前回常議員会で、機構検討特設委員会より「出版局は理事会を廃止し、出版局長を経営最高責任者とし、局長の他、五名の経営審議会を設ける」旨の答申がなされた。
それを受けて今回は山北宣久議長より「『出版局規定全面変更に関する件』を常議員会提案として第36回教団総会に提出する」との提案が議案として提出された。
小島誠志出版局理事長からは「出版事業の低迷にあって規則変更はやむを得ないが、この提案内容については前回議長が発言されたように、三役と話し合って十分内容を議論する時間が必要である」と意見が述べられた。
それに対し、佐々木美知夫機構検討特設委員長は「本提案の責任主体は常議員会にある。また出版局理事長の認識は理解するが、この規則変更は出版局業務の責任所在を明確にするために避けて通れない問題である。従来の機構と提案された機構のどちらがよいのか真剣に検討してほしい」と発言した。
その他「教規五〇条③の総幹事職務規定では総幹事が出版局を統括するとあり、この提案内容はそれと抵触する。出版局規定変更の先に教規変更があるべきではないか」という意見に対し「現行の出版局規定自体が教規と抵触しており、今回はそれらを是正する改正案となっている」「その件は34回総会期の機構改正委員会答申で、すでに提起されているが、現状としては改善されていない」等返答がなされた。また、経営責任体制等をめぐる指摘と意見交換が多数なされた。
それらを受けて山北議長は「危機感を共有し、極力先送りを避けるべく、継続審議としたい」と提案し、議事継続を賛成多数で可決した。
(松本のぞみ報)
第二日目、「出版局規則全面変更」案件を取扱った後、次の重要事項を審議した。「宣教研究所規則変更」、「宣教委員会廃止教規変更」、「教師検定規則変更」、「教務教師等の登録申請」、「合衆国長老教会、米改革派教会との宣教協約」。
「宣教研究所規則変更」と「宣教委員会廃止教規変更」とは、内容上重なるため併せ審議された。共に機構検討特設委員会答申を受けての議長提案である。宣教研究所規則変更は、研究所設置目的、使命をさらに明確にするための提案。理由にて「いわゆる教団紛争以来、教規四一条①も、宣教研究所規則三条、八条も殆ど内実を持てない状況」としている。研究所の使命を明確にすることは、結果として宣教委員会の司る事項との重複が明らかとなり、本委員会廃止が提案された。提案理由の中で「本来、宣教研究所で研究される事柄である宣教基本方策や社会活動基本方針の『見直し』という作業が宣教委員会の活動となってしまい、『総合的基本方策の立案』という作業が行なえなかった」としている。宣教委員会を廃止して伝道、教育、社会各常設専門委員会を常設委員会とするための教規変更、教規施行細則変更を提案している。
宣教研究所規則は常議員会議決にて変更、また宣教委員会廃止は教規変更となるため教団総会の同意を必要とする。この点について、教規変更を先決しないならば、研究所規則は先行して変更できない、と主たる反対意見が述べられた。一方、「研究所は設置目的どおりの活動を果たしてこなかった」、「宣教委員会のもとに伝道を位置づけたことにより伝道の停滞が起こっている」、「今後の教団の姿を提示している」とする賛成意見が述べられた。採決の結果、研究所規則は賛成十七名で変更を決定。また、宣教委員会廃止に関する教規変更案は、賛成十七名で今秋の教団総会に提案されることとなった。
「教師検定規則変更」は、補教師検定試験Aコース受験に関して追加規定を設けるものである。総合大学の入学制度改革などで神学部を経ないで大学院神学科入学することが可能となってきた。結果、規則本来の趣旨と異なる事態が生じてきたため、これを改善する変更案である。Aコース受験では、神学関係十四科目に妥当する七八単位の履修が明記され、未履修の受験者に該当科目の試験が課せられる。変更案を賛成多数で決定。移行期間を経て二〇一一年春季試験より実施される。
「教務教師等の登録申請」に関する教規施行細則変更提案は、これまで、巡回教師、神学教師、教務教師が本人申請で行なってきた登録・辞任手続きを明文化している。特に明らかに辞任しているが登録のままである教師の辞任手続きが行なえるよう提案している。賛成多数で変更案を教団総会に提案することとなった。 「宣教協約」は、アメリカ合衆国長老教会(PCUSA)、アメリカ改革派教会(RCA)、それぞれと宣教協約を結ぶための提案である。〇五年の日・北米宣教協力会(JNAC)解散後、協力会構成員であった六北米関係教会と教団は個別に宣教協力体制を作る必要が生じた。協力会解散総会では、山北宣久教団議長が関係諸教会に宣教協約締結を提案していたが、今回、二教会との合意書策定に至った。原案を教団総会に提案する。総会にて可決後、締結式を行なう予定である。(渡邊義彦報)
