが説明された。名簿どおり点呼され議員129名中110名の出席を確認した。
開会礼拝では正教師按手と補教師准允が各2名ずつ執行された。
「議長総括」を巡って再び、教区と札幌教会の問題が多くの時間を割いて論じられた。07年度から4年に亘り双方平行線を辿り解決を見出せないでいる。
第3次長期宣教計画標語「平和を生きる神の民」(04~13年度)を掲げて、教区宣教活動方針に基づく11年度活動計画を賛成多数により決定した。計画は「革新、連帯、平和」の各項目ごと具体的な活動計画を立てている。「教区ホームページ開設」、「『子どもとおとなが共にする礼拝』の検証」、「信徒活動の新しい形」、「機構改変実施準備」、「幼稚園の課題整理」、「謝儀保証の堅持・充実」、「伝道所、小規模教会支援」、「教団形成、諸教区との連携」、「東日本大震災被災教区との連携、被災地支援」、「砂川政教分離訴訟支援」、「部落解放センターとの連携」、「ホームレス支援団体との連携」等を新しい計画として挙げている。
予算案審議と合わせて、組織会にて触れられた「分担金滞納の場合の延滞金」について提案説明があった。分担金滞納に対して年利2.5パーセントの延滞金を課すという提案である。第70回教区総会の意見を踏まえた提案で、延滞金年率は民法等法定延滞金利(年5%)、教区開拓伝道資金短期貸付金利(年2%)を考慮した、としている。これに対し、「延滞金を課すという前例はあるのか」、「懲罰ではないか」等の質問、「滞納理由について話し合う場を閉ざす」、「一個教会に端を発する制度制定は認められない」、「滞納の事情は一律ではない」等の反対意見、「納入している教会とのバランスとして当然」、「教区財政逼迫の中で苦渋の決断」、「謝儀保証を受けている教会には滞納の選択はあり得ない」、「申請により減免処置を認めている」等の賛成意見があった。予算案審議の中での延滞金賦課の議論に、これを分割して採決する動議が出され採択した。採決の結果、予算案を賛成多数により可決、延滞金を賦課することを82名中賛成34名により少数否決した。
予算審議に関連して、基本給上限を概ね38万円に引き下げ、諸手当を充実させる新しい教職謝儀基準を可決した。5年間の経過処置期間を経て15年より完全実施となる。
教区機構改変に伴う教区規則変更を、92名中84名、3分の2以上の賛成により可決した。
北海教区は、東京教区西支区の時代から西東京教区との間に宣教協約を結び、5期25年に亘り、主として興部伝道所を支援してきた。今回新たに第6期(11~16年度)宣教協約を結ぶことが提案され全会一致で可決した。協約には教団信仰告白、教憲教規を共通基盤とすることが謳われている。西東京教区から大村栄議長が出席した。西東京教区総会の審議を待って協約締結となる。
2日目午前には協議会が持たれ、約1時間に亘り、教区総会を問安した岡本知之教団副議長が丁寧に質疑に応じた。
三役選挙結果
【議長】久世そらち(札幌北部)、【副議長】笠田弘樹(琴似中央通)、【書記】卜部康之(千歳栄光)。
常置委員選挙結果(半数改選)
【教職】佐藤幹雄(岩見沢)、白崎智之(帯広)。
【信徒】一條英俊(札幌北光)、藤巻朋子(札幌元町)。
(渡邊義彦報)
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