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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4710・11号】秋季教師検定試験 正教師受験者15名が不合格に

2010年11月6日

 

日常の働きを担いながら神学する

2010年秋季教師検定試験が9月14日(火)~16日(木)、大阪会場(大阪クリスチャンセンター)において行われた。

受験者総数は91名。試験直後に行われた検定委員会での学科試験判定の結果は次の通りである。

正教師試験は69名が受験し、合格者が41名、保留者が13名、不合格者が15名であった。また補教師試験は19名が受験し、合格者が5名、保留者が1名、継続者が10名、不合格者が3名であった。

保留者とは、学科試験の結果が合格点にわずかに及ばなかった受験者で、レポートが課せられ、後日そのレポートによる再判定を受ける者のことである。また継続者とは、主にCコースにおいて、複数年かけて補教師試験を受験する者の中で、次回以降も受験する必要がある者のことである。

今回はさらに、他教団からの教師転入の受験者があり、3名すべて正教師として合格となった。

今回の試験は、受験者総数の約2割にあたる18名が不合格となるという大変厳しい結果となった。特に、正教師試験受験者は、聖礼典の執行を含め、正教師としての働きを求める教会の篤い祈りが背後にあることを思うと、15名もの不合格者を出したことは、非常に残念であった。

正教師試験の受験者は、既にそれぞれの遣わされた場において、日々宣教の業に励む中で試験の準備を行うこととなり、時間的にも精神的にも、困難を伴う場合が多いであろう。しかし、このたびの結果を謙遜に受けとめ、自らの準備に足りなかったところを反省しつつ、真摯に再受験に備えていただきたいと願う。

検定委員会としては、事前の提出物の課題・筆記試験の問題のいずれにおいても、毎回、基本的なことを求めてきた。つまり、教師として宣教にあたる時、どうしても弁えておかなければならない事柄を、問うてきたということである。

事前に提出を求められる聖書釈義・説教は、主日毎の務めに直結する大切な課題であるにもかかわらず、釈義から黙想を経て説教作成に至るまでの流れが十分に整っていないものが少なくない。日常的に、誠実な取り組みを求めたい。

組織神学の課題は、合同教会の豊かさを生かしていくために、私たちが何によって一致するかを確認する基本的な問いであったにもかかわらず、神学的思索が不十分で、論点のまとまらない答案が多く見られたことは残念であった。

教会史・教理史の試験は、過去の問題をよく研究し、的を絞って準備していると思われる答案が多く見られた。

その一方で、的が外れると手のつけようがないのか、勉強不足が露呈するものも少なくない。また文章力が弱く、理解の困難な答案も見られた。

新約神学・旧約神学は、聖書の参照が可能であるにもかかわらず、引用すべき聖書箇所がつかめていない答案が見られた。普段から聖書に親しむと共に、少なくとも一冊は、手引きに紹介された基本的な参考書を通読することを求めたい。

教憲教規および諸規則・宗教法人法の試験は、規則の参照が可能であるためか、準備不足と思われる答案が少なくない。そもそも宗教法人法の意義が分かっていないと思われる答案、問題文の意味が理解できていないと思われる答案もあり、不安を抱かせた。主任担任教師になれば、法規に基づく事務手続きも必要になる。これも教会に仕えるために大事な学びであることを弁えて準備して欲しい。

学科試験後の個人面接に先立ち、面接の1日目と2日目に全体会が行われた。最初に各委員の紹介、次いで倉橋康夫委員長が挨拶し、今回の試験全般について説明した。その中で、委員長は現教師検定委員会の検定方針を説明し、特に教憲第9条の「神に召されて正規の手続きを経て献身した者」について丁寧な説明がなされた。

「召命」の原点に堅く立ち、さらにそれを確認しつつ、主の召しに応えて「献身」する受験者の上に、主の祝福と訓練が豊かに備えられるよう祈り願う。

(東野尚志報)

 

2010年秋季・正教師検定試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)

