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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan
 
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【4715号】消息

2011年1月19日

 

三上裕二氏(無任所教師)

101025日、逝去。75歳。埼玉県に生まれる。’57年東京聖書学校を卒業、’58年都農教会に赴任、志木教会を経て、’63年より’64年まで桜ヶ丘教会を牧会した。遺族は、兄・三上博次さん。

荒井英子氏(恵泉女学園大学教務教師)

101124日、逝去。57歳。山口県に生まれる。’75年青山学院大学を卒業、’79年信濃町教会に赴任、富坂キリスト教センターを経て、01年より恵泉女学園大学に勤めた。遺族は夫・荒井献さん。

 

2日間にわたり5時間以上を割き

伝道方策検討委員会設置を巡る審議の中で、小林貞夫常議員が全常議員の発言を求める議事進行動議を出した。ここから、5時間以上にも及び、議事の大半を占めることになった伝道の幻が語られることとなった。

発言は座席の順番に行われた。最初に小橋孝一常議員が次のように思いを述べ、結果的に、この後の発言に方向付けをした格好となった。

「日本の社会構造の変化だけを伝道不振の理由にはできない。伝道の進展している教派もある。伝道方策をいろいろ言う前に、伝道基礎理論を確立せねばならない。1964年の宣教基礎理論が、今から見れば問題であった。伝道を教会の利己主義と絡めて否定的に理解している。伝道方策の根本に伝道基礎理論を確立すべき。教団が世に仕える第一の方法は伝道することだ」。

長山信夫常議員は、「宣教の課題は、福音の根幹から出てこなければならない。宣教の課題が『何々しなければならない』という律法の響きになり、各教会・信徒を疲弊させてはいないか。『大伝道命令』が根本。各教区も宣教基本方針を見直すべき」と訴えた。

寺岡恭仁子常議員は、四国教会の現状を説明し、個々の教会が孤独に陥らないために教団的視点が必要であることを説いた。

大村栄常議員は、西東京教区の立川開拓伝道を例に上げ、「機構改正以前の『方式伝道』ができるような、教団の態勢への変革」を主張した。

島田勝彦常議員は、「教団の抜本的な体質改善、教団の顔の見える関係」を唱え、「委員会をやっていれば活動しているつもりになるのではないか」と指摘した。

小林貞夫常議員は、伝道150年の委員長を努めた体験から、「政治的立場を異にする人にも届く言葉を語るのが牧師であり、社会の現実によって破れを抱いた双方の立場の人間が教会へ来る、そこに福音が語られなければならない」と述べた。

江本義一常議員は、「『教会の体質改善』という名の社会運動をして、教会は拡がらなかった。方策でどうなるものでもない」と述べ、「教団紛争と教勢低下の関係」、「他教派や韓国の教会に比較して、何故教団だけが低迷しているのか」を問うた。

松尾亨常議員は、「伝道の熱意に燃えた人を育成する神学校の伝道者養成、信徒が牧師と一緒に伝道するための理論武装、教団から教区へ、教区から各個教会へ生かされるような取り組みが必要」と主張し、また「伝道は結局一人ひとりが喜びを伝えること」と述べた。

森里信生常議員は、「教会の使命は伝道。教会は、この世の中に対して礼拝をしている。伝道は礼拝においてなされる」と、「福音を楽しく語る教会、伝道の信頼関係、協力関係の築ける教団であってほしい」と訴えた。

佐久間文雄常議員は、「無縁社会への伝道の発想」を提案し、また「伝道のためにこそ、(災害援助献金の実績である)15千万円の献金を集めて、教会を建てる」べきと述べた。

深谷春男常議員は、「ホーリネスの伝統には義認と聖化がある」、「伝道は十字架の贖いに始まり終わる。ここをずらしてしまったら、教会は教会でなくなる」とし、「教会と国家の問題も重要だが、十字架の贖いに徹する」とした。

篠浦千史常議員は、四国教区の実情から、「キャリアのある牧師が、高齢化の進んだ教会へ赴くなど、任地について教団のスケールで方策を考えるべき」と唱えた。

高橋潤常議員は、「1700余の教会に、伝道に燃える教団であることを伝える。分析し、危機感を共有する」とし、伝道熱意に地域間格差がある中での協力体制構築を提案した。

