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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【5007・08号】2023年秋季教師検定試験(1面)

2023年10月28日

補教師9名、正教師34名が受験

神学的営為の日々を問う

 9月12日より14日にかけて大阪クリスチャンセンターを会場に秋季教師検定試験が行われた。新型コロナウイルス感染症問題もあり、秋季試験が対面で全て行われたのは春に続き4年ぶりとなる。
 感染対策として手指の消毒用アルコールを設置、マスクは自由としたが、着用して受験する者が多かった。
 検定試験は礼拝から始まる。清藤淳委員長が正教師検定試験の釈義・説教テキストであったヨハネによる福音書19章1節以下から「この人を見よ」と御言葉の役者(えきしゃ)として教会に仕える伝道者への委託と励ましを取り次いだ。その後、午前午後と筆記試験が行われ、一日目の日程を終えた。受験者は補教師9名、正教師34名であった。この数字は前年度の秋季教師検定試験の受験者が補教師12名、正教師39名、転入1名であったことを思うと、単純計算で9名減、コロナ前の2019年の受験者総数と比較すると13名減少となり、依然として教団における伝道献身者が減少し続けていることを示す数字と言えるであろう。
 教師検定試験の実務は、神学教師ではなく教会に仕える牧師たちが担う。清藤委員長他、各教区から選ばれた7名が出題、採点、そして面接にあたった。また担当幹事と教団職員の働き、さらには大阪教区主事と職員のサポートを受け、検定試験を終えることが許され、感謝である。
 受験者にとっては学科試験が一番の難関であったと推察し、そしてそれはその通りであるのだが、委員会側にとっては採点終了後の個別面接こそ、祈りと気力と体力を総動員して臨まねばならぬ正念場であった。
 教師検定試験は「落とす」ことを目的とした試験ではない。入学試験や資格試験では規定の点数に足らねば即不合格である。しかし教師検定試験の場合、事前提出の釈義・説教、神学論文等は規定の字数に達していないか、余程の逸脱がない限り、水準に達していなくとも再提出となる。その際にはどこが不足しているか、何を参照すればよいかなどのコメントが付される。当日、筆記で行われる科目についても救済措置が設けられている。これらの事実は教師検定試験が資格試験ではなく、神の召命を受験者に問い、事前提出された「なぜ教団の教師になるのか」という文章のなかに、神の、その者に迫る意志を観て取り、教会に仕える教師を立てんとする教団の切なる願いがある。教師検定委員会はその実務に仕えるゆえに、面接こそが彼らがどのような学びをし、研鑽を積んだかを明らかにし、場合によってはまだ言語化できない思いに促しを与え、神に用いられる献身の生涯へと進むことを願って行われる祈りの業なのである。そしてそれは「キョーケンキョーキハ」といったオウム返しの回答を求めるものではなく、みずからが主に派遣された持ち場でどのようにキリストを愛し、託された業に忠実な時間を過ごしたか、教団の信仰告白・教憲教規が守る教会の姿を具体的に捉えてきたか、受験者の神学的営為の日々を問うているのである。

(横山良樹報)


講評

教師検定試験は日本基督教団の教師として神に召されていることを確認し、召しに応える道である。単なる資格を得るための過程というようなものではない。ここにもキリストに仕える道がある。
 正教師検定試験が中心となる秋の試験の受験者は、すでに実務を担っていることを理解しつつも準備不足の者が多かった。出題はごくごく常識的な問題であったはず。試験の結果云々ではなく献身の姿勢が問われたことを受け止めていただきたい。
 また正教師となることを目の前の教会における聖礼典執行のための手続き、資格、役割としてしか受け止められない受験者がほとんどであった。
 キリストの手渡してくださる命の交わりに仕えるように日本基督教団という教会にたてられる教師。このかけがえのない務めを託された者として伝道牧会に邁進してほしい。

第42総会期 教師検定委員長 
清藤 淳


2023年秋季・正教師検定試験問題

 教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
 次の2題について答えてください。
 1.教憲教規に則って、教区の役割について教団及び各個教会との関連で述べてください。
 2.宗教法人法では、公告しなければならない事項が定められています。その中から、二つの事例をあげて述べてください。

 旧約聖書神学(60分)
 次の2題に答えてください。
 1.聖書の人間理解について、創世記2章7節を中心に論じてください。
 2.旧約聖書の契約概念について、いくつかの聖書箇所を挙げつつ論じてください。

 新約聖書神学(60分)
 次の2題に答えてください。
 1.共観福音書における「受難と復活」について述べてください。
 2.パウロ書簡における「キリストの体としての教会」について、いくつかの聖書箇所を挙げつつ述べてください。

 教会史(60 分)
 次の4題から2題を選んで答えてください。
 1.ニカイア信条からカルケドン信条までの歴史を、簡単に述べてください。
 2.12世紀から13世紀のヨーロッパおけるアリストテレス思想の受け止めを述べてください。その際、必ず、トマス・アクィナスに触れてください。
 3.ルターの宗教改革三大文書について述べてください。
 4.カール・バルトの『ローマ書』が持った時代的意味を述べてください。

 

