8:1 知恵が呼びかけ/英知が声をあげているではないか。
8:22 主は、その道の初めにわたしを造られた。いにしえの御業になお、先立って。
8:23 永遠の昔、わたしは祝別されていた。太初、大地に先立って。
8:24 わたしは生み出されていた/深淵も水のみなぎる源も、まだ存在しないとき。
8:25 山々の基も据えられてはおらず、丘もなかったが/わたしは生み出されていた。
8:26 大地も野も、地上の最初の塵も/まだ造られていなかった。
8:27 わたしはそこにいた/主が天をその位置に備え/深淵の面に輪を描いて境界とされたとき
8:28 主が上から雲に力をもたせ/深淵の源に勢いを与えられたとき
8:29 この原始の海に境界を定め/水が岸を越えないようにし/大地の基を定められたとき。
8:30 御もとにあって、わたしは巧みな者となり/日々、主を楽しませる者となって/絶えず主の御前で楽を奏し
8:31 主の造られたこの地上の人々と共に楽を奏し/人の子らと共に楽しむ。
主の御前で召命を問い直し、召しに応える機会として試験を実施
本年度も大阪クリスチャンセンターを会場に、9月13日から15日にかけて、秋季教師検定試験が行われた。今回の受験者数は、補教師試験14名、正教師試験45名、転入試験1名、復帰試験1名の計61名であった。今回は例年よりも受験者数は少なかったが、それでもこれだけの受験者(献身者)が与えられていることは感謝である。特に今回の試験ではCⅢコース受験者が多く与えられた。
試験全体の印象として言えば、提出試験の釈義と説教については、近年しばしば言及しているように、力不足、研鑽不足を否めない。真剣に取り組んだことがうかがえるものもあったが、釈義を誠実に取り組む中で発見した喜びを感じられるものが少なく、それが結果として説教で喜びを語り切れていない面が多分にあるように思われる。説教者自身が聖書の言葉に最初に聴き、それを喜び、聖書の言葉に生かされているか考えさせられる。また自分が勉強したことをそのまま語る説教もあったが、勉強したことを披露するのが説教ではなく、命の言葉を伝えるものであることを覚えたい。釈義、黙想、説教は、牧師として最も重要な務めの一つである。この業をこれからも大切にしてほしいと願うばかりである。
筆記試験の印象として言えば、受験者たちの真剣な思いが伝わる試験であり、緊張感をもって臨んでいる様子がうかがえることは、召命と献身を確認する委員としては嬉しいかぎりである。ただこれも例年どおり、補教師、正教師ともに、それぞれの準備の差が出た結果となった。教科ごとにもその差があらわれており、面接時に学びの準備不足を自覚して語る者もあった。科目ごとに言えば、「教憲教規および諸規則・宗教法人法」では、規則が単なる規則ではなく、教会を生かしている言葉であること。それゆえに受験者の生きた言葉で論述されることが求められたが、規則の文言に引きずられている解答がかなりあった。旧約聖書神学は表面的な解答が多く、内容を深めて行く解答が少なかった。また、十分に理解しているか不安にさせられる解答も多く目立った。新約聖書神学は、そもそも緒論が分かっているかどうか、かなり不安な解答が目立った。基本的な学びも大切にしてほしいと願う。教会史は、正教師への出題が今回も1問だけであったがおおむね良くできていた。とはいえ、物足りなさはあるので、今後も教会史的に考える力をつけてほしい。
現在、試験の結果で判定が保留となった者たちの再レポートの提出と採点が行われている。最終結果はそれを経てからとなり、10月25日から開催される教団総会に報告され、確定されることになる。
今回の面接試験も、個別面接時に最初に問う文言と答えに含めてほしい単語を全体会で提示し、自身の言葉で答えるよう促した。受験者それぞれの生の言葉を聞くことができるのは、本人の召命の確認のため、また委員が確認するためにも有用であり、面接を試験として行う意義を感じることができた。春の試験でも同様の方法を採用することを検討している。Cコースガイダンス・面接では受験者の召命観を確かめつつ、実際の学びの方法などについても話し合った。ただ、Cコース受験者の学びと研鑽の問題については、教団全体としても考える必要があると思われる。