次の2題に答えてください。

1.教会担任教師の招聘、辞任、解任のときの必要な手続き及び手順について、教憲教規の当該事項をあげて文章で述べてください。

2.宗教法人設立の手続きについて、特に「認証制度」の観点から大切な事項について述べてください。

旧約聖書神学(60分)

次の2題に答えてください。

1.「神の名」について述べてください。

2.「イスラエルの選び」について述べてください。

新約聖書神学(60分)

1. 次の問題に答えてください。

ルカによる福音書及び使徒言行録の神学について

2. 次の3題のうちから2題を選んで答えてください。

①初代教会の礼拝について

②パウロにおける「神認識」について

③新約聖書における黙示文書と黙示的箇所について

教会史(60分)

次の2題に答えてください。

1.「基本信条」の中から一つを選んで、その成立や内容、特徴について述べてください。

2.①~④のうち、3問について簡潔に説明してください。

①いわゆる「贖宥の問題についての95条の公開質問状」

②敬虔主義

③リマ文書

④日本基督教団の成立

 

講 評

日本基督教団の教師を立てることは、最重要事である、と言うことができます。教師検定委員会は、同労者の誕生を願いながら、そのための実務を担っています。しかしながら、今回の試験は、大変悲しい結果となりました。正教師受験者が圧倒的に多かった今回の試験ですが、試験を終えた時点で、正教師受験者の2割を超える不合格者が出てしまいました。

一般に、教師検定試験受験者に求められることは、神学の基本的・基礎的な知識と思考力です。今回の結果は、そのような基礎的な面が備わっていないことを示しています。補教師として、主任であったり担任であったりの違いはありますが、日常のみ言葉の奉仕に当たっていたことでしょう。しかし、日常の働きを担いながら、神学をすることが大切だと思います。これは、伝道者として生きる者の当然負うべきことです。受験者の皆さんが、良き準備を以って試験に臨まれることを願っています。(36総会期教師検定委員長 倉橋康夫)

2010年10月23日

 

以前、教会の会堂や備品を通してそこに積み重ねられてきた信仰生活の重みを味わうことができる幸いをお話したことがあった。破れかけた讃美歌に会員がカバーを着けてくれた喜びを記したが、更に今は聖書にもカバーが掛けられている。会堂にも備品にもその教会の歴史が刻まれて行くのは当然であるが、それは言葉を換えれば信仰の厚みが加えられていくことでもある。礼拝が繰り返され、信徒の信仰生活が積み重ねられていく場がそこにあり、活けるキリストの御体が指し示されている。

聖餐式の折り、ぶどう液のグラスが何種類か用いられていることに気付いた。この教会に来て間もない自分であるが、長い教会の歴史の中で聖餐が繰り返され、グラスもまた補充されてきたことをあらためて感じ取る時であった。そして聖餐に与る人々が、時を経たと思えるグラスを大切に持つ姿は実に印象的であった。もちろん大切なのはそのグラスに注がれているイエス・キリストの血潮であるが、そのグラスにも聖餐の恵みを受け続けてきた教会の姿と信仰の厚みが表されているのである。そこには信仰の先達たちの告白と証が刻まれており、今キリストに生きる者たちの信仰がまた刻まれていくのである。古いグラスも新しいグラスも用いられる器に過ぎない。会堂も備品もみなそうであろう。しかし、聖霊によってイエス・キリストの命と救いが差し出され、信仰によってそれが受け取られる場、それが教会なのである。

(教団副議長 佐々木美知夫)

 

 

礼拝-神の恵みを生きる

「キリスト教信仰の奥深さをもっと受け止めたい」と情熱的に語る正彦さんは83歳。現代史の激動の時代を歩んできた。

勤め先の北海道庁で、クリスチャン同僚の感化を受け、幾つかの教会を経て、月寒教会の礼拝へと通うようになった。

受洗への大きなきっかけは、結婚を考え始めたことだった。日本旧来の封建的な家理解とは訣別したい。新憲法による新しい夫婦像、その根底にあるキリスト教信仰を家庭の基盤にしたいと願った。将来を約束した二人で共に求道し、信仰を共有した家庭形成を祈った。1962年9月に結婚、クリスマスに揃って洗礼を受け、クリスチャン・ホームの出発となった。