荒れ野から上って来るおとめは誰か
恋人の腕に寄りかかって。

りんごの木の下で
わたしはあなたを呼びさましましょう。
あなたの母もここであなたをみごもりました。
あなたを産んだ方も
ここであなたをみごもりました。
わたしを刻みつけてください
あなたの心に、印章として
あなたの腕に、印章として。

愛は死のように強く
熱情は陰府のように酷い。
火花を散らして燃える炎。
大水も愛を消すことはできない
洪水もそれを押し流すことはできない。
愛を支配しようと
財宝などを差し出す人があれば
その人は必ずさげすまれる。

2023年10月27日

それはわたしの恋しい人へ滑らかに流れ
眠っているあの人の唇に滴ります。
わたしは恋しい人のもの
あの人はわたしを求めている。
恋しい人よ、来てください。
野に出ましょう
コフェルの花房のもとで夜を過ごしましょう。
朝になったらぶどう畑に急ぎ
見ましょう、ぶどうの花は咲いたか、花盛りか
ざくろのつぼみも開いたか。
それから、あなたにわたしの愛をささげます。
恋なすは香り
そのみごとな実が戸口に並んでいます。
新しい実も、古い実も
恋しい人よ、あなたのために取っておきました。

あなたが、わたしの母の乳房を吸った
本当の兄だと思う人なら
わたしをとがめたりはしないでしょう
外であなたにお会いして
くちづけするわたしを見ても。
わたしを育ててくれた母の家に
あなたをお連れして
香り高いぶどう酒を
ざくろの飲み物を差し上げます。
あの人が左の腕をわたしの頭の下に伸べ
右の腕でわたしを抱いてくださればよいのに。
エルサレムのおとめたちよ、誓ってください
愛がそれを望むまでは
愛を呼びさまさないと。

2023年10月26日

眠っていても
わたしの心は目覚めていました。
恋しい人の声がする、戸をたたいています。
「わたしの妹、恋人よ、開けておくれ。
わたしの鳩、清らかなおとめよ。
わたしの頭は露に
髪は夜の露にぬれてしまった。」
衣を脱いでしまったのに
どうしてまた着られましょう。
足を洗ってしまったのに
どうしてまた汚せましょう。
恋しい人は透き間から手を差し伸べ
わたしの胸は高鳴りました。
恋しい人に戸を開こうと起き上がりました。
わたしの両手はミルラを滴らせ
ミルラの滴は指から取っ手にこぼれ落ちました。
戸を開いたときには、恋しい人は去った後でした。
恋しい人の言葉を追って
わたしの魂は出て行きます。
求めても、あの人は見つかりません。
呼び求めても、答えてくれません。
街をめぐる夜警にわたしは見つかり
打たれて傷を負いました。
城壁の見張りは、わたしの衣をはぎ取りました。
エルサレムのおとめたちよ、誓ってください
もしわたしの恋しい人を見かけたら
わたしが恋の病にかかっていることを
その人に伝えると。

あなたの恋人はどんなにいいひと
だれにもまして美しいおとめよ。
あなたの恋人はどんなにいいひと
こんな誓いをさせるとは。

わたしの恋しい人は
赤銅色に輝き、ひときわ目立つ。
頭は金、純金で
髪はふさふさと、烏の羽のように黒い。
目は水のほとりの鳩
乳で身を洗い、形よく座っている。
頬は香り草の花床、かぐわしく茂っている。
唇はゆりの花、ミルラのしずくを滴らせる。
手はタルシシュの珠玉をはめた金の円筒
胸はサファイアをちりばめた象牙の板
脚は純金の台に据えられた大理石の柱。
姿はレバノンの山、レバノン杉のような若者。
その口は甘美、なにもかもわたしを魅惑する。
エルサレムのおとめたちよ
これがわたしの恋する人、これがわたしの慕う人。

2023年10月25日

夜ごと、ふしどに恋い慕う人を求めても
求めても、見つかりません。
起き出して町をめぐり
通りや広場をめぐって
恋い慕う人を求めよう。
求めても、あの人は見つかりません。
わたしが町をめぐる夜警に見つかりました。
「わたしの恋い慕う人を見かけましたか。」
彼らに別れるとすぐに
恋い慕う人が見つかりました。
つかまえました、もう離しません。
母の家に
わたしを産んだ母の部屋にお連れします。
エルサレムのおとめたちよ
野のかもしか、雌鹿にかけて誓ってください
愛がそれを望むまでは
愛を呼びさまさないと。

荒れ野から上って来るおとめは誰か。
煙の柱が近づいて来るかのよう。
それは隊商のもたらすさまざまな香料
ミルラや乳香をたく煙。

見よ、ソロモンの輿を。
輿をになう六十人の勇士、イスラエルの精鋭。
すべて、剣に秀でた戦士。
夜襲に備えて、腰に剣。
ソロモン王は天蓋を造らせた。
レバノン杉を柱とし、銀の台座に金の玉座
エルサレムのおとめたちが愛をこめて
紫の布を張りめぐらした。
いでよ、シオンのおとめたちよ
ソロモン王を仰ぎ見よ。
その冠を見よ
王の婚礼の日に、喜びの日に
母君がいただかせた冠を。

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