ウクライナにおける平和と正義を願って
WCC(世界教会協議会)第11回総会が、8月31日〜9月8日にドイツのカールスルーエで9年ぶりに開催された。日本の加盟教会は、日本基督教団、在日大韓基督教会、日本聖公会、日本正教会の4教会、代表議員数は5名。教団からは代表議員として西之園路子世界宣教委員長と伊勢希牧師(ユース枠)が派遣された。またスチュワードとして内田幸四郎神学生、訪問者枠の部分参加で木谷佳楠教師(同志社大学助教)が参加。
代表議員750名を含むWCC参加者総数は計3000名ほどとなる。
本総会には、WCC加盟教会でもあるロシア正教会からも代表議員が参加。ウクライナには事前にWCCの代表者が訪ね、本総会への出席を促した。ウクライナ側からはロシア正教会の参加資格を無くすよう申し出もあったが、異なる立場の者たちの対話のプラットホームを提供するのが自分たちの役割だとのWCCの立場も受け入れた上で、11名の教会代表者たちがウクライナからゲストとして総会に参加し、直接ウクライナの状況を訴える機会が設けられた。総会最終日には、パブリック・イシュー (public issue)としてWar in Ukraine,Pea-ce and Justice in the European Region(ウクライナの戦争、ヨーロッパ地域における平和と正義)が採択された。NCC、聖公会、在日大韓基督教会、日本基督教団各総幹事連名でWCCに提案した「憲法9条は世界の宝である」との声明もWCCのバブリック・イシューの文言の中に組み込まれ、議場で採択された。
また、次の総会までの期間のWCCを担う150名の中央委員を選出、西之園代表議員もその一人に選出された。
(西之園路子報)
大阪教区3議案、総会議案とせず
第22回常議員会が9月26日、教団会議室で常議員20名が出席して開催された。
総幹事報告において秋山徹総幹事は、第42回教団総会について、審議時間が限られる中で、スムーズな議事進行への協力を求めると共に、事務局として、ホテル側と協議し感染症対策を講じていることを報告した。
年金局規定変更および「謝恩金規則」廃止に関する件では、第42回教団総会議案42号を、謝恩金規則の廃止と共に、年金局規定の変更を求める議案に差し替えることを承認した。雲然俊美書記は、議案を総会資料に載せた後に、年金局規定の変更も必要であることが明らかになったことを説明した。
大阪教区常置委員会から出された教団総会議案、3議案(①北村慈郎教師の「免職処分」が無効であることを確認し、北村慈郎教師の「免職処分を撤回」する件。②日本基督教団「沖縄宣教連帯金」の減額措置及び減額停止の経緯について検証、総括及び意義づけを行う委員会設置に関する件。③辺野古新基地建設中止・普天間基地即時返還・南西諸島基地化反対声明」に関する件)を扱った。
尾島信之大阪教区議長は、「3年間、集まって総会を開催できず、常置委員会で議論した」と述べた。雲然書記は、常置委員会からの提案の場合、教規24条には「常議員会を経なければならない」とあり、答申集による先例に従い①形態、書式が整っていることと、②法規則に則っていることを審査してきたと説明した。
北村教師免職撤回議案については、「議案が法規則に則っているかどうかを判断するのは、『常議員会を経る』を超えている」等の賛成意見、「議案は、最終決定された戒規の撤回を求めており、総会で議するのは不可能」等の反対意見があった。
沖縄宣教連帯金議案については、「経緯は議事録を見れば記されている」との意見があり、尾島大阪教区議長は「経緯が皆に明らかになるよう提示してほしい」と趣旨を述べた。
辺野古新基地建設中止議案では、「『常議員会を経る』の答申集による先例に従い、内容審査は行わずに総会議案とすべき」との意見があった。
免職撤回議案を少数否決、沖縄宣教連帯金議案は賛成6名で否決、辺野古新基地議案を賛成7名で否決した。
第42回教団総会における三役および常議員選挙に関する件では、常議員選挙について全数連記で行うこと等を可決した。前総会で会期中に開票が終わらなかったこと等を理由に制限連記を求める意見があった。
(新報編集部報)
兄弟姉妹とされた恵み
開会礼拝、逝去者記念礼拝、朝の祈り
総会では、三日間通して、礼拝を持って日程がはじめられた。
開会礼拝では、平野克己牧師(代田教会)が詩編133編1節/マタイによる福音書9章9〜13節から「罪人の集い・あわれみの主」と題して説教した。