鈴木功男常議員は、一般の出版社がキリスト教の書籍を多く売り上げているという事実を例に上げ、「30人の現住陪餐会員で一人の受洗者が生み出されれば」と、具体的数字を上げて伝道目標を述べた。

古屋治雄常議員は、「何か別の理由を上げて、仕方がないというのではなく、それぞれのレベル、それぞれの位置で伝道を考える必要」があるとし、「具体的なことと、伝道基礎理論を考えていく」ことを「一緒に進めるべき」とした。

岡村恒常議員は、「全体教会の枝である自覚、受洗者の喜びを教団全体の喜びとして分かち合うこと。無牧教会を、教会が協力して支えていけるか」を課題に上げ、「聖霊信仰、復活信仰、それを共有できる部分はまだあるだろう」と述べた。

河田直子常議員は、「教会にしかない『十字架による罪の贖い』による救い」を強調し、「信仰の一致が見られないところで、伝道協力はなし得ない」と述べた。

大杉弘常議員は、「若草教会の散雪用水路が雪に埋もれた時、それを片付けたことから自分の奉仕と教会生活は始まった」と、体験から「教団は口を出すけど、作業はしない。方策よりも行動が先だ」と「理論の検討は他の部分に任せて、伝道の実施について取り組んでいく組織であってほしい」と要望した。

遠藤道雄常議員は、「各個教会に向かってメッセージを出すのが教団である。日本の現況や世代間格差を分析し、喜びを与える説教を語れるように、牧師や役員へ発信してほしい」と述べた。

高橋和人常議員は、「伝道方策をペーパーで出しても意味がない」とし、「伝道力を出し得る、財源・組織へと教団を改革すること、人材を育成すること」の必要を強調、また「宣教命令は全世界対象であり、成果の上がりそうな所だけに伝道するのではない。教団総会の規模を縮小してでも、伝道の財源を出したい」、更に東北教区の状況を説明し、「一言に教区間格差と片付けられない」と述べた。

2日目も、このセッションは延長された。

北紀吉常議員は、「教団がきちっとした説教者、福音を語る者を立てる。財政的に厳しい教会が伝道礼拝を行いたいとき、それを支える。議長が先頭に立って、教会が元気になる会を。付帯施設、幼稚園等でも福音を求める人は大勢いる。子育て世代の母親などが対象となる。信徒は御言葉を聞く機会を多く持ってほしい。こまめに集会をする。伝道は具体的なことをすることだ」と意見を述べた。

岡田義信常議員は、「総論として伝道基本方針の作成、紛争で見失われた伝道の中心を回復させる。各論としては、教会学校と青年伝道、教区ともどもに伝道支援体制を構築する、教区を超える伝道協力を教団が支援する、伝道者養成の神学校と教団との関係、信仰告白の一致と連携強化」を上げた。

望月克仁常議員は、「教師の年齢構成、東京神学大の財政等から近い将来に必ず起きる教師不足を考えなければならない」とし、「東神大の財政を信徒一人ひとりが支える決心を」と、伝道者の育成を訴えた。

藤掛順一常議員は、「伝道協力にどうしても必要なのは信仰の一致。教区活動連帯金が破綻したのは、信仰の一致がなかったからだ。信仰の一致は画一化ではない、多くの教派の合同教会であり、その相違を認め合いながら信仰告白で一致する」と述べ、「本議事における各常議員の発言を冊子にして、各教会へ発送したらよい」と提案した。

長崎哲夫常議員は、「伝道『方策』という言葉の使い方への違和感を最初にもった。本気でやるなら、全教団的・全教区的に盛り上がるために、教団史(教団の創立時の確認)の作業を並行して行うべき」と提唱し、実際に見聞きした諸伝道諸活動の具体例を上げて説いた。

また、「各個教会主義は独善という意味ではない。組合教会の性格は、フォーサイスなどを頂点とする聖書主義である」と主張し、日本の伝道史の中から多様な伝道戦略を紹介し、これらのことを踏まえた伝道方策でなくてはならないと主張した。