信仰生活の第一歩を踏み出した頃、日本社会は「政治の季節」の只中で、大きく揺れ動いていた。信仰と社会生活の関係、両者の結びつきが日々の問いであった。大塚久雄氏や隅谷三喜男氏の著作から学び、また日本基督教団に連なる者として、同じ教団の教会である滝野川教会発行の月刊誌『形成』の購読が、まさに信仰と生活を形成する大きな力であったと語る。

家庭に一男一女を与えられた。「子どもたちは教会に育ててもらった」と信仰継承について話す。息子さんは教会で伴侶と出会い、お孫さんたちも受洗して、第二代クリスチャン・ホームを形成。娘さんは、キリスト教文学の研究者として活躍中。

振り返って、すべての根底は「教会を信ずること」であると告白する。「教会の伝統とは古色蒼然としたものではない。信仰共同体の礼拝こそ伝統である。個人のものではない、公同の教会。我々の信仰はそこでこそ支えられ、錬磨され、正しい方向に向けられ、広げられていく」。祈祷会の証での言葉である。そして「古いとか時代遅れとか言われようと、第一に〈主の祈り〉、第二に〈信仰告白〉を真に我らは信じかつ告白す、第三に〈生活綱領〉を私たちの信仰に生かすことを共に祈り励む。神の恵みを生きる証しこそ伝道だから」と力説する正彦さんであった。

 

第50回(2011年)「キリスト教教育主事」認定試験を次のとおり行います。

◆受験願書提出期限 2010年12月13日(月)

(提出物1~7を教区に提出)
◆論文提出期限 2011年2月18日(金)
(試験科目ハの論文・教団教育委員会に提出)
◆試験期日 2011年3月11日(金)   午前11時~午後2時
◆試験場所
〒540-0004大阪市中央区玉造2-26-47
TEL06-6761-8562
大阪クリスチャンセンター会議室
◆試験科目
イ.筆記試験  日本基督教団教憲、教規および諸規則(60分)
*試験時間に日本基督教団「教憲教規および諸規則」を貸し出します
ロ.面  接
ハ.論  文  400字詰原稿用紙 15~20枚
「日本におけるキリスト教教育の歴史と展望」
◆提出物
◎以下の書類を整え必ず期限までに教区事務所に提出する。
1.受験願書・所属教会主任教師の推薦書…1通2.履歴書・信仰歴…1通
3.教区の推薦書…1通
(以上は教育委員会所定のもの)
4.出身学校校長の推薦書…1通
5.出身学校成績証明書…1通
6.「私はなぜキリスト教教育主事をめざすのか、召命との関連で」記述書 400字詰原稿用紙2枚程度
7.受験料 5、000円
教育委員会所定の用紙は、〒169-0051東京都新宿区西早稲田2-3-18-31日本基督教団教育委員会に、住所、氏名を記した返信用封筒に130円切手を添えて請求してください。
◆問い合わせ
日本基督教団教育委員会 〒169-0051
東京都新宿区西早稲田2-3-18-31
TEL03-3202-0544
FAX03-3207-3918
2010年10月
日本基督教団教育委員会 委員長 黒田若雄

ブゼル先生の働き

東 義也(尚絅学院大学教授)

「But I am among you as one who serves.」( Luke 22:27)

アンネー・ブゼル(Anny Syrena Buzzell,1866-1936)は、父オリバーの次女として、マサチューセッツ州ローエル市に生まれた。その後、一家は1877年、ネブラスカ州のジュニアタに定住した。両親は、ユグノー派(フランスのカルヴァン派の新教徒)の家系の出身であった。父は農業に従事するとともに、伝道にも参加し、のちにジュニアタのバプテスト教会牧師となった。このように敬虔な信仰と熱心な開拓伝道の精神に燃える家庭で、アンネーは育てられた。姉のミネー・ブゼルも、1884年秋、中国の汕頭(すわとう)に宣教師として派遣され、3年間宣教活動に従事した。