「総会に集い、『共に座っている』者たちは、主イエスが招き、遣わされる兄弟姉妹。総会が終わる時に『なんという恵み、なんという喜び』と語って遣わされたい。主イエスに呼ばれ、新しい命に生き始めたマタイのもとに罪人たちが集まり、主イエスを囲み集いが始まる。弟子たちを問い詰めるファリサイ派の人々に主イエスは『わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである』と語った。私たちの教会の一つの問題は、主イエスを必要とする人が少なくなっていることかもしれない。正しいことは大切だが、主の憐みが分からなければ教会とは呼べない。主イエスは、この箇所の後、『新しいぶどう酒は、新しい革袋に入れるものだ』と語っている」。
二日目は逝去者記念礼拝を持ってはじめられた。小林よう子牧師(八戸小中野教会)がヨハネの手紙一4章7〜21節から「祝福された命」と題して説教した。
「今年の7月に90歳の信徒が召された。22歳で洗礼を受け、教会の幼稚園で働いた後、27歳で結婚したが、結婚生活は過酷であった。夫は威圧的で、些細な冗談も言えない空気があった。しかし、家庭生活が悲惨であった頃にも教会に通い、婦人会で活躍した。家庭の中で辛く悲しいことがあっても、彼女が生きるのを投げ出さなかったのは、自分が神に愛されていることを信じることができたから。90年の彼女の人生は祝福された命であった。信仰を持って生きることは、自分に与えられた命が祝福された命であることを知ること。この4年間に召された人々の人生を支え、神の愛を伝えて来た教会の働きがこれからも受け継がれて行くことを祈りたい」。
秋山徹総幹事が、逝去教師260名、逝去宣教師21名の名を読み上げた。
三日目は「朝の祈り会」として持たれ、戸田奈都子牧師(川内教会)がルカ15章11〜32節から「救いの出来事の後」と題してメッセージを語った。
「放蕩息子の物語で、私たちは、父に見出され、赦され、受け入れられる弟と自らを重ね合わせる。また、弟に対する父の振る舞いに納得できずに苛立つ兄の姿にも、自分自身を見出す。この物語は、神さまが弟と兄との間に、どちらをも愛する親として立ち続けていることを伝える。それは、神の国とこの世とのギャップの間に立ち続け、辛抱強く働くキリストの姿のようである。このたとえ話の後の物語を想像してみた。救われた弟は神の家の仕え人となったのではないか。教会の仕事は仕え人として喜びの祝宴を準備すること。ここにいる全員が、神の仕え人として、後の物語を生きている。全国に散らばっている兄弟姉妹の姿を想いながら、救いの後の物語を生きて行きたい」。
「傷ついた世界の回復のために」というテーマで、5名が祈りを捧げた。「平和を求めて」(向井希夫議員)、「コロナ禍の苦しみとなぐさめ」(稲松義人議員)、「壊され続ける被造物(自然)のために」(戸田奈都子議員)、「福音を広く分かち合うために」(服部修議員)、「神の働きに参与するために」(柳あつ子議員)。
(新報編集部報)
「機構改定の目的と課題を確認する件」を可決
教団機構改定に関して、40号「教団機構改定の目的と課題を確認する件」、46号「沖縄教区選出議員の出席まで、教規変更を伴う教団機構改定の教団総会決議を行わない件」、47号「教団『教団機構改定に関する検討資料Ⅱ』を破棄する件」、53号「『教団機構改定』の議論を直ちに凍結する件」、59号「教団機構改定の根幹となる意思を確認する件」の5議案が一括上程された。
53号議案について、「具体的にいつまで凍結するのか」という質問に対し、「沖縄教区との関係が改善されるまでという理解である」との答えがあった。「議論の場である総会が、議論の凍結を決定するのは認められない」との反対意見、「沖縄に痛みを負わせることを終わらせるのが先決」との賛成意見があり、採決の結果議案は少数否決となった。
常議員会提案である40号議案では、機構改定の目的を「各個教会の負担軽減による伝道推進」、課題を「教団の全体教会としての一体性の確立」と確認することが提案された。これに対して、課題に「合同教会の豊かさの尊重」という文言を加える修正案が提出された。「『一体性の確立』と『豊かさの尊重』は対立しているのか」という質問があり、「対立ではなく、両方とも大切にという意図だ」との答えがあった。
46号議案について「教団総会で決議をしないというのは、常議員会では議論はすべきだが、総会での議決はすべきではないという意味である」という説明が加えられた。
