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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【5040号】「隠退教師を支える運動」 全教区推進協議会(4面)

2025年12月13日

祈りによる一致の下で

 「隠退教師を支える運動」全教区推進協議会が10月17日、教団会議室にて対面22名、オンライン4名で開催された。テーマは昨年に引き続き「運動の輪を広げよう」とした。開会礼拝において網中彰子総幹事よりマタイによる福音書25章31〜40節のみ言葉を通して「その一人に」と題する説教をいただき協議会へ移った。
 初めに出席者、新年度から就任される推進委員の紹介、続いて雲然俊美教団総会議長からの協議会へのメッセージが鈴木秀信委員長により朗読された。雲然議長のご配慮に心より感謝を申し上げたい。その後、山田昌人事務局長より2024年度事業並びに決算報告、2025年度計画額を含む活動案の報告がなされた。また中川義幸教団年金局理事長より教団年金の状況を伺い、質疑応答をもって午前のプログラムを終えた。
 昼食休憩後、2名の推進員の発題がなされた。一つはこの運動が「信徒運動である」と同時に、各教区常置委員会との密接な協力の下で形成していくためにどうあったらよいのか、もう一つはこの運動が優れて伝道活動に参与する信徒の業であることを確信してこれからも地道に進めていきたいとの想いが語られた。その後各教区、支区推進活動状況が報告された。現今の教団の状況の中で、活動の伸び悩みに加えて運動推進のための後継者育成等々状況は決して安易なものではない。この状況をしっかり受け止め、今後の進め方としてこの運動の原点を大切にして祈りによる一致の下で進めていく。次に機会あるごとに教区・支区総会、また各地域で開かれる集会等でこの運動のアピール活動を続けていく。そして各自が孤立することなく情報交換に心掛ける等が申し合わされた。特に最近教区推進員の新旧交代が見られ、新しい方が奉仕してくださることに感謝したい。
 最後に「支える運動・私たちのビジョン」を唱和、閉会祈祷を捧げ感謝と希望の内に散会した。

(鈴木秀信報)

 

「あと1人が加えられるように」

伝道推進室より応援した教会・伝道所
栃尾教会・巻祝福教会牧師(兼務)
野澤 幸宏

 巻祝福教会は新潟市西蒲区、旧巻町にあります。矢川という小川のほとり、春には桜並木が美しく咲く土手沿いの信徒宅にて、毎週日曜日の午後3時から、4名の信徒と牧師とで礼拝をささげています。そのような小規模でありながら伝道所ではなく「教会」です。このことにも表れている通り、巻祝福教会は複雑な歩みを辿ってきました。
 巻祝福教会は、巻クリスチャンセンターを前身としています。ハーベスト・タイム・ミニストリーズの中川健一牧師を迎えての集会でした。礼拝ではなく祈り会を中心とした交わりで、30名から多い時には50名が集まる集会だったと聞いています。しかし、1997年頃、中川師が集会を去ったことがきっかけで、集会の中心メンバーの自宅で、高砂教会の手束正昭牧師を迎えての礼拝がささげられるようになりました。
 この時点ではまだ単立教会でしたが、日本基督教団との関わりがここからはじまり、巻聖泉キリスト教会として歩みだします。当時、月に2回高砂教会から副牧師・伝道師の先生を招いて礼拝がささげられていました。その中のお一人が、後に同じ新潟県の栃尾教会に赴任し、巻祝福教会の代務をも担うことになる手束信吾牧師でした。2003年ごろ、巻祝福教会の専従牧師を高砂教会から送るという話が進み、日本基督教団に加入する動きも併せて進んでいきます。結局この動きは、巻聖泉に残る信徒と、教団への加入を目指すグループと別々の道を歩む結果となりました。このグループが立ち上げたのが巻祝福教会です。週報表紙の「教会創立」はこのタイミングです。信徒宅などで礼拝をささげるようになったのもこの時期です。高砂教会の副牧師であった榊原喜三郎牧師が招聘されました。教団へ加入し、榊原師の牧師就任式が執り行われた2006年9月10日が、週報表紙に「教会設立」として記されています。その後も、榊原師の辞任を経て、手束信吾師の代務13年間に当時の教会の中心となっていた信徒グループ20名ほどが教会観の違いで教会を離れ、現在の規模になります。
 このように振り返ってみると、人間的な思いによって、巻祝福教会の歩みは困難な状況に直面してきました。しかし、残された者の素朴かつひたむきな信仰によって、現在も教会は歩み続けています。規模が大きいことばかりがよいことではないと実感します。少人数によるフットワークの軽さや意思決定の早さなど利点も多くあります。何より密な交わりが可能です。それは単に気が合うとかそのレベルのことではありません。信仰に基づく愛による交わりです。しかしこの人数では少し寂しいのも本音、教会は宣教をしなければなりません。数年前から、具体的に「この礼拝にあと1人が加えられるように」との祈りの課題を掲げ続けています。現在の巻祝福教会は、その名に違わず祝福されています。

 

 日本基督教団年鑑2026年版(第76巻)が発行されましたので、是非お買い求め下さい(定価2,500円+税)。
 また、是非アンケート葉書にお答えいただき、当年鑑についてのご感想やご意見をいただければ幸いです。来年4月発行予定の追録をお送りします。
 なお、直接お買い求めの場合は事務局総務部までご連絡ください。

