神奈川教区総会は六月二一日、清水ヶ丘教会で開催され、正議員二二三名中一七四名の出席によって成立した。
午前はまず、教団総会議員選挙の予備投票がおこなわれ、つづいて補教師の准允執行に関する件が扱われ、可決の後、直ちに二名の補教師の准允式が行われた。その後、教団問安使の山北宣久教団議長の挨拶を受けた。主に北村慈郎教師に対する教師退任勧告を巡って約一時間にわたって質疑応答が行われた。
午後の主な議案は、教団総会議員選挙の他、未受洗者陪餐問題関連の議員提案による次の二議案。議案題8号「教団総会に『北村慈郎教師に対する常議員会決議教師退任勧告を撤回する件』を議案として提出する件」と議案第9号「教団総会に『聖餐のあり方について慎重かつ十分に議論する場を教団内に設置する件』を議案として提出する件」。これらは、当該教師が所属する教区として関心の高い議案だが、一日限りの日程の中での議事のため、議案第8号は数名の発言の後採決に入り、一五九名中八二名の賛成によって、可決された。
賛否はほぼ二分されたが、反対側からは、「北村教師に送付されたのは『勧告書』であり、まず未受洗者への配餐を止めるように求めている。この議案を提案するということは、神奈川教区が未受洗者陪餐の停止を拒否することを意味する」。「教団の教師になるには教憲・教規を遵守することを誓約している。信仰告白と教憲・教規は一致の基礎である」などの意見が出、賛成側の紅葉坂教会の議員から、議案の提案理由に掲げられた線で、当該教区、教会、教師との話し合いの場などが持たれることなく勧告がなされたことへの批判などが語られた。
議案第8号の審議の途中ですでに時間延長に入っていたため、議案第9号は議案説明の後、直ちに採決に入り、一五六名中九三名の賛成で可決された。
この他、「児童手当拠出金を教区負担から教会負担に変更する件」が可決され、事実上の事業主である教会が拠出金を負担することとなった。
教団総会議員選挙結果
【教職】孫裕久(川崎戸手)、藤掛順一(横浜指路)、岩﨑隆(六ツ川)、北村慈郎(紅葉坂)、高柳竜二(本牧めぐみ)、東野尚志(鎌倉雪ノ下)、藤盛勇紀(藤沢北)、鈴木伸治(大塚平安)、平良愛香(三・一)、馬場康夫(小田原十字町)、尾毛佳靖子(戸塚)、川又志朗(横浜明星)、西田直樹(平塚)
【信徒】望月克仁(鎌倉雪ノ下)、中林克彦(鎌倉雪ノ下)、青木誠二(上大岡)、武田利邦(横浜二ツ橋)、伊東永子(翠ヶ丘)、數井紀彦(横浜指路)、杉森耀子(小田原十字町)、田崎幸子(溝ノ口)、小川信順(茅ヶ崎)、関滋夫(蒔田)、内田保彦(六角橋)、金子昭(平塚)、木戸政男(橋本)
(藤盛勇紀報)
部落解放全国会議終了後の六月十一日午後から十二日にかけて、岡山教会を会場に第35総会期第三回部落解放センター運営委員会が開催された。出席者は二八名。
まず、第十回全国会議の振り返りを行い、恵みの集会であった事を運営委員会で確認し、支えてくださった東中国教区の方々に感謝した。次に東海教区は、部落解放センターが沖縄辺野古への米軍基地建設作業に対し抗議を出したために運営委員を送り出さなかった。東海教区へ委員を送るよう働きかけることとなった。
十二年間、部落解放センターの会計監査をしていただいた吉川大蔵監事には二〇〇七年度分まで担当していただき、二〇〇八年度からは森なおさんが新しく会計監事として担当して下さることとなった。運営委員会の中で、吉川監事の長年のお働きに対し感謝の祈りが献げられた。
多くの時間を割いて審議されたのは「機構改正検討委員会」の答申についてである。部落解放センターについての機構改正案に対し、事前に運営委員会に対して接触が充分にないままに答申が出され、報告が常議員会で承認されたことへの戸惑いがまず出された。常任運営委員会での検討の報告がなされ、答申の内容について出席者のほぼ全員から意見が出された。答申への肯定的な意見は無く、内容への疑問、批判、そもそも運営委員会の声を聞かないままなされるこのような検討自体が必要であるのかなどの意見が噴出した。常任運営委員と機構改正検討委員との初めての懇談が七月に持たれるので、次期運営委員会開催までの間、常任運営委員会へ検討作業は委託された。
その他、部落解放センター報告、各教区の活動報告、全国会議の次回開催について、新キャラバンについてなどが審議された。二〇〇七年度の活動献金は目標額には届かなかったものの、六、七〇四、五二三円が献げられた事が感謝をもって報告された。次年度はぜひ目標に達するよう望まれる。なお第八回全国会議の中で起こった女性差別発言への取り組み報告を出すこととなった。
部落解放センターを支え、解放運動をさらに進めていくとの意気込みが印象に残る委員会となった。
(多田玲一報・部落解放センター運営委員会書記)
伝道委員会はプロテスタント宣教一五〇年を覚えて、伝道の最前線で働いて来た伝道者からご自身の経験を踏まえて「伝道とわたし」という主題を基に講演を聞くこととなった。第三回伝道講演会が六月十二日夜、大阪教会を会場に西原明隠退教師を講師に迎えて行われた。
