教務教師就任式につき答申
第38総会期第1回信仰職制委員会が、6月14日、委員7名全員の出席により、教団会議室で行われた。
前総会期から継続の委員4名に加えて3名は新任であったため、まず自己紹介がなされ、続いて組織会を行った。互選により委員長に小堀康彦牧師(富山鹿島町教会)、書記に東野尚志牧師(聖学院教会)を選出した。委員長より、信仰職制委員会に関する規定および職務について説明がなされた。
前総会期最後の委員会の議事録により今期の委員会への申し送り事項について確認し、諮問を受けて答申を出す務めと並行して、教憲の学びを継続することと按手礼を含む式文の扱いについて検討して行くこととを、今期の課題として受けとめた。
続いて、2010年12月発行の『答申集』以降に出された答申を「補遺」として確認した上で、今回、東海教区常置委員会から出された諮問をめぐって協議を行い、委員会としての答申をまとめた。
【諮問】
教務教師が教団関係団体もしくは関係学校に就任する場合、当該教団関係団体また学校は、就任式を行うべきではないでしょうか。
また、教務教師が補教師として就任した場合で、正教師となったときには、改めて就任式を行うことが望ましいのではないでしょうか。
さらに、教務教師の就任式を執り行うことは、教規上、問題があるでしょうか。
(諮問の理由は省略)
【答申】
教規中には教務教師の就任式に関する規定はありませんから、教務教師が教団関係団体等に就任する場合に、教規第107条と同様の就任式を行うべきとは言えません。
しかし、教務教師の職務が主より委ねられているとの召命を明らかにし(答申集96)、日本基督教団からの派遣を明確にするなどのために、それにふさわしい式を教区が行うことは望ましいと思います。
次回の委員会は、8月23日に行う予定。
(東野尚志報)
2013年 平和聖日
日本基督教団 総会議長 石橋秀雄
在日大韓基督教会総会長 金武士
「わたしが来たのは、羊が命を受けるため、
しかも豊かに受けるためである。」
(ヨハネによる福音書10章10節)
2011年3月11日の東日本大震災により、神の造られた自然の前に、人間の積み上げてきたものがいかに無力であるかということを、あらためてわたしたちは知らされました。それと同時に、未曾有の大災害の中で、ひとりひとりの命がいかに貴いかということ、そしてその命を救い、つなぎ止めるために、わたしたちひとりひとりがいかに行動すべきかということを学ばされました。にもかかわらず、日本政府や経済界による昨今の急激な「原発推進政策」は、放射能によって汚染された故郷に未だ帰ることが出来ずにいる福島の人々を置いて、「人の命よりも経済が優先」とばかりに、原発を建て、動かし、売る循環へと、この国を回帰させています。より多くの利潤を手にするために、人間が制御することが出来ない力(原子力)に手を付け、その結果多くの命を危険にさらしているこの事態は、人間の傲慢と欲心が招いたものであると言わざるを得ません。
一方で、東北アジアでは領土問題をめぐる緊張関係が日に日に増しています。人の住まない小さな島々をめぐる日中間、日韓間の葛藤が、アジアにおける兄弟姉妹との関係を不安で険悪なものにしています。これらの小さな島々をめぐる問題を、政治的経済的に、未来に向けてさらに重要なパートナーとなっていく国々と仲違いをし、武器を構えてにらみ合うような悲しい事態と引き換えにするようなことがあってはなりません。お互いに国家としての利益を超えた、互いの命を守り、生を育み合う友好的な関係を保つために、よりよい知恵をもって和解を目指すべきです。
一部政治家たちによる心ない発言も相次いでいます。安倍晋三首相は「侵略の定義は定まっていない。国と国との関係で、どちらから見るかで違う」と国会答弁し、過去の日本によるアジア諸国の侵略を正当化する姿勢を見せました。また橋下徹大阪市長は「従軍慰安婦制度は、当時の軍の規律を維持するためには必要だった。日本だけでなく世界各国の兵士が、戦場において女性を性の対象として利用してきた」と、過去の日本による非人道的で卑劣な戦争犯罪を正当化する発言をしました。これらの発言は、国益や経済的利益のために人の命を奪い、多くの人々の人生や生活を踏みにじる「戦争」に軸足を置いた、国家主義的な発想から出ているものと言わざるを得ません。