今回のCコース認定面接には2名の希望者があった。それぞれに召命を問いつつ、召命観を確認できる喜びと、教団の教師として立つことの意味を確認できた面接となった。
(服部 修報)
2016年秋季・正教師検定試験問題
教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
次の2題に答えてください。
(※条項の列挙のみの解答は不可とします。)
1.「教憲」前文に述べられている「歴史的特質を尊重しつつ」の意義について、論じてください。
2.日本基督教団に属する教会が教会規則を備えるべきことについて、『宗教法人法』、『教憲教規および諸規則』の関連をふまえて論じてください。
旧約聖書神学(60分)
次の2題に、旧約聖書のテキストをいくつか挙げつつ答えてください。
1.旧約聖書における「祭儀」について
2.「神の聖」について
新約聖書神学(60分)
1.次の問題に、新約聖書のテキストをいくつか挙げつつ答えてください。
・新約聖書における命の理解について
2.次の2題の内から1題を選んで、新約聖書のテキストをいくつか挙げつつ答えてください。
①牧会書簡の神学について
②新約聖書における黙示文書と黙示的箇所について
教会史(60分)
次の1題に答えてください。
・「教会がひとつであること」(教会の公同性あるいは普遍性)をめぐって、教会史上どのようなことがありましたか。
3つ以上の例を挙げ、その要点を述べてください。
講 評
秋季教師検定試験は、緊張感のあるよい試験を行うことができました。各受験者が主の前で召命を問い直し、改めてその召しに応える機会となりました。
筆記試験は、教師として必要な知識、また根本的なことを問いました。よく準備して臨んだ受験者が多く見られました。
提出試験における説教も近年徐々によくなってきています。丁寧な釈義から御言を力強く語る説教が見られました。その一方、説教から喜びが伝わってこないものもありました。粘り強く御言と向き合い、喜びを汲み取り、それを伝える説教を求めます。
今回の受験は、いわゆるCコース受験者が多くいました。主の召しの豊かさを思う一方、組織神学的思考の弱さなど課題が浮き彫りになっています。
39総会期教師検定委員長
鷹澤 匠
長老たちと牧会をテーマに学びを続けている。学びの中の一つの講演で、全信徒の祭司性という課題はプロテスタント教会が宿題として負っている、と聞いた。福音主義的告解はいかにしてあるべきか、宗教改革500年を迎えてなお手探りだ、ということだ。▼罪の赦しがどのようにして兄弟姉妹たちに届けられるか。赦罪の言葉を聞けなくなってしまっている兄弟姉妹たちにどうしたら赦しが伝えられるか。この務めに、牧師だけでなく、長老、信徒も携わる仕方を祈り求めながら学び模索している。▼牧会ということを学びながら気付かされたことは、この課題もきわめて伝道的な課題だ、ということだ。十字架のキリストゆえの罪の赦しは、教会の外にも内にも語られ続けなくてはならない。信者にも未信者にも。▼信者は、罪の赦しを聞いた礼拝から福音を聞けなくするような喧騒に満ちた世に出てゆく。そこで赦しを覚え続けることができるように。福音を聞けないで人生を生きてきた未信者の人たちには、福音がはっきりと聞こえるように。一様ではない罪の現実に、教会は告げ続けなくてはならない。キリストの十字架にあなたの罪は赦された、と。
《教区伝道委員長会議》
9月12~13日に、教区伝道委員長会議が、新潟・東中通教会にて行われた。テーマを「福音の喜びを伝えるために~教区の伝道の現場から~」とし、17教区中15教区から16名の出席(開催地である関東教区から2名の出席)があった。
発題は、熊江秀一教師(新津教会、関東教区副議長)から「新潟地区の伝道~にいがた たがいに~」、鈴木功男氏(目白教会、教団常議員)から「東京信徒会-何を受け継ぎ、どこへ行くのか-」と題してなされた。
続いて各教区報告がなされた。今回はテーマにあるように共有する伝道の使命を確認すると共に、副題に定めたように教区による固有性を具体的に覚えることを狙った。
熊江教師の発題に触発され、各教区からの報告も置かれている地域の特性がしばしば伝えられた。鈴木氏による発題は、信徒会と関わり合いつつ、教区を超えて教団全体に影響する働きがなされてきたことが、入念に準備された資料と共に伝えられた。