59号議案について「『愛のある』の『愛』とは何か」という問いに対し「様々な立場、すべての伝道所、教会の意思を反映し、それらが切り捨てられないという意味である」との答えがあった。
40号議案原案については「今回機構改定案を総会に提案できなかったのは常議員会の責任。その常議員会が、この議案を提出するのは理解できない」という反対意見、「全国1700余の伝道所、教会での全体教会であり、また、世界の教会を踏まえた全体教会という理解の中でこの議案には賛成」等の意見があった。
採決に入り、46、47、59、40号修正案が少数否決となり、最後に40号議案の原案が賛成多数で可決となった。
(小林信人報)
機構改定に関する報告会を開催
総会二日目午後のセッションで機構改定検討に関する報告会が行われた。最初に雲然俊美議長がこれまでの議論や取り組み、また本総会において機構改定に関する教規変更議案の提出に至らなかった経緯を説明した。それによると、第40回総会において教団の将来的な教勢・財政の危機的状況を共有することから機構改定の検討が始まり、常議員会は伝道対策検討委員会を立ち上げて伝道推進と機構改定を一体に検討を進めた。しかし伝道と財政を一体に議論することや沖縄教区不在で進めることへの異論は最初から根強く、常議員会は各方面から意見を聞いて丁寧に議論を重ねてきた。ところが2020年からの感染症拡大によって各教区や教会で十分な協議ができず、機構改定への理解は深まらなかった。その中で常議員から「機構改定の目的と課題を確認すべき」との提案がなされ、次総会期常議員会に申し送ることにして教規変更案を取り下げるに至ったものである。
続いて久世そらち教団機構改定検討小委員会委員長が、機構改定の要点を説明した。久世委員長は「機構改定には大きく二つの側面がある」と述べた。一つ目は教団総会議員の半減である。これによって費用が圧縮できるだけてなく「より教会会議にふさわしい教団総会ができるようになる」とした。二つ目は事務局の伝道局と教務局への再編である。伝道局は教団の教会としての働きを担い、教務局は総幹事の下で実務を担う。「単なる財政逼迫による規模の縮小ではなく、新しい教団の姿を思い描いて取り組んできた」と久世委員長は述べた。
これらの報告の後、出席者から機構改定に関する意見を受け付けた。「改定によって教区の特性や意見が軽視されないようにしてほしい」、「中央集権的から地方分権的な教団となるような機構改定を」など教区の尊重を求める声や、「伝道局よりも宣教局がふさわしい」、「〝局”という文字が戦時中のトップダウンを連想させる」など名称に関する意見が出た。他には「諸委員会のメンバー構成にジェンダー平等を明記すべき」との声も上がった。
(米山恭平報)
4年分の決算、および予算を承認
教団総会二日目、教団、部落解放センター、出版局、年金局の4年分(18年度〜21年度)の決算と予算を扱った。
教団決算で宇田真予算決算委員長は、20年度補正予算の段階から決算の間で繰越額に50万円の齟齬が生じていることを報告し、「公認会計士に調査を依頼する」と述べた。また、この間、会堂共済、カナダ合同教会から献金が寄せられたこと、コロナにより負担金を減額する一方、オンライン化により会議や委員会の費用も減額したこと等を報告した。23年度予算では負担金5%減とし、当期収支差額が7万円という余裕が無い案を提案した。
関連して、兵庫教区提案の「沖縄宣教連帯金に関する件」を扱った。連帯金を2010年度から減額し20年度から復額したことの経緯と意味の検証を常議員会が責任を持って行い、減額分を沖縄教区に送ることが提案された。第33総会において名称変更議案が廃案となった経緯について「議長が採決を宣言した後に議事妨害があり時間切れとなった」とする意見がある一方、「充分に議論せずに採決しようとしたことに対する抗議があった」とする意見があった。連帯金の減額については、沖縄教区が自ら辞退するのが筋との意見がある一方、教団側が詫びなければならない立場にあるとの意見があった。議長は、挙手により採決を図り、少数否決とした。
部落解放センターの報告では、亀岡顕運営委員長が、今年は水平社宣言100年を覚えて、京都において全国会議を計画していたがコロナのために1年延期となったこと、4月に迎えた上野玲奈主事と共に新たな活動を目指していることを報告した。
出版局の報告では、山北宣久理事長が、「出版局が存亡の危機に陥る中、理事会、職員一体となって励んで来た。三者協議会、経営改善検討チーム、出版局将来検討委員会が設けられ、加藤真澄マネージャーと共に、ステアリングコミッティが開かれるようになり、2年連続で黒字を計上できた」と述べた。