Tel 03-3202-0541、Fax 03-3207-3918
e-mail〈somu-b☆uccj.org〉
※☆を@にかえてください

事務局報

石川深香子(隠退教師)
 24年12月4日逝去、93歳。新潟県生まれ。81年東京聖書学校卒業、同年より成田、仙台愛泉、宮城野愛泉、天門教会を牧会し、06年隠退。 遺族は弟・石川仁さん。

妻鹿勝年(無任所教師)
 25年11月10日逝去、99歳。兵庫県生まれ。60年受允、63年より67年まで吹田教会を牧会。
 遺族は子・妻鹿里美さん。

髙橋真人(会津坂下教会主任担任教師)
 25年11月14日逝去、62歳。福島県生まれ。93年東京神学大学卒業、同年より会津坂下教会を牧会。
 遺族は妻・髙橋容子さん。

 


教師異動

福岡社家町 辞(主)牧村元太郎

 〃    就(代)長谷川渉


教師改姓

白砂誠一→萩原誠一

 

基督教社会福祉事業のワーカーと、その活動のためにお祈りください

 キリスト教を基本精神として社会福祉の実践を担う社会福祉法人にとって、共通課題は何だろうか?私自身は、「キリストの愛が法人全体に溢れている」ことを願い、そのために努めているので、この、いわば、永遠の課題に少しでも近づくことができるよう、皆様にご加祷をお願いしたい。
 一方、新しい課題も生じており、主の導きと助けを祈って頂きたい。例えば、①人材確保の困難。特にクリスチャンリーダーの減少、②「聖書に耳を傾ける時」を最善の形で開きたい、③行政から委託の「相談支援事業」で働く有資格職員が疲弊しがち(原因の把握と適切な対応)、④DXや生産性向上の理解と有意義な活用等である。紙面の都合上②の関連事項のみ伝えたい。 
 牧ノ原やまばと学園は、55年前の創設当時は、(ご利用者は、自分の意志によってではなく行政の措置によって入居させられたので)この人たちの信仰の自由を尊重するということで、施設内では宗教的なことは(クリスマス行事等を除いて)殆どしなかった。代わりに有志による「朝の祈祷会」、「夕の祈り」が月〜土の毎日開かれ、(その集いに参加する職員に惹かれて)知的障碍の人々も加わるようになり、教会にも加わって20年位経て受洗した(8名)。ご家族は異論なく、「どうぞ、どうぞ」であった。
 寮生の和恵さんは、何かにつけ「お祈りすりゃあいいじゃん」という穏やかな人だった。視力が低下した時も静かに祈っているように見えた。修子さんは、教会に来ても居眠りする人で、「天国なんてありません」と断言したりしたが、それをたしなめるのが和子さんや和恵さんで、そんな時、「初ちゃん、お祈りしてるヨ」と割り込むのが初江さん。職員から「偉いねえ」と言われると「ウン」と頷いて自慢げだった。この人たちのために、礼拝後、牧師から「ハグ」があってもいいのではと思ったが、提言しないまま、全員が今は神様の元にいる。
 1981年に開設された聖ルカホーム(特別養護老人ホーム)は、障碍者施設と違って毎朝礼拝をした(自由参加)。居室から礼拝堂へ、大勢が向かうのだが、「お参りに行く」と表現する方もいた。お話するのは、牧師や施設長、一般信徒で、来日中のブラザーアンドリュー(マザーテレサの活動のため、男子の奉仕部を創設した修道士)の説教もあった。「死は、隣の部屋に行くようなもので怖くありませんよ」とのことばに、高齢者も私も慰められたのを思い出す。
 長年、聖ルカホームで働いた職員たちは、礼拝の体験がよかったと語り、自分の子供を聖ルカホームに就職させた人もいる。が、残念なことにコロナの国内感染が拡がった頃から途絶えがちになり、(ユニット型で集まり難いこともあって)今は中断している。
 法人本部では、毎朝10分位、「聖書の輪読と、メッセージを聴くとき」を持っている。一人一人の輪読後、私が簡単なお話をするのだが、神学的な説明はせず、神様がいかに小さい人を大切に思っておられるかを聖句や施設でのエピソードを通して話したり、当法人での出来事を伝えたり、自分が慰められたメッセージを紹介したりしている。
 教会での礼拝説教と、学校でのお話、福祉施設でのお話は、同じ聖書を使っても、強調点が違ってよいだろうし、その方が聴く者と意思疎通できるのではないだろうか。教会と施設との関係についても、「決まった回答はない」ように思わされている。「やまばと学園」と関係の深い「榛原教会」で13年間奉仕された山田静夫牧師は、「施設での活動は最小限にしたい」という考えで、実際そうなったが、職員の中には、秘かに相談に行った人もいて、見えない形で施設は大いに助けられた。牧師も施設関係者も無理にではなく、主に在って自由に、賜物を捧げ、助け合っていけたらと願う。

2025年12月7日
社会福祉法人牧ノ原やまばと学園
理事長 長澤道子

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