信仰者としてどう受け止め、何を語るべきかを問う
東日本大震災・原発事故を信仰者としてどう受け止め、何を語るべきかを問う教団主催の緊急シンポジウムが8月29・30両日、銀座教会で開催された。「現代日本の危機とキリスト教-東日本大震災を通して問われたこと」を主題に、4人が発題、大木英夫・聖学院大学大学院長が特別講演を行い、濃密な、示唆に満ちたシンポジウムに延べ440人が熱心に聞き入った。内容は、教団出版局から出版され、内外に発信される。
第1日目午後1時30分から始まった開会礼拝で、北紀吉牧師(愛宕町)は、「エロイ、エロイ、レマ、サバクタニ」と題する説教で、「神は死んだという人々がいるが、人々は神を乞い求めている。神を語らざるを得ない時代であり、教会はそのことを問われている。被災地に行って、夜、絶望のうめきを聞いた。闇の中に助けを求める叫び、うめきが脳裏から離れない。絶望のただ中に十字架のイエスが立っていて下さる。そこに救いがある。教会が語る救いとは十字架のイエスの救いしかない」と熱っぽく説いた。
続いて、石橋秀雄議長は、「死者・行方不明は2万人に上る。1人の命にどれほどの命が繋がっていたか、絶望の中にどれほどの人がいるかを思う。3月11日、私は東神大卒業式に出席中、大震災に遭遇し、2日後、『後ろから押される思い』で被災地を訪問した。『神から迫られていた』のだと思う」と開会挨拶を行った。
1日目、まず中山昇氏(清教学園元理事長)が、「キリスト教学校の視点から」発題を行い、戦後、大阪空襲の瓦礫の中から、「教会学校生徒の訴え」を教会が受け止めて、学園設立に至った経緯を説明して、大きな示唆を与えた。
続いて、芳賀力氏(東神大教授)が「神学者の視点から」「なぜ神は『悲しみの人』になられたのか」と題して発題。「昔から世界には不条理なことが多くあったが、私たちが意識しなかった。危機に遭遇した時こそ、根源的な問いに目覚める好機だ。神は、悲嘆に暮れる人に寄り添うために、自ら悲しみの人になられた。キリスト教の信仰は、復活の希望に掛かっている。神は憐れみの神であり、共に祈るほかない。礼拝から復興支援が始まる」と語った。
3人目の発題者、稲松義人氏(日本キリスト教社会事業同盟理事長)は、「キリスト教社会福祉の視点から」発題を行い、「社会福祉というと誰もが施設の充実を考える。だが、福祉は地域、家庭でなさるべきもので、施設があれば済むものではない。
クリスチャン・ホームに里子をという里親運動を進めているのはそのためだ。施設の再建はすぐには決まらない。募金は貯めておいて欲しい」と述べた。
2日目は、午前10時から岡本知之副議長(西宮)が、「教会・牧師の視点から」「現代日本の危機とキリスト教」と題して発題。原発24キロ地点の原町教会に震災1カ月後、朴貞蓮牧師が韓国・済州島から着任したが、外国では、日本より遥かに正確に事故の実態が報道されていた。
保育所の園児100名が避難所で何らかの変調を来しており、困難の中で礼拝を守っている状況を報告。内外で神の存在を否定する発言が相次いでいることを紹介して、教会の使命を強く訴えた。
午後は、大木英夫氏(聖学院大学大学院長)が「土曜日のキリスト」と題して2時間の特別講演を行った。大木氏は、3・11以後、日本は神から「改革を迫られている」として、「日本のプロテスタントが何故こうも軽くなったのか」と警鐘を鳴らした。
金曜日の十字架から日曜日の復活に至る土曜日、「日本はその土曜日にいる」として、仏教の「生老病死」の永遠回帰ではない「古い人から新しい人への奇跡的転向」洗礼にこそ、人間の究極の転換、前進があると説いた。
グローバリゼーションの風潮に触れ、「世界は教会に成りたがっている。だから教会は教会に成らなければならない」と締めくくって、深い比喩に満ちた講演を終えた。
講演後、質問に答えて、「『神に迫られた』のは、『日本を神学する』ことだ。バルトは、ヨーロッパのある時期に必要だった。神学について大改革が必要で、外国の神学に頼る時代は終わった」。
「日本のキリスト教会は、左右に別れ、教派の勉強ばかりしている。教団の一致というなら、真剣に悔い改めなければならない。キリスト教学校は根本的な改革を必要としている」。
「教会は主のもの。教会が劇場化しつつあるが、教会で人気取りをしてはいけない」など、示唆に富む刺激的な回答を行った。
(永井清陽報)
13:1 アンティオキアでは、そこの教会にバルナバ、ニゲルと呼ばれるシメオン、キレネ人のルキオ、領主ヘロデと一緒に育ったマナエン、サウロなど、預言する者や教師たちがいた。
13:2 彼らが主を礼拝し、断食していると、聖霊が告げた。「さあ、バルナバとサウロをわたしのために選び出しなさい。わたしが前もって二人に決めておいた仕事に当たらせるために。」
13:3 そこで、彼らは断食して祈り、二人の上に手を置いて出発させた。
13:4 聖霊によって送り出されたバルナバとサウロは、セレウキアに下り、そこからキプロス島に向け船出し、
13:5 サラミスに着くと、ユダヤ人の諸会堂で神の言葉を告げ知らせた。二人は、ヨハネを助手として連れていた。
13:6 島全体を巡ってパフォスまで行くと、ユダヤ人の魔術師で、バルイエスという一人の偽預言者に出会った。
13:7 この男は、地方総督セルギウス・パウルスという賢明な人物と交際していた。総督はバルナバとサウロを招いて、神の言葉を聞こうとした。
13:8 魔術師エリマ――彼の名前は魔術師という意味である――は二人に対抗して、地方総督をこの信仰から遠ざけようとした。
13:9 パウロとも呼ばれていたサウロは、聖霊に満たされ、魔術師をにらみつけて、
13:10 言った。「ああ、あらゆる偽りと欺きに満ちた者、悪魔の子、すべての正義の敵、お前は主のまっすぐな道をどうしてもゆがめようとするのか。