このような、命の価値をなおざりにする発想は、過去の事柄だけに留まりません。現政権は、憲法の改定を目標としており、まず憲法第96条を改めて、憲法の改正手続きを簡単にし、その後「戦争の放棄」、「戦力の不保持」、「交戦権の否認」をうたった、世界の人々が理想とすべき現憲法第9条を改変して、日本を再び「戦争を始めることが出来る国」にしようとしています。また、これを成し遂げる雰囲気を作り上げるため、先に述べたように、周辺諸国に対して強硬な態度を取ったり、北朝鮮の「ミサイル」発射に際して危機意識を過剰に煽り、「抑止力」という言葉を盾にして沖縄普天間基地の名護市辺野古への移設を強行しようとしています。これらは「今、日本が危ない」という間違った恐怖感を人々に植え付けようとする作為です。
日本基督教団と在日大韓基督教会は、このような時代であるからこそ、高らかに訴えます。ひとりひとりの命こそが何よりも大切である、ということ、そして、どんな時にも「人の命を引き替えにするほど大切なものなどあり得ない」ということです。人の命を犠牲にしてまで選択しなければならない発電方法などあり得ないし、人の命を危うくしてまで守るべき領土などありません。人の命と生活を踏みにじったどんな侵略や国家犯罪も正当化することはできないし、人の命を国家のために捧げさせ、犠牲にさせるどんな戦争も、決して再びあってはならないのです。なぜなら、わたしたちひとりひとりの命は、創造主なる神がご自分にかたどって造られ、また、わたしたちの救い主なるイエス・キリストがご自身の十字架の死をもってあがなわれた貴い命だからです。
ひとりひとりが命を受け、しかも豊かに受けるためにこの地上に来られた主イエスの思いを受け継ぎ、わたしたちは人々がそれぞれの命を豊かに育む世の中が実現することを目指します。それを阻むどんな力に対しても、わたしたちは声をあげていきます。
東北教区放射能問題支援対策室設置の支援につき審議
6月28日に38総会期教団救援対策本部第6回(通算第23回)、7月2日に第7回(通算第24回)会議を、教団会議室にて開催した。
まず、6月28日現在の国内募金総額が5億6803万8913円、海外からの献金が2億5501万3475円と報告された。
続いて救援対策室から、沖縄キリスト教学院による「沖縄・東北交流プログラム」、および、半田教会夏期学校への招待プログラムの実施準備、台湾からのボランティア受け入れ準備、仙台でのボランティアに関わる車両事故などへの対応等について報告がなされた。
被災教区報告として、奥羽教区からは、被災教会の再建復興状況、教区総会での震災に関する審議等が報告された。
東北教区からは教区総会における東日本大震災に関する審議内容(仮設住宅がある限り支援を続ける、放射能問題支援対策室を設置するなど)、被災教会の再建復興状況、被災者支援センター関係(ボランティア活動など)の報告がなされた。
関東教区からは被災教会再建復興状況の報告がなされた。
また、東日本大震災国際会議に関して、プログラムの詳細、海外及び国内に向けての案内の作成等を検討したとの報告がなされた。
審議事項においては、救援対策室より提案された「幼稚園・保育園舎建築・補修資金貸付要綱」、「同契約書」、「同申請書」の承認、台湾からのボランティア受け入れ費用の計上、UMCOR(アメリカ合同メソジスト教会海外災害支援部)への支援申請(1億円)、第4回北日本3教区親子短期保養プログラム支援、ハートフル遠野におけるアルバイト雇用の承認等を扱った。
会堂牧師館再建復興に関しては、福島新町教会(支援850万円)、白石教会(支援3千万円)、宇都宮教会(支援6447万円、貸付3950万円)への支援を決定した。
また、東北教区放射能問題支援対策室設置に関する支援について時間をかけて審議し、『救援対策本部ニュース』に同対策室設置に向けての指定献金の呼びかけを掲載すること、および、教団から300万円の支援をすることを決定した。