二日目の最後、北村慈郎教師に対し戒規の適用を求めることを内容とする「北村慈郎教師に対する戒規申立を行う件」が可決された。これによって「戒規処分申立書」が教師委員会に送られれば、北村教師に対する処分については教師委員会が判断することとなる。
昨年十月の第三回常議員会の議決に基づき、「未受洗者への配餐を直ちに停止するか、さもなくば速やかに日本基督教団教師を退任されることを勧告する」ことを内容とする「勧告書」が山北宣久議長から同教師に送付された。北村教師はこの勧告に応じなかったため、今年二月の第四回常議員会を経て再勧告が行われたが、「再勧告書」には、「今後もなお、全教団的合意なしに未受洗者への配餐を行うのであれば、戒規の執行申し立てに進まざるを得ないことを申し添えておきます。上記勧告に対する応答を二〇〇八年六月二〇日までにご連絡ください」とあった。
今回、こうした勧告に応じないまま行われている北村教師の未受洗者への配餐の行為が、「教憲第一条および第二条に違反し、本教団の秩序を紊る行為に該当する」とされ、戒規の申立がなされることとなった。
この戒規申立を行う件を巡る議論では、まず梅崎浩二常議員から、常議員会が提訴者となることはできないとの反対意見があり、山北議長が答えたが、梅崎常議員は、「規則上の根拠が述べられておらず、違法な審議に加わることはできない」として、発言後議場を退席した。
松村重雄常議員も、常議員会の議案として扱われることに反対し、意見を述べた後に退席した。
向井希夫常議員は、「未受洗者陪餐は認められていないと言うが、教憲・教規のどこに書いてあるのか。教団は各個教会主義であり、海外の教会にも未受洗者陪餐の例がある」などと主張し議案に反対した。
この他、後宮敬爾常議員は、「教憲・教規の枠を外れた議案である」としてこの議案を常議員会で扱うことに疑義を述べつつ、提訴の採決も戒規を決める際と同様に構成員の三分の二以上の賛成を要するとの見解を述べ、慎重さを求めた。他にも反対意見を述べた者のうち、斎藤仁一常議員も発言後退席し、採決の時点でさらに数名の常議員が議場から出てしまった。
賛成意見即ち戒規適用を求める側では、山北議長が、教団では未受洗者陪餐はあり得ないという基本的な理解を前提として、教憲・教規においても教会員の規定からして洗礼を受けた者の陪餐は明確であり、未受洗の陪餐者は教会総会議員でもなく、宙に浮かせることになるなどと述べた。
また、佐々木美知夫常議員は、「議論をするには同じ土俵に立つべき。まず違反の行為をやめてもらいたい」と主張、戒規を行うのは教師委員会であり、聖餐についての事柄は教団総会の扱うことだから、これを紊る行為があった場合は、議長が発議するのは当然との見解を示した。
この他、「命や人権にかかわることではない」との信徒常議員の発言に対して、他の信徒が、「信徒の一大事。信仰的生命に関わる問題。信仰生活がどうなるかの一大事」と応じた。
審議は十五分延長して続けられ採決に入ったが、退席者があったため十九名中十六名の賛成という数でこの件は可決された。
(藤盛勇紀報)
▼キーウィー、金柑、西瓜、南瓜、トマト、茄子、キュウリ、ピーマン、シシトウ、唐辛子、薩摩芋、ジャガ芋、里芋、アスパラ、枝豆、南京豆、ササゲ、ミョウガ、一〇種類のハーブと、同じく紫陽花、僅かな草花。以上、我が家庭菜園で現在花か実をつけている作物。他に来春に備えて眠っているもの、球根で蓄えているもの。▼これだけ並べると、随分と広大な畑のようだが、実は、畑地はほんの三〇坪足らず。ひしめくように植わっている。風通しは良くないし、日当たりも悪い、当然、収穫は芳しくはない。▼今年すこぶる順調なピーナッツでも、一粒の単価が、一体いくらにつくことか。その単価に、手間賃は入っていない。そろばんを弾いたら、とても出来ない。だが楽しい。止められないし、数や種類を絞って、効率を上げることも出来ない。殆ど、犬猫の多頭飼育者のようだ。▼会堂は、畑より少し広い、そこに普段七〇人程度。六〇種類を軽く超える。多分、七〇種類。風通し日当たりも、少し悪い。だが、楽しい。▼教団は?