川原正言常議員は、30の大学がある西東京の八王子・多摩地区を例に、「全国から送られてくる学生に対して、地方と都会の伝道協力を、教団で出来るだけの知恵を結集すること」を訴え、「若い人にも届く言葉、韓国の中高生との交流、伝道の対象としての中高年」に触れた。

髙橋常議員は、「①礼拝より礼拝へ、②牧師と共に最前線で伝道、③教団が教師を立てその生活を守る、④教区は教団と共に教会を立てそれを守る、⑤信徒と教師が手を携えて伝道のムーブメント」と5つの課題を上げ、更に教団に伝道局を置く、僻地に派遣する教師の謝議についての配慮、年金局を守るなど具体的に提案した。

雲然俊美書記は「教団が全体教会としての伝道協力の実を結ぶことを願う。実情を知り祈り合っていく。奥羽の地での伝道は困難だが、同時に喜びである」と述べた。

岡本知之副議長は、「伝道が方策で前進するのか」と疑問を投げかけたが、一方で「戦略的に伝道を。教団の事業仕分けをしなければならない。地方の伝道をどこまでも支える。福音信仰に立った伝道者養成を整える」と所感を述べた。

石橋秀雄議長は、「熱く語り、聞き合えたことに感謝する」と感想を述べ、「諸教会でさらに熱く語られる教師・信徒と手を携えたい。冊子化もぜひ信徒常議員の声を中心に。伝道基礎理論について、宣研の取り組みを」と語った。

この後、要請陪席の諸委員長、教区議長も同様に伝道についての所感を語った。詳細を報告するには紙面に余裕がないが、それぞれの立場・状況を説明し、制約が多い中で、今も精一杯伝道していることを訴える議長が多かった。伝道への真摯さが伝わってきた。

全教団的伝道方策が全面に出ることで、歴史的必然を負ってきた教区や地域の独自の伝道が損なわれるのではないかという危惧の声も述べられた。

(新報編集部報)

 

★=招集者、○=信徒

常設委員会

【宣教委員会=7名】

★張田眞(鳥居坂)、加藤幹夫(阿漕)、田中かおる(安行)、白戸清(野辺地)、望月修(仙台広瀬河畔)、東島勇人(益田)、具志堅篤(読谷)

【教師委員会=7名】

★小宮山剛(富山二番町)、岸俊彦(経堂北)、大友英樹(赤羽)、堀眞知子(瀬戸キリスト)、森下耕(洛陽)、井ノ川勝(山田)、白井進(神戸栄光)

【信仰職制委員会=7名】

★小堀康彦(富山鹿島町)、菅原力(弓町本郷)、○深谷松男(仙台広瀬河畔)、○須藤繁(谷村)、深井智朗(滝野川)、後宮敬爾(札幌北光)、田邊由紀夫(茨木)

【教師検定委員会=7名】

★東野尚志(聖学院)、武田真治(広島)、菅根信彦(神戸)、小峰擁(前橋中部)、鷹澤匠(信州)、渡部和使(名古屋北)、八木浩史(奥沢)

【予算決算委員会=5名】

★伊藤瑞男(大泉ベテル)、山上清之(桜木)、○長島恵子(鴨島兄弟)、外崎孝(聖ヶ丘)、○津村正敏(明石)、○宮下重康(玉川)、○小平正宣(代々木中部)

【世界宣教委員会=5名】

★木下宣世(西千葉)、秋山徹(上尾合同)、横山好江(東京新生)、越川弘英(同志社大学)、清弘剛生(頌栄)

常設専門委員会

【伝道委員会=7名】

★米倉美佐男(札幌)、岩田昌路(狛江)、小林克哉(呉平安)、北川善也(洛北)、成田いうし(磐上)、○斉藤仁一(山都)、川崎善三(米子錦町)

【教育委員会=7名】

★黒田若雄(須崎)、北畠友武(門司)、清藤淳(和歌山)、宮地健一(向日町)、塚本一正(信夫)、○平田和子(吐田郷)、向井希夫(大阪聖和)

【社会委員会=6名】

★釜土達雄(七尾)、森田恭一郎(遠州栄光)、上森俊明(今津)、山本一(神戸多聞)、柴田もゆる(廿日市)、真壁巌(相愛)