また、大谷理経理課長が18年と21年を比較しつつ詳細を報告、「売上高は18年度から3000万円程減っているが、売上原価が、製造原価減、年次昇給の停止、残業時間の半減、賞与の削減等で5400万円減となり、売上総利益でプラスに転じている。純利益で2018年に3800万円赤字だったものが2021年には700万円の黒字となった」と述べた。
年金局の報告では中川義幸理事長が、2018〜2021年度までの4年間に、給付額が4億5200万円から4億4200万円と漸減。主な原因として給付人数(平均)が、735名から716名と減っていることを上げた。また、「後半の2年はコロナで苦しんだものの、諸教会、教区事務所の協力により支えられた。市況の回復により運用益が保たれた」と述べた。
総幹事選任に関する件では、常議員会に付託し、新たな総幹事が決まるまで、秋山徹総幹事の任期を延長することを承認した。
出版局長承認に関する件では、常議員会で推薦者を得ることが出来なかったことを受けて、飯光出版局長代行を引き続き代行とすることを承認した。
財務関連議案は審査委員会に付託した上で、三日目に全てを可決した。
(新報編集部報)
隠退教師の代務者復帰、年金支給継続へ
教団総会三日目、多くの議案を残す中で駆け足での議事運営となった。
隠退教師が代務者として復帰するときに、退職年金の一部または全部を継続して給付することができるようにするための、「教規132条変更に関する件」と年金局規定、「謝恩金規則」廃止に関する件を扱った。132条変更議案を323名中306人の賛成で可決、謝恩金規則廃止議案を挙手により賛成多数で可決した。
「常設委員会および常設専門委員会委員選任に関する件」では、「教団三役および新常議員より7名」の選考委員会を組織することが提案された。「各教区総会議長17名を加えて選考委員会を組織する」との文言を加える修正動議が出された。議員数319名中賛成138名で否決、原案を賛成多数で可決した。新常議員から、田中かおる、岡村恒、田口博之、菅原力、豊川昭夫、守安久美子、河田直子各議員を選考委員とした。
秋季教師検定試験の合格者承認は、総会開催が例年より一か月早く、結果が確定していないことを受けて、常議員会に付託した。雲然議長は、「判定が出た段階で直ちに三役会で名簿を確認、常議員会で承認し11月の早い段階で教区に伝える」と述べた。
残りの時間10分程のところで、九州教区から出された、正教師、補教師の区別をなくすべく、教憲9条を改正することを求める議案を扱った。日下部遣志九州教区議長は、「教団が合同する時、宗教団体法にそって教師制度が作られたが、本来、プロテスタント教会に教師の区別はあってはならない。神の主権より国権を上位においた過ちを悔い改めるべき」と説明。審議の中で、「今から意見を交わして採決するのは不可能。次期総会に再提案する」と述べ議案を取り下げた。
第42回総会議事録承認に関する件、第43回教団総会開催に関する件を可決した後、雲然議長は、上程できない13の議案を朗読し、充分ではない議事運営を詫びつつ、廃案とした。
(新報編集部報)
イスラエルの民がバビロン捕囚から帰還し、新たな歩みを始めた時、民は主の神殿を荒廃させたまま、自分のための住まいを整えていた。しかし預言者ハガイは、神殿を整えることを命じ、繰り返し「勇気を出せ」と語りながら、「新しい神殿の栄光は昔の神殿にまさる」(ハガイ2・9)と告げた。▼捕囚が起こる前、民にとって神殿は、主に背いていながらも、自分たちが主に見放されることはないと妄信する根拠であり、神殿の崩壊は、自らの偶像が壊されることであった。それ故、神殿の再建は、主に仕える歩みにおいてさえ、自らを主としてしまう罪を知らされ、にもかかわらず主に仕えるべく歩み出すことであった。この緊張をはらんだ現実を受け止めつつ望みをもって一歩を踏み出す時に必要なことが、信仰者にとっての「勇気」なのではないだろうか。▼今私たちは、人と人が距離を取らなければならないという、教会の生命が奪われるような試練に遭遇し、荒廃した状況の中から立ち上がろうとしている。主の慈しみに満ちた導きに信頼し、信仰者の勇気を持って一歩を踏み出すのであれば、そこには昔にまさる栄光が現わされるに違いない。
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