2022年9月23日、台風15号が発生し、特に線状降水帯が発生した静岡県では24日にかけて記録的な豪雨となりました。中でも平地から山間部まで多様な地形・自然環境にある静岡市では、土砂崩れや河川の氾濫によって、市内だけで3800世帯超が床上浸水の被害に遭いました。
ACTフォーラム事務局では、発災直後から被災地の関係教会・団体に連絡をとり、緊急災害支援の可能性を探り始めたところ、地元教会関係者から支援活動への賛同とご協力をいただくことができました。
発災から1カ月が経過し、2週間あまり続いた断水が復旧するとメディア報道がピタリと止まり、町なかでは災害が既に過去のことのように見えます。しかし、私たちが支援対象とする要支援者世帯では生活が元に戻った訳ではありません。床上50センチ以上浸水した住宅では、家具や電化製品が水没し、特に生活困窮者、精神障害者や単身高齢世帯については二重三重の苦難を強いられます。公的支援には限界があり、これらの要支援者は情報弱者でもあり、行政手続きを行うことも容易ではなく、またその上、被災者特有の遠慮もあり、自ら支援を求めにくくさせています。
そこで、平時から生活困窮者支援を行い、フードバンクやシェルターを運営する地元NPO法人POPOLOとのパートナーシップにより、これらの買い替えが困難な単身高齢者・生活困窮世帯に対して、家電や生活用品を支給するプロジェクトを地元の教会関係者と立ち上げることができました。現在、被災者宅をチームで戸別訪問し、聞き取りしながら物資を配布しています。
100世帯への支給を目指していますが、要望内容によっては、予算上、全ての申請世帯に物資をお届けするには資金が不足しています。そこで皆様からの温かいご支援を呼びかけます。
(牧由希子報/ACTジャパン・フォーラム事務局)
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高田馬場支店(店番号:053)
普通預金2255233
ACT Japan Forum(アクトジャパンフオーラム)
一人ひとりを大切にする保育
四條町教会牧師・認定こども園清愛幼稚園園長
藤 秀彦
今年で創立110年を迎えた清愛幼稚園は、米国クリスチャン教会のスゼイ・フライ宣教師が設立した「宇都宮クリスチャン幼稚園」に始まります。女子教育と幼児教育に力を注いでいたフライ宣教師は、幼稚園の開園に先駆けて1907年に女学校を開校しました。ところが幼稚園の開園直前に、アメリカの宣教団体が女学校に対して経済的援助を打ち切る勧告を出し、学校の運営が危ぶまれます。それでもフライ宣教師は勧告後も私財を投じて学校運営を続けることを決心しました。幼稚園はそのような厳しい状況での船出でした。
幼稚園と女学校の運営に尽力したフライ宣教師は、病のために1928年に宇都宮の地で生涯を終えます。女学校はその後閉校となりますが、幼稚園は名称を清愛幼稚園に改め、クリスチャン教会の牧師が園長を務めて継続されることになりました。幼稚園の運営母体であった教会は、後に日本組合基督教会との合同や宇都宮メソジスト教会との合併を経て、現在の四條町教会へとつながります。
太平洋戦争中には牧師が徴兵されて保育も中断させられました。戦中戦後の混乱の中では保育に必要な遊具や備品が持ち去られるなど多くを失いますが、再び近隣地域の子どもたちを迎えて保育は再開されます。
東日本大震災では園舎が大きなダメージを受けて園の存続も危ぶまれましたが、耐震性のない園舎の部分の改築により、保育を継続できるようになりました。2019年からは、幼保連携型認定こども園の認定を受け、1・2歳児を受け入れる保育体制をとっています。乳幼児の保育経験が豊かな職員や、四條町教会の方々が加わっていただいての出発でした。これまで幾度も存続の危機を経て歩み続けられたのは、地域の子どもたちの健やかな成長を願い、また保育の働きに主の支えと導きが与えられることを信じて、保育に力を尽くした方々があったからだと思っています。
いま私たちの園には、多様な発達段階にある子や、保護者が外国籍の子など、様々な背景をもつ子どもたちが在園しています。これまでも統合保育を園の特色として掲げてきましたが、これからは子どもたちの多様性を尊重し受け入れる、インクルーシブ保育へと変わっていく必要を感じています。私たちは各クラス15人前後の小規模な園ですが、各クラス複数の職員で発達上の課題がある子に寄り添い、さらに県や市の発達支援機関との連絡体制を作って、専門家の助言を受けながら保育にあたっています。子どもの多様性を受け入れるには、家庭とのコミュニケーションを取っていくことも大切です。コロナ禍と呼ばれる状況で保護者と共に行う保育行事の中止や縮小をせざるを得なくなり、保護者と共に子どもたちの育ちを見守る難しさを痛感しています。それでも子どもたちの一人ひとりを大切にするキリスト教保育の原点を常に確かめながら、日々試行錯誤しています。