西原氏は一九六六年島之内教会に遣わされ、三二年間に亘る伝道に励んで来た。この教会は大阪では「みなみ」という最も華やかな繁華街の只中に建てられた教会である。今回伝道委員会は、講演会の翌日島之内教会を問安し、教会の建っている実際の街に触れることが出来た。飲食店が数多くあるいわゆる飲み屋街であると言ってもよい。かつては住宅地もあったようだが、ドーナツ現象で住民は郊外へと移り住んでいる。人間の目から見れば、決して伝道に適した地とは思えないところで、西原氏は果敢にその町にある教会として様々な伝道を展開したのである。
講演の中で強く印象を持ったのは「繁華街、飲み屋街は悪魔の巷か」という問いかけである。およそ信仰とはかけ離れた街をどのように受けとめるのかということである。神がその街に教会を建てられたのは、そこへの伝道を委ねられていると積極的に受けとめて、街に開かれた教会のあり方を模索したのが、西原氏とその教会であった。 西原氏は教会の理解と協力の下で様々な方法を用いて、信仰と無縁に思える人々を教会に招き入れる試みを行なった。青年のたまり場としての「コーヒーハウス」、劇団公演の「島之内劇場」、落語の「島之内寄席」、夜の仕事の人のための「真夜中のクリスマス」など。これらは当時の先端を行く伝道であったに違いない。今ではどこでも行なっているチャペルコンサートも先駆けとして始めた。
病んでいる魂のための「自殺防止センター」の場も提供もした。ありとあらゆる機会を伝道として用いたと言えよう。
西原氏は最後にこういう言葉でまとめた。「開かれる教会となるためには、異なる生き方、考え方の人を受け入れるという痛みが伴う。それは主イエスの御跡に従うことであり、主の御業に与かる苦しみである。その苦しみが神の祝福となる」このあり方から何を学んで、主のご委託に応えていくのか、深い思いが与えられた講演会であったことを感謝したい。
(土肥聡報)
“高齢の信徒こそ、最も霊性が高く、伝道する力を持っている”。講師である岡本知之氏(西宮教会)の講演に感銘を受けた教区伝道委員長会議に引き続き、六月十二日(木)~十三日(金)、大阪教会、島之内教会を会場として、第35総会期第5回伝道委員会が開催された。
諸報告に続いて審議された議案の中で、主なものを以下に挙げる。
★教区伝道委員長会議総括の件
京都教区と沖縄教区が欠席となったが他の十五教区からの伝道委員長等十五名を含む二七名が参加。〈高齢者の課題と伝道〉と題して、岡本知之氏の講演と二つの発題に学び、また各教区の伝道状況と活動を報告し合い、協議。
◎〈高齢者社会〉と言われる今日において、「高齢者の課題と伝道」と題して学んだことはタイムリーであり、伝道についてよい視点を与えられた。
◎理念的な講演と高齢者施設現場からの発題で、研修のバランスが取れていた。
◎各教区の伝道報告にはばらつきがあり、伝道に対する意識と活動にかなりのずれが生じてきている。また、信徒の減少に伴い、教師を招聘できない教会を多く抱えた教区が増えてきている。
★「『宣教一五〇年』をいかに迎えるか」に関する件
伝道講演会開催を継続し、講演原稿及びその他の伝道に関する文章を集め、冊子化する。
★放送伝道資金残金の使途に関する件
何らかの形で伝道ホームページを開設する方向で進めていく。継続審議とし、次回委員会までに他教団の公式ホームページを調査しておく。
(山岡創報)
第35総会期「教区伝道委員長会議」は、六月十一日(水)〜十二日(木)大阪教会を会場に二七名の出席者をもって開催された。(京都教区、沖縄教区は欠席)
開会礼拝において北紀吉伝道委員長は主題に沿って「アブラム、七五歳」(創世記12:1〜7)という題で御言葉を説き明かした。
主題講演は、岡本知之氏(西宮教会)による「高齢者の課題と伝道」。その導入において「老人問題」は経済的に豊かで、医療が行き渡り、平和な国にしか存在しないと語られた。年間の自殺者が三万を超える中でそのうちの35%が六〇歳以上、すると誰もが一人暮らしの孤独な老人の自殺率が高いと想像するだろう。しかし、最も多いのが三世代同居のケースだという意外な報告を受けた。
それ故、高齢者問題の本質について岡本氏は「老人問題」は「老人の問題」ではなく、「老人をめぐる関係障害」とし、「老いる自分自身と自分との関係」こそが課題の中身であることに気付くべきだと述べた。そして、教会はその課題にターミナルケアで勝負するのではなく、「霊性」(スピリチュアルケア)で勝負すべきだと強調した。神に委ねるという信仰、「神さま、これこれができなくなりありがとう」と祈れる高い霊性こそが高齢者の伝道力だと述べた。そして、高齢者への伝道の具体的な実践へのアドバイスとして、関わりを持つようになったら早期に家族と会って挨拶を交わし、理解を得ることの大切さを語った。
講演の後、山崎ハコネ氏(敬和学園大学・教務教師)から「からし種の家とマナの家」における実践報告、そして、平井章氏(社会福祉法人十字の園理事長・特別養護老人ホーム浜松十字の園施設長)から施設の歴史とその働きが紹介された。発題の後は、各教区の伝道委員長報告を受けた。
二日目は主題に基づく全体協議を行った。そこで高齢者の課題と共に、伝道者自身が高齢となった時の問題も上り、決して小さくない課題を分かち合う有意義な協議会となった。
(具志堅篤報)
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