【宣教研究所委員会=7名】

★宮本義弘(沼津)、上田光正(美竹)、神代真砂実(東京神学大学)、飯田敏勝(大曲)、長谷川洋介(石岡記念)、熊江秀一(新津)、寺田信一(海老名)

【宗教法人「日本基督教団」責任役員・会計監査委員】

《責任役員》㈹石橋秀雄(越谷)、岡本知之(西宮)、雲然俊美(秋田桜)、小橋孝一(新島)、長山信夫(銀座)、高橋潤(中京)、○髙橋豊(白鷺)

《会計監査委員》服部能幸(伊勢原)、○岩澤嵩(銀座)

【出版局理事・監事】

《理事》★小島誠志(松山番町)、北紀吉(愛宕町)、飯塚拓也(竜ヶ崎)、○望月克仁(鎌倉雪ノ下)、○持田二郎(池袋西)、○濱井武(埼玉和光)、○橋本徹(聖ヶ丘)

《監事》坐間豊、○山本晃

【年金局理事・監事】

《理事》★○藪田安晴、○井上昌保(北海)、邑原宗男(奥羽)、○遠藤道雄(東北)、疋田國磨呂(関東)、岸俊彦(東京)、○髙橋豊(西東京)、○中林克彦(神奈川)、小出望(東海)、○大杉弘(中部)、○奥野カネコ(京都)、○江本義一(大阪)、○津村正敏(兵庫)、○濱上進(東中国)、○島敞史(西中国)、黒田道郎(四国)、川畑馨(九州)、○池田浩二、○川原正言、(沖縄教区代表)、内藤留幸(総幹事)

《監事》勝田正佳、寺門文雄

【部落解放センター運営委員・監事】

《運営委員》★○東谷誠(大阪)、中田正道(北海)、江戸清(奥羽)、片岡謁也(東北)、生地善人(関東)、亀岡顕(東京)、河村博(西東京)、井殿準(神奈川)、宇田真(東海)、森田喜之(中部)、川上盾(兵庫)、小松茂夫(東中国)、柴田もゆる(西中国)、野村和男(四国)、多田玲一(九州)

《監事》森なお、○駒木和男

【「隠退教師を支える運動」推進委員】

《委員》★○大杉弘(若草)、○井上昌保(野幌)、○奥野カネコ(膳所)、○鈴木秀信(船橋)、○滝川英子(七里)、○宮澤淳子(須坂)、○森啓一(梅ヶ丘)

【在日韓国朝鮮人連帯特設委員会】

《委員》★小橋孝一(新島)、長山信夫(銀座)、島田勝彦(清水ヶ丘)、深谷春男(東京聖書学校吉川)、○小林貞夫(日下部)

 

本常議員会の最後に、議長提案による議事第23号「救援対策基金設置に関する件」が上程された。

提案理由として議案書には3点が記された。①大規模自然災害に対し、その都度救援金を募ってきたが、災害の頻発する中で、教団として速やかに救援体制を作る必要が求められている。②第35回教団総会で兵庫教区総会より提案され、可決された第37号議案「いのちと暮らし、生存を脅かす自然災害の発生に備える件」の内容を早期の実行に移したい。③従来の「教団事務局規定細則第3条から5条」と並行して「救援対策基金に関する運用規定」を設置し、災害発生時の救援の初動にさらに対応できるよう取り組む。

さらに補足説明として内藤留幸総幹事より、上述の内容に加え、本議案が「阪神淡路大震災救援資金(第2次募金)」残金使途に関わる提案であることから、その返金に関する兵庫教区との対応の経緯についても説明された。

議案審議では「運用規定(補則)第7条」で「この基金は、『阪神淡路大震災救援資金(第2次募金)』の内、その役割を終えたものからの6000万円と、関東教区からの『新潟中越沖地震救援募金』の残金繰り入れの申し出を受けてスタートする。」と記されている点を巡り、議論が集中した。

「記載の表現では、被災の当該教区との協議によって募金残金の使途を決したように解釈されかねず、趣旨が不明になる」との懸念や、「常議員会で終了が既に決議されているのに、未だ残金の返還がない理由について兵庫教区の見解を尋ねたいが、なぜ教区議長・三役の誰も出席していないのか」等の意見が述べられた。また予算決算委員会の立場から「金額が明記されるなら、確実に執行権者の手元になければならない」との指摘もなされた。