13:11 今こそ、主の御手はお前の上に下る。お前は目が見えなくなって、時が来るまで日の光を見ないだろう。」するとたちまち、魔術師は目がかすんできて、すっかり見えなくなり、歩き回りながら、だれか手を引いてくれる人を探した。
13:12 総督はこの出来事を見て、主の教えに非常に驚き、信仰に入った。
12:20 ヘロデ王は、ティルスとシドンの住民にひどく腹を立てていた。そこで、住民たちはそろって王を訪ね、その侍従ブラストに取り入って和解を願い出た。彼らの地方が、王の国から食糧を得ていたからである。
12:21 定められた日に、ヘロデが王の服を着けて座に着き、演説をすると、
12:22 集まった人々は、「神の声だ。人間の声ではない」と叫び続けた。
12:23 するとたちまち、主の天使がヘロデを撃ち倒した。神に栄光を帰さなかったからである。ヘロデは、蛆に食い荒らされて息絶えた。
12:24 神の言葉はますます栄え、広がって行った。
12:1 そのころ、ヘロデ王は教会のある人々に迫害の手を伸ばし、
12:2 ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。
12:3 そして、それがユダヤ人に喜ばれるのを見て、更にペトロをも捕らえようとした。それは、除酵祭の時期であった。
12:4 ヘロデはペトロを捕らえて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過越祭の後で民衆の前に引き出すつもりであった。
12:5 こうして、ペトロは牢に入れられていた。教会では彼のために熱心な祈りが神にささげられていた。
12:6 ヘロデがペトロを引き出そうとしていた日の前夜、ペトロは二本の鎖でつながれ、二人の兵士の間で眠っていた。番兵たちは戸口で牢を見張っていた。
12:7 すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした。天使はペトロのわき腹をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。
12:8 天使が、「帯を締め、履物を履きなさい」と言ったので、ペトロはそのとおりにした。また天使は、「上着を着て、ついて来なさい」と言った。
12:9 それで、ペトロは外に出てついて行ったが、天使のしていることが現実のこととは思われなかった。幻を見ているのだと思った。
12:10 第一、第二の衛兵所を過ぎ、町に通じる鉄の門の所まで来ると、門がひとりでに開いたので、そこを出て、ある通りを進んで行くと、急に天使は離れ去った。
12:11 ペトロは我に返って言った。「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ。」
12:12 こう分かるとペトロは、マルコと呼ばれていたヨハネの母マリアの家に行った。そこには、大勢の人が集まって祈っていた。
12:13 門の戸をたたくと、ロデという女中が取り次ぎに出て来た。
12:14 ペトロの声だと分かると、喜びのあまり門を開けもしないで家に駆け込み、ペトロが門の前に立っていると告げた。
12:15 人々は、「あなたは気が変になっているのだ」と言ったが、ロデは、本当だと言い張った。彼らは、「それはペトロを守る天使だろう」と言い出した。
12:16 しかし、ペトロは戸をたたき続けた。彼らが開けてみると、そこにペトロがいたので非常に驚いた。
12:17 ペトロは手で制して彼らを静かにさせ、主が牢から連れ出してくださった次第を説明し、「このことをヤコブと兄弟たちに伝えなさい」と言った。そして、そこを出てほかの所へ行った。
12:18 夜が明けると、兵士たちの間で、ペトロはいったいどうなったのだろうと、大騒ぎになった。
12:19 ヘロデはペトロを捜しても見つからないので、番兵たちを取り調べたうえで死刑にするように命じ、ユダヤからカイサリアに下って、そこに滞在していた。
11:19 ステファノの事件をきっかけにして起こった迫害のために散らされた人々は、フェニキア、キプロス、アンティオキアまで行ったが、ユダヤ人以外のだれにも御言葉を語らなかった。
11:20 しかし、彼らの中にキプロス島やキレネから来た者がいて、アンティオキアへ行き、ギリシア語を話す人々にも語りかけ、主イエスについて福音を告げ知らせた。
11:21 主がこの人々を助けられたので、信じて主に立ち帰った者の数は多かった。
11:22 このうわさがエルサレムにある教会にも聞こえてきたので、教会はバルナバをアンティオキアへ行くように派遣した。
11:23 バルナバはそこに到着すると、神の恵みが与えられた有様を見て喜び、そして、固い決意をもって主から離れることのないようにと、皆に勧めた。
11:24 バルナバは立派な人物で、聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして、多くの人が主へと導かれた。
11:25 それから、バルナバはサウロを捜しにタルソスへ行き、
11:26 見つけ出してアンティオキアに連れ帰った。二人は、丸一年の間そこの教会に一緒にいて多くの人を教えた。このアンティオキアで、弟子たちが初めてキリスト者と呼ばれるようになったのである。
11:27 そのころ、預言する人々がエルサレムからアンティオキアに下って来た。
11:28 その中の一人のアガボという者が立って、大飢饉が世界中に起こると“霊”によって予告したが、果たしてそれはクラウディウス帝の時に起こった。
11:29 そこで、弟子たちはそれぞれの力に応じて、ユダヤに住む兄弟たちに援助の品を送ることに決めた。
11:30 そして、それを実行し、バルナバとサウロに託して長老たちに届けた。
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