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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4886・87号】▼「牧会者とその家族のための相談室」設置準備委員会▲相談室設置、常議員会に提案

2018年8月4日

 6月25~26日、第3回「牧会者とその家族のための相談室」設置準備委員会を教団会議室にて開催した。教団にこの相談室が設置されるために慎重に準備と討論を重ね、以下のことを決議した。

 第6回常議員会に「牧会者とその家族のための相談室委員会設置に関する件」を議案として提出する。委員会は、宣教委員会の下に置かれる。

 委員会の目的は、牧会者とその家族に対する魂の配慮と精神的ケアなどの実際的問題に取り組むためであり、設置期間は第40総会期とし、第41総会期以降も継続して行うこととした。活動計画として、一つは牧会者とその家族のための電話相談窓口の設置である。相談員により、週1回の電話相談を予定している。

 もう一つは全国交流会の開催である。「障がい」を考える小委員会主催で、「牧会者ならびにその家族の精神的ケアを考える」を主題に2010年、2014年に開催した。今年10月に第3回を開催予定である。相談室委員会設置の後は、そこで培われたものを受け継いでいきたい。

 2009年より「障がい」を考える小委員会において、牧会者とその家族の自死や精神的疲労、およびそれに伴う教会の崩壊的状況といった深刻な問題が協議され、精神的ケアの取り組みが急務であると同時に、その重要性が確認されてきた。宣教委員会は、このことを「宣教に関する重要な事項」と認識し、より専門的な委員会を設置して、牧会学的な基盤をもとに、具体的な魂の配慮と精神的ケアを行っていきたい。

 ここで重要なことは、問題を解決することではなく、問題を受け止めていく中で、主イエスの福音に立ち帰れるように導くことであり、伝道の業としてなされることである。このことも確認と共有をしていきたい。

 長期にわたって運営するために、宣教委員会において相談室継続の申し送りをすることとした。 (堀眞知子報)

 京都教区は2014年度総会決議により、京都教区センター土地建物を教団特別財産から宗教法人日本基督教団京都教会へ移管しました。それまで長期間かけて教区は、安定的に活用できるセンターの将来像を模索してきましたが、最終的に教区内の宗教法人教会への土地建物移管の方向を願いました。そこから移管受入の依頼を教区から受けた京都教会は役員会として、教区が移管受入れを望むなら、財政など教区の利害関係のためだけでなく、教区による宣教のヴィジョンを示してほしいと要請しました。それに応えて「宗教法人京都教区センター教会(仮称)」を10年後設立し、同教会にセンター土地建物を再移管することで安定的にセンターを宣教に活用する方針を教区総会で決議しました。

 センターでの宗教法人教会設立に向け、2016年度より毎月第3土曜2~3時半の礼拝・懇談をセンター礼拝室で開始して3年目です。青年たちの朗読劇による礼拝、現代的ワーシップ(賛美)音楽礼拝、バザールカフェ(教区と市民の協働で社会的マイノリティー支援を行うコミュニティーカフェ)関係者の立証など、様々な礼拝を続けてきました。

 この礼拝では、教区内の多様な人材による司会や説教、祈祷や賛美に触れることができ、出席者は毎回新鮮な刺激を受けています。現在25名前後の出席で、「礼拝共同体」としての絆が育まれてきています。この新しい礼拝につながり、将来ここに教会籍を移したいという人も現れました。今後、伝道所設立に2年、二種教会設立に3年、宗教法人教会設立に3年をヴィジョンとして、決して簡単ではない教会設立の実現を祈り求めています。今後も近隣の大学生、留学生との協力や、テゼの礼拝など実験的な宣教の形も模索したいと願っています。 (京都教区議長)

石川兼子氏(隠退教師)
 18年5月20日逝去、81歳。神奈川県生まれ。61年同志社大学神学部卒業。71年より宿河原伝道所(75年から教会)を牧会し、10年隠退。
 遺族は娘・石川ユリさん。

 

中村民男氏(隠退教師)
 18年6月25日逝去、85歳。東京都生まれ。61年青山学院大学大学院卒業。同年より亀戸教会を牧会し、09年隠退。
 遺族は妻・中村洋子さん。

 

齊藤昭夫氏(隠退教師) 
 18年6月30日逝去、91歳。秋田県生まれ。54年東京基督教神学専門学校卒業。55年より武蔵野、高岡、熊本坪井(75年から錦ヶ丘)教会を牧会し、02年隠退。

 1815年に開始したスイスの宣教団体「mission21」は、2年前から青年プロジェクトを開始し、青年を関係教団へ派遣しました。今回は逆に、世界中の関係教団から1名ずつ青年を招く国際青年大使プログラムが開催され、私も6月11日から24日にかけてスイスに行って参りました。