次回会議は、8月15日、教団会議室にて開催する。
(雲然俊美報)
伝道推進室基本方針を承認
伝道推進室報告において、小林克哉伝道委員長が8頁に亘る、詳細な資料に沿って報告した。
この推進室は、第37総会期第6回常議員会(12年7月9日)で可決されたことに基づき、伝道の具体的な取り組みをして行くものとして設置され、これまでに7回の委員会、5回の実務委員会を開催している。
組織や実務については、推進室が伝道委員会の下に置かれ、推進室の委員1名は伝道委員とし、伝道委員長は必要に応じて推進室委員会に出席すること、必要に応じて協力委員をおくこと、会計は全て教団会計の中で処理され監査の対象となること等が報告された。
活動の土台となる「基本方針」では、日本基督教団が聖なる公同の教会に連なる福音主義合同教会であり、簡易信条と公会主義の伝統を継承し、主のご委託に応えて、日本伝道の幻に仕えることを確認している。その上で、推進室が、信仰告白と教憲教規に基づく信仰の一致をもって、将来の伝道局構想を視野に入れ、伝道の実践と研究に取り組むことを述べている。
活動内容として、「発足記念大会」、「幼保一体化に向けての『子ども・子育て新システム』緊急研修会」、「教師養成プログラム」、「教会伝道応援」、「中高生・青年大会」、「ユースミッション」、「伝道キャラバン」、「伝道トラクトの作成」、「信徒運動の全国的展開への応援」、「伝道研究」、「伝道方針の検討」が挙げられた。
また、伝道応援の取り組みの一環として「講師派遣のガイドライン」が提案された。礼拝平均出席30名以下の教会を対象とし、推進室が、講師謝礼や交通費、宿泊費を負担すること等が定められている。
報告に対して、様々な質疑がなされた。特に、「宣教基礎理論との関係をどのように考えているのか」、「『教師養成プログラム』と、教師委員会が研修を委託されていることとの関係はどうなるのか」、「教会伝道の応援につき、各教区の伝道委員会との連携をどのように考えるのか」等、教団内の諸組織、諸活動との関係が問われた。
これらに対して小林委員長は、「宣教基礎理論が定められたら、それに基づいて活動して行く」こと、「伝道推進室で企画した研修会について、教師委員会の了解を丁寧に得る必要がある」こと、「各教区伝道委員会とは、協力できることは協力したいが、スピーディに動くために、全てのことについて教区を通すことは考えていない」ことを述べた。
その他、「『伝道局構想』は機構改正を伴うことであり、踏み込み過ぎである」との指摘や、「各教区の担当委員が教区と関係ないところで決められ、活動がなされることは承認出来ない」、「経緯の中に記されている『荒野の40年』というのは承認できない」等の意見が述べられた。
一方で、「伝道推進室の活動が、教団内の組織をより活性化し伝道的にするために横断的活動が展開出来たら良い」との意見や、「実践的に取り組みながら、福音主義の霊性を土台とした伝道的礼拝をどのように守ることが出来るか等を研究していただきたい」等、積極的な意見が述べられた。
賛成多数で承認された。
(嶋田恵悟報)
12年度各決算を承認
会計等の報告についてであるが、予算決算委員会報告の中で、委員会の課題としていくつか挙げられた。
一つは会計構造の見直しについて。「2014年度の決算から公益法人会計に準拠させる予算の組み立てを実現したい」と報告された。
収益事業会計に関する課題については、「教団新報や教団年鑑の収支について教団の中でどのように位置付けていくか、その位置付けを明確に説明できるようにしなければならない」と報告された。
また、キリスト教会館補強もしくは改築工事資金の資金繰りの問題についての課題が挙げられ、さらに、教団負担金賦課方式の再検討に関する課題については、「早急に結論は出ないが、なるべく分かりやすい計算方式にすることを検討したい」と報告された。