政治的主義や信仰上の信念など、譲れない「価値」と、豊かな暮らしや人命など、重大な「利益」が対立する際、どちらを優先するかという選択を迫られる。価値を重んじることは貴いことだが、価値を掲げる者が生む争いは、なかなか終わらず、時に大きく利益を棄損する。▼主イエスは弟子たちに、「弟子の覚悟」や「条件」を語り、自分の家族や命さえも「憎む」姿勢を示す一方、「不正な管理人」のたとえを語った。管理人は、主人の財産を無駄遣いした上、そのことが知られると、主人に借金がある者の証文を書き換えさせて恩を売り、自分が失職した際に助けてくれる友を造った。この管理人の、どこまでも自分の利益に忠実な姿勢を主人は褒め、「この世の子らは、自分の仲間に対して、光の子らよりも賢くふるまっている」(ルカ16・8)と語った。▼信仰を与えられ、主イエスの弟子として歩む時、あらゆる「利益」に優先する「価値」を持つ「光の子」として歩むことになる。しかし、だからこそ、多くの人命が失われている時代にあって、主人が褒めた、「利益」に忠実な「この世の子ら」の「賢さ」を求めて行かなければならないのだと思う。
小笠原浩方(無任所教師)
22年8月3日逝去、79歳。66年同志社大学大学院修了。69年から72年まで須磨教会を牧会。
遺族は娘・小笠原直花さん。
教師隠退
前島隆志、山本光一、君島洋三郎
教会合併
郡山、郡山細沼(郡山存続)
教会所在地変更
稚内 〒097−0004 稚内市緑4−5−3
教会通信先設定
勝沼 〒409−0618 大月市猿橋町桂台1−4−15 舩戸方
教会通信先変更
新見 〒718−0303 新見市哲多町本郷869−1 山本奈麻美方
教会通信先削除
甲山、福良キリスト、松江
伝道所通信先削除
守谷
お詫び・訂正
新報4986号4面「事務局報」欄、窪田隆一牧師「正教師転入」を「補教師転入」に、お詫びして訂正いたします。
この夏、私の所属する法人では、日本基督教団の全教会・伝道所、関係学校並びに関連施設宛てに法人の一施設である婦人保護長期入所施設かにた婦人の村の施設建替え資金ご寄付のお願いを送らせて頂きました。
この施設建替えは、生活される利用者の方々がご高齢になられ、起伏の多い山の中での生活が困難になったこと並びにがけ地に隣接した施設の老朽化に対応し、安全で高齢者にも優しいバリアフリーの建物が必要となり、5年前から厚生労働省に要望し続けてきたものです。
施設建替えは当初の計画より規模を縮小しましたが、ウクライナ戦争や円安の影響を受け、建築コストの高騰に直面し、事業総額は11億円を超える額となっており、施設・法人の返済能力ギリギリの融資を受けなければ実施が不可能な状態です。
このように建替え事業実施には極めて条件の悪い経済的環境になってしまったのですが、ご高齢になられた利用者や新しい時代に、かにた婦人の村を利用される若い方々のために、理事会・施設職員は事業実施を決断しました。
その結果、冒頭に記載の寄付のお願い送付となりましたが、発送直後から、教会・関係団体・関係者の方々から建替え事業への祈りと心強いご寄付をお送り頂いております。
教会や教会を代表して個人でご送金くださった方へお礼状と法人70年の歩み(記念誌)をお送りしたいと考え、教団年鑑でご住所等を確認しましたが、全国各地から尊い献金をお送り頂いていることを知り、感謝の思いと同時に、事業実施への大きな励ましを頂き、神様のお働きを確信いたしました。
私の手元には、知能に重い障害のある施設利用者の方々と地域やワークキャンプに来て下さる方々との大切な交流の場であるプールの改修・バリアフリー化工事のためのご寄付の趣意書(止揚学園後援会)が届いております。また、障がい児者福祉のネットワークづくりのためのご寄付の呼びかけ(小羊学園を支える会)もあります。皆様のお手元にもそれぞれの地域でキリスト教社会事業を行う多くの法人や施設から、今最も支援が必要な方々のためのお祈りとお支えの呼び掛けが届いていると思います。
このような社会事業を進める者の思いや願いに共感し、事業の背後で祈り、聖書に記されているレプタのたとえのように、献金をお送り下さる教会やキリスト教関係者の存在は、ともすると事業実施に弱音を吐きたくなる私たち関係者に大きな力を与えて下さるのです。
今年も12月第一主日の「キリスト教社会事業を覚えて祈る日」を迎えます。福祉・医療・教育など様々な分野においてキリストの愛を届けるお仕事に日夜邁進している社会事業関係者への思いを深くして頂くことや、最も弱い人に寄り添い、生活を共にする施設職員の方々の祈りと思いに共感し、励ましのメッセージを“祈りと共に事業を支える献金”として教会から届けて下さることは、社会事業関係者にとって最も大きな喜びです。
日本全国の教会並びに教会に連なる方々とそれぞれの地域の社会事業関係者・すべての働き人が共に祈りを合わせ、神様のご栄光を表わす事業に参列していく喜びを分かち合いたいと思います。
2022年12月4日
第41期総会期日本基督教団
社会委員 大沼昭彦
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