 プログラムの多くは、各国の青年たちと社会問題や国際的団結について議論して過ごしました。始めの一週間はmission21の総会へ陪席し、テーマである移民・難民問題についての世界中からの議論を聞きました。青年のうち2名のコーディネーターにはプレゼンテーションが任されました。

 翌週にはチームごとの派遣があり、アジアチームはドイツへ行きました。現地の青年や神学生との交流を通し、日本人として同じ敗戦国ドイツに遣わされた意義深さを感じました。EMSへも訪問の機会を得、宣教についてさらに考えました。

 今回学んだことの一つが、青年の主体性です。私たちは総会においてステートメント「私たちは今ある存在。未来のものだけじゃない。(We are present not only future.)」を発表しました。青年は被教育対象でも未来の存在だけでもなく、今を生きる主体的な存在だという意味です。それを証明してくれたのが、このプログラムを基本的に運営していた青年たちの主体的な奉仕でした。二つ目が宣教についてです。日本人としてアジアチームにいる時、またドイツにおいて、私は敗戦国であり宗主国でもあった日本をとても意識しました。ヨーロッパで宣教や国際協力が力強いことの背景にキリスト教の定着があります。しかし、ヨーロッパも植民地支配を行い、宣教もそれに利用されました。他国へ行って何かをするときに人間は傲慢や偏見の誘惑に遭います。それに打ち勝つには、聖書の持つ平等の思想と、受け与えるという関係だけではないエキュメニカルな団結の関係が重要であると思い、祈りつつ聖書の平和を希求していきたいと思いました。 (岸ひかり報/千葉本町教会員)

 東日本大震災のまさにその時、足利東教会では牧師の交代のために会議をしていたそうです。教会の建物は、揺れの中でも充分持ちこたえましたが、壁の内側にははっきりとひびが入り、震災の痕を残しました。

 そのころ私自身はというと、婚約式の準備に向かうため、珍しくタクシーに乗って移動中でした。車のサスペンションで揺れがだいぶ吸収されたものの、それでも揺れが長く続き、運転手さんと一緒に「どこか遠くで、かなり大きい地震があったのではないか」と心配していたのを覚えています。

 次の日には何とか電車を乗り継ぎ、当時神学生として奉仕していた教会に行きましたが、その教会も足利東教会同様、内壁がひび割れていました。

 その後しばらく、輪番停電などで不安な日々が続きました。足利東教会の信徒の中には、時おり信号が点かない中で、以前から入院中だった家族に会うために、車で往復していた者もいたそうです。

 それから、韓国人である私の妻が、韓国のキリスト教系ラジオ局による、教団総会議長の石橋秀雄先生への電話インタビューをセッティングしました。その繋がりから、石橋先生に連れられて、被災地の支援にもうかがいました。

 私と妻は、2012年4月から、伝道師として足利東教会に赴任しましたが、会堂の内壁のひびや、町の所々にあった、ブルーシートで覆われた屋根に、震災の影響の大きさを感じました。

 その後、関東教区を通して、足利東教会も、会堂の内壁の修理のために、教団の支援を受けられることになりました。栃木地区内や関東教区内に、会堂を建て直さなければならない教会がいくつもありましたから、初めのうちは、支援してもらうことにためらいもありましたが、支援が決まってからは、足利東教会からの献金にも、より熱が入りました。

 震災を通して、月並みな言葉ですが、「互いに助け合うこと」の大切さを感じました。日本国内の諸教会ももちろんですが、妻の知人たちや、教区の記念礼拝を通して、韓国や台湾の諸教会も、日本の被害を覚えて、共に祈り合い、支え合ってくださっていることを、具体的に知りました。

 そして、御言葉を取り次ぐことを通して、互いに助け合う教会の姿は、新約聖書の時代から変わらなかったということも学びました。説教準備の過程で『キリスト教とローマ帝国』という本を読みましたが、そこでは、人口の3分の1が亡くなるような疫病流行の中で、最後まで踏みとどまって隣人の看護に当たったキリスト者の姿が記されていました。そのことを説教で話したところ、信徒の一人は「殉教はとてもできないが、いざという時に命がけで近所の人の面倒を見るくらいなら、できるのではないかと感じた」と感想を返してくれました。

 「一つの部分が苦しめば、すべての部分が共に苦しみ、一つの部分が尊ばれれば、すべての部分が共に喜ぶのです」(一コリント12・26)。この思いを与えてくださった神様に感謝します。
(関東教区・足利東教会牧師)

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