兵庫教区との対応について質問された内藤総幹事は、正式な会議決定ではないと断りつつ、「議案が決議されたら、兵庫教区は6000万円を返還することになっている」と答弁した。

議決の可否をめぐっては、総幹事の「拙速は避けたい」との発言を受けて一方で継続を求める声が上がり、他方では「災害発生は予測不能なだけに一刻も早く議決すべき」との強い意見が疋田國磨呂関東教区議長はじめ複数から表明された。

議案の扱いについて、岡本知之副議長はまず採決の動議を諮り、賛成多数で採決が承認された。この時点で2つの修正案、「基金は2000万円をもってスタートする。運用規定は201141日から実施する」との北紀吉常議員案と「運用規定(補則)第7条は提案理由のなお書きにする」との大杉弘常議員案が提出された。採決の結果、修正案はいずれも少数否決、原案が賛成多数により可決された。

(松本周報)

 

閉塞打開へ具体的方策提言

常議員会への委託となった第37回教団総会議案37号「伝道方策検討委員会を設置する件」が、常議員会議事第22号として上程された。

提案者は、総会と同じく鈴木功男常議員。「教勢の長期低迷傾向にある中で、日本基督教団として伝道について検討し、当面の具体的な方策を提言するため、伝道方策検討委員会を設置する」が、議案の内容であり、下記(抜粋)のように提案理由が述べられた。

また、客観的説得力を持つ付録の図表「日本基督教団教勢資料」「数字で見る日本基督教団の姿・受洗統計、財務統計」によって、教勢の厳しい現状と、近未来予測が語られた。

提案理由1では、次のように非常に厳しい言葉で、切羽詰まった現況の打破が訴えられた。

いわゆる教団紛争で「伝道」が死語とされ、教団は「荒野の40年」を歩むこととなった。その結果、受洗者は減り、財務を含めた教会の体力は弱まっており、このまま推移させてはならない。この間、プロテスタント他教会には応分の成長をとげたところが多いのを見ても、伝道の怠慢を主に懺悔しなくてはならない。

提案理由2では、教団の各委員会等で現状分析と将来予想がなされ危機感を共有していることが指摘され、「この機を逃してはならない」とした。

提案理由3では、数字が雄弁に語る危機を克服するためには、「教団をあげて伝道の方策を練り、体制を整え、試みを共有していくための中心点として、伝道を特別に検討する委員会はどうしても必要である」と強調した。

提案理由4では、既存の伝道委員会の活動の現状に触れ、「伝道委員会には従来の申し送り事項をしばらく堅持する必要がある」ので、「教団が新しい伝道体制を模索するためには、このことを集中的に扱う特別委員会を速やかに設置する必要がある」と訴えた。

審議に入り間もなく、小林貞夫常議員が、「伝道方策委員会設置について、伝道そのものについて全常議員の発言を求める」と提案した。これが認められ、ここから膨大な時間を費やして、新委員会設置の是非に留まらず、むしろもっと大きい視野での「伝道についてのビジョン」が語られることとなった。

別掲記事(3面)のように、全常議員、出席の全教区議長、要請陪席の諸委員会委員長が、一人ひとり、常のような時間的制約もなく、5時間以上にわたりその思いを語った。

全数連記の投票によって誕生した常議員会であることを危惧する声は小さいものではなかった。しかし少なくとも、この議論では意外な程に、それぞれの教会が置かれた状況・立場などを踏まえた多様な考え方が述べられた。ただ、伝道への情熱、何らかの緊急な手当が必要だということでは、陪席も含めほぼ全員の意見が一致していた。

結果、各論ではいろいろと懸念も表明されたにも拘わらず、「伝道方策検討委員会を設置する件」は、全員の賛成で可決された。

《委員》招集者・北紀吉(愛宕町)、岡村恒(大阪)、張田眞(鳥居坂)、米倉美佐男(札幌)、鈴木功男(目白)、岡田義信(田園調布)、伝道委員会より推薦者1名。

《職務陪席》岡本知之副議長。

(新報編集部報)

 

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