激しく対立、なかなかかみ合わない議論 教団総会まで三ヶ月、その行方は
今常議員会も、前回に引き続き「教師退任勧告」「戒規」を巡る議案が焦点となった。賛否両論が激しく対立、採決の際には、何人もの常議員が退席するなど、混迷を深めた。また、抜本的教団機構改革案が総会への規則改正提案という形で、いよいよ具体的に提示され、ここでも激しい議論が交わされた。教団総会まで三ヶ月、今後、どのような展開を見せるのか、予断を許さない。
「戒規」巡り議事日程から議論
・議事日程
七月十四、十五日、教団会議室において第35総会期第五回常議員会が開かれた。会議冒頭、議事日程承認では、「北村慈郎教師に対する戒規申し立てを行う件」を取り下げるよう強い訴えがなされた。「本来、戒規を不服とする訴えを受け止めるべき常議員会が戒規申し立ての主体になることは、教規違反である」との意見が続いたが、「当該議案の内容に踏み込んだやりとりとなっている。議事日程を承認して、議事の中で内容論議をすべきである」との判断がなされ、採決に入り、三〇名中十七名の賛成により議事日程が原案通り承認された。この件に関しては、配付資料にも、常議員会宛送付された賛否両論の要望書が多数添付されており、依然として諸教区・諸教会の関心の高いことが示された。
・書記報告
書記報告では、統一協会との関連が問題視されている「クリスチャントゥデイ」との関係を質す意見があり、山北宣久議長は、既に疑わしきは罰せずの領域を超えていると判断し、六月十三日付にて声明を発して一切の関係を持たない旨宣言したと述べた。また、沖縄教区との関係を質す意見に関して、山北議長は、沖縄教区議長の出席を期待していた。今後も公的な場での対話の継続を願っていると述べた。
・総幹事報告
総幹事報告では、内藤留幸総幹事より前回常議員会以降取り扱った主な事項が報告された。これを受けての質疑では、教団出版局の出版物を巡って、教団内の任意の教会群からの要望を受けて、信仰職制委員会に総幹事が諮問した件について、その取り下げがなされた経緯と見解を質す意見が出された。これについて、内藤総幹事は、取り下げは要望した主体を問題としたのではなく、当該出版物の問題点が再販時に修正されて解決したことによると述べた。
続いて、総幹事の管轄下にある教団新報について、聖餐におけるいわゆる未受洗者への配餐を巡る論議を掲載する中で、その賛否両論の取り扱いが不公正ではないか。教団新報は公器であるのだから、謹んでほしいとの要望が総幹事に出された。内藤総幹事の指名を受け、竹澤知代志教団新報主筆は、編集委員会の主体性があるが、賛否両論をできる限り公正に取り上げるように配慮していると述べた。これに対して、新報の独立性を確保するべきとの意見も出された。
続いて、教区総会における教団問安使の意味を質す意見が出され、内藤総幹事は、教憲第六条「教団が教区を置く」を引用し、問安使はその具体化であることを指摘し、問安使拒否はふさわしくないと、見解を述べた。
・教区活動連帯金
教区活動連帯金については、総幹事報告の中で、資料に基づきながら丁寧な報告がなされた。
これを受けての質疑では、一九六八年の機構改正の意図を具体化すべきとの意見がある一方、「教区の多様性に対する危惧を持つ」。「教憲六条に対する破れがある」。「これ自身が、教区活動連帯金の運営などにも影響している」。「都市の教会も疲弊しており、状況は大きく変化している」。「教区活動連帯金にこだわるのではなく、教団全体の伝道を考えるべき」との意見が出された。
また、教区活動連帯金の報告の受け皿がない現状については、「常議員会はじめ教団の中に位置づける実力はない」。「教区議長たちは必死にやってきた、しかし、教団に経済的実力がない」。「信徒の負担感、制度への信頼感、その点でも実力はない」との現状認識を確認することにとどまり、総幹事報告は賛成多数で承認された。
・内外諸教会との関係
内外諸教会との関係に関する件では、合衆国長老教会(PCUSA)と合同メソジスト教会(UMC)の総会出席報告がなされた。
報告を受けて、UMCのインクルーシブネス(包容性)の基本姿勢について、教団も共有し得るのかどうか、執行部の見解を質す意見が出された。
・被災教会支援
「新潟県中越地震」被災教会会堂等再建支援委員会報告では、小橋孝一委員長並びに疋田國磨呂関東教区議長より、献金目標達成と委員会終結の報告と感謝が述べられた。
また、監査を受ける予定であることも報告された。これに関連して、今後は、教団の名前で呼びかける大規模な献金については、監査を受けることに決めておくべきであるとの意見が出された。
また、阪神淡路大震災関連の会計報告が終結していないことに関して、兵庫教区に対し、教区の中で推移するのではなく、常議員会に報告をすべきであるとの意見が出された。
その後、山北議長が感謝祈祷を捧げた。
「能登半島地震」被災教会会堂等再建支援委員会報告では、長山信夫委員長並びに高橋潤中部教区議長より報告がなされ、さらなる支援継続を訴えた。
また、被災した七尾教会牧師である釜土達雄常議員より支援感謝が述べられた。また、関連して、福島純雄東北教区議長より、岩手宮城内陸地震関連の報告がなされ、改築を余儀なくされている陸前古川教会への支援が訴えられた。
・日本伝道150年記念
日本伝道150年記念行事準備委員会報告の件では、行事日程の具体案並びに行事、出版、関連諸行事を含めて募金目標を五〇〇万円と定めたいとの提案があった。
報告を受けての質疑では、「沖縄からの問いかけに答えることなしに共に祝えるのか」。また、「侵略戦争の現実を踏まえつつ、在日大韓基督教会との宣教協約や台湾基督長老教会との関係など、東アジア全体でとらえ、趣旨に謳い、共に祝うことへと向かうべき」との意見が続いた一方、「教会の悲惨と栄光、どちらかに傾いた歴史認識は危険、神の恵みを証しする機会としよう」との意見が出された。藤掛順一準備委員会書記はこれらに答え、そういう課題と向き合って、歴史認識の乖離の現実をはっきりとさせるような出版企画を考えていると述べ、賛成多数で承認された。
(林牧人報)
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