アンネーは、このような両親や姉の影響を強く受け、海外伝道を志すようになった。そして、ギッボン・バプテスト神学校を卒業し、6年間小学校で教えた後、1892年4月、米国婦人バプテスト外国伝道協会の宣教師に任命された。26歳の時である。1892年という年は、日本では明治25年である。

この頃、東北地方の仙台では、米国バプテスト外国伝道協会から派遣された独身女性宣教師たちが、英語教師として活動していた。当時は外国人そのものがとても珍しかった。だから、彼女たちは自分たちの任務を十分遂行するために、女性や子どもに直接働きかける日本人女性の協力が絶対に必要であると痛感した。そこで、彼女たちはバイブル・ウーマンの養成に取り組んだ。それはやがて家塾の形をとった。すなわち、自宅に少女たちを同居させ、教育と生活訓練を行ったのである。そして、その家塾は、1892年(明治25年)8月、尚絅女学会という学校に発展した。創立者は、米国人ラヴィニア・ミード(Lavinia Mead,1859-1941)である。アンネーは、1892年11月に仙台に到着し、ミードの良き協力者として尚絅女学会の運営にあたった。発足時の生徒数はわずかに9名であったと記録されている。

ところで、「尚絅」という校名は、中国の古典『中庸』(ちゅうよう)の一節「衣錦尚絅」(いきんしょうけい)からとったものである。これは、「たとえ内側に立派な錦織の着物を着ていても、その上に粗末な打ち掛けを重ねて着る」という「君子の道」を意味している。これを聞いたブゼルは、ペトロの手紙一 3章3?4節を示して、「この意味をもって学校の精神とすべきである」と熱心に主張した。以来、これが尚絅の建学の精神(尚絅の女子教育の理念)を現わす聖句となって、今日に至っている。1899年、尚絅は正式に設立認可を受け、尚絅女学校と改称された。ブゼルが初代校長となった。

ブゼルは校長としての校務を果たしながら、多くの授業を担当した。特に聖書の授業には、たいへんな心血を注いで行った。また、キリスト教教理史も教えた。その他にも、英語、音楽、育児法、編物の講義まで担当した。ブゼルは1週28時間の授業を行なっていたようである。また、彼女は学校の外でも忙しく働いた。市内の青年婦人会への指導、教会と自宅での讃美歌指導、10以上の日曜学校の監督、セツルメントと自営館という貧しい人々が自営自活できるために作られた施設の管理・運営などである。彼女は、夏期休暇に一度も避暑に行かず、校内にとどまって訪問伝道をしたり、傷病兵や病人を慰問した。文字通り、献身と奉仕の生活をブゼルは実践した。

そして、もう一つ特記したいのは、男子高校生たちを招いて行われたバイブルクラスである。1893年から1919年までの27年間、ブゼルは(旧制)第二高等学校の男子学生を対象にしたバイブルクラスを指導した。最初は1対1の聖書研究から始まり、次第にメンバーが増え多くの受洗者を生み出した。そして、このバイブルクラスから牧師、大学教授、国会議員など日本の近代化に影響を与えた数多くの逸材が輩出された。中でも吉野作造は、政治学者で東京大学教授となり、大正デモクラシー運動の代名詞となった人物である。

彼は、1916年(大正5年)に論文を発表して、日本は天皇主権だけれども、政治は国民のためにあると言った。そして、普通選挙制を説いた。彼の主張は、多くの人に支持され、1925年、日本で初めて普通選挙法が可決、公布された。作造を始めとする彼らの思想の根底に、ブゼルの教えがあったことは明らかである。

現在、尚絅女学校は2003年より男女共学の尚絅学院大学となり、ブゼルの遺志を継いで今もなお発展を続けている。

-Kyodan Newsletterより-

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