最後に、全国財務委員長会議の開催が予定されていることが報告され、会議の内容としては、「被災教区への支援について、特に負担金の減免処置が終了することに伴い、その後の対応について協議する予定である」との報告がなされた。
2012年度教団歳入歳出決算承認に関する件では、「経常会計は概ね予算通りに執行された」との報告があった。その中で、前期より今期の方が繰越金が約1000万増額していることに触れ、「この結果から、負担金の減額の声も出るだろうが、会館建て替えなどの課題のための積立に充てる方向で考えている」との報告があった。
監査報告では、会計方式の変更について、「公益法人会計基準に宗教法人会計を適合させるには様々に工夫が必要であり、社会福祉法人が行っているような部門別会計で行うことが考えられている」との方向が示された。
加えて、「予算を組む中で、委員会費等の補正の予算立てが安易になされている印象を受けるが、そのような流れが不正経理につながりかねないので危惧している」との報告者からの厳しい指摘もあった。
出版局からは、「出版業界全体が苦境にある中で、倉庫を教団内にしたこと等の工夫もあり、黒字決算の報告ができることは感謝である」との報告があった。
また、「震災関連の書籍の売り上げから一部を被災地へ献げることもできた」との報告があった。
年金局からは、2012年度の事業が滞りなく行われたとの報告があり、年金局への更なる理解と協力が求められた。その他、部落解放センター会計、各監査報告が報告され承認された。
(小林信人報)
震災国際会議開催計画を報告
宣教研究所報告で佐々木美知夫委員長は、「改訂宣教基礎理論草案」が各教区に配付され7教区から意見書が戻ってきていること、各教区、常議員会、各教団委員会からの意見を合わせ、作業部会にて検討を開始することを報告した。
38教団総会議事録精査委員会報告を受け議事録を確定した。本常議員会に陪席にて出席した芳賀力東京神学大学学長は、「教団と東京神学大学の関係回復決議は今後どうなるのか。献身者を呼び起こすことは一つの神学校の存続ということではなく教団の将来を担う伝道者を生み出せるかである」と述べた。石橋秀雄議長は「教団が伝道者を生み出しにくくなっている現実を直視しなくてはならない。生み出す努力を必要とする。決議はスタートラインであり、過去と将来双方の課題がある」と答えた。また決議の実質化のため具体的な議論が必要との意見も述べられた。
東日本大震災国際会議実行委員会報告にて伊藤瑞男委員長は、主題・「原子力神話に抗して-フクシマからの問いかけ-」、日時・2014年3月11日〜14日、会場・東北学院大学が決定し、海外教会へ参加呼びかけを開始することを報告した。また各講師が決定した。記念講演・姜尚中氏(聖学院大学教授)、神学講演・近藤勝彦氏(東京神学大学前学長)、基調講演・島薗進氏(上智大学教授)。予算として全国募金(目標400万円)、三国間協議会、宣教方策会議開催費用を充てる計画であること、また合同メソジスト教会へ支援金申請を行なう予定であることを報告した。
教区報告では、欠席の九州、沖縄を除き15教区から報告があった。報告を受け次のような意見があった。「未受洗者への配餐についての報告は看過できず戒規執行の継続が求められる」「聖礼典の秩序は教師養成の問題でもある。各神学校の公式見解を求める」「教区の一教会への不当介入が報告されている」「信徒数の減少、無牧、休眠教会の実態等が常議員会に報告される必要がある」。
(新報編集部報)
東京高裁判決の主文は、「1本件控訴を棄却する。」「2控訴費用は控訴人の負担とする。」
北村慈郎氏は「免職処分無効確認等」を求めて東京地裁に提訴したが、「本件訴えをいずれも却下する」との判決を不服とし、東京高裁に控訴していた。控訴審は一回の口頭弁論で結審し、7月10日の判決言い渡しとなった。
判決の主旨は原判決を支持するもので、「正教師の地位は法律的な権利、義務を包含しない宗教上の地位」であり、「裁判所の審理判断が許されず、訴えは不適法」とするものであった。
(藤盛勇紀報)
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