2日目に分団協議、全体協議会が行われ、レポートとリアクションを丁寧に聞く中で共通する課題が浮かび上がってきた。教区機構改革や、祈りの実践などが目下大いに展開している。また、互助や教団の伝道資金について様々な意見が出た。教区を越えた伝道についてのグランドデザインを教団として描いてほしいとの要望もあった。
最後に二神一人伝道委員の閉会礼拝によって、それぞれの伝道の現場へと送り出された。(飯田敏勝報)
《伝道委員会》
第6回委員会が9月13~14日に、新潟・新津教会にて行われた。業務報告及び会計報告を承認した。2016年度前期開拓伝道援助金の申請がなかったことが伝えられ、教団総会への報告を確認した。
また、常議員会報告、伝道推進室委員会報告を受けた。
関連諸委員会の報告をそれぞれの担当者から受けた。点字「こころの友」の支援が行われているが、パソコンでの廉価の読み上げソフトウェアが普及するなど、昨今の状況は変わってきている。提供するコンテンツや、情報媒体の在り方についての議論がなされた。今期の農村伝道に関する協議会(2016年2月22~24日開催)の会場、北海道・せたな町に台風10号によって、畜舎の屋根が飛ばされるなどの被害が出た。協議会参加者に呼びかけて有志の見舞金を募ることとした。2016年6月27~28日開催の第4回日本基督教団教誨師会において、全国教誨師連盟60周年にあたって伝道委員会からの献金に謝意が伝えられたことなどが報告された。
先だって開催された教区伝道委員長会議の振り返りがなされた。次期委員会への申し送り事項として、継続して伝道委員会の使命を再考していくこと、伝道推進室発足に至る経緯と意味を継承していくことなどが確認された。
委員会終了後には会場の新津教会の祈祷会に参加し、飯田敏勝伝道委員が奨励の奉仕をした。(飯田敏勝報)
《全国財務委員長会議》
予算決算委員会主催により、全国財務委員長会議が9月12日と13日に、耐震改修工事を終えた教団会議室で開催された。
教団にとって教区の財政現状を知る大切な年1回の会合である。愛澤豊重予決委員長は出席への感謝を述べ、祈りをもって会議に入った。
主な議題は、①各教区の財務状況報告、②教団財務状況報告、③2017年度教団原予算案および負担金について、④「教団財政の今後」についてであった。
沖縄教区を除く各教区の報告は、都市部と地方の区別なく現住陪餐会員数の減少、兼牧教師の増加、負担金未納教会、負担金の軽減を求める教会が生じているなどであった。また、これらは教区財政に影響し、教区活動の縮小、委員会回数の削減、委員数の適正化を検討、予算案の削減、活動費10%カットの断行など、対応策を考え教区活動の維持に取組んでいる報告であった。
教団の財務状況では、2015年度決算書にそって、その概要が計良祐時財務幹事より報告がなされた。
2017年度教団原予算案の説明に入る前に、2017年度負担金について、教区負担金配賦額計算資料にそって、予決委員長より次の通り説明がなされた。前年度に引き続いて負担金を減額し、対前年度比337万8千円(1・32%)減の2億5189万9千円があげられた。
教会・伝道所の現住陪餐会員数、経常収入と支出の減少という厳しい財政状況の中、予算案は減額して作成した。また、収益事業会計では、教団所有の部屋にテナントが入り、収入増の予算となった。
「教団財政の今後」を 予決委員会としてシュミレーションし、その結果は教区財政にも重なり、担任教師数と経常会計との関係を見ることなどの提案や意見を交換する時となった。(森研四郎報)
《予算決算委員会》
第6回予算決算委員会が全国財務委員長会議を間に挟む形で9月12日から13日に行われた。
①2017年度の予算は教会・伝道所の財政状況を顧慮し、対前年度比337万8千円(1・32%)減とする原案を承認し、全国財務委員長会議に提示することとした。
②熊本・大分地震の被災状況を踏まえて2016年度は14被災教会の負担金割当額計360万円のうち、教団負担金相当額計125万円の減免を行うこととした。
③今後の教団財政の見通しについての見解(以下要約)。
「予決は2008年に教勢や財政についての50年予測を行った。今回改めて今後の予測を行うにあたって2014年度について当時の予測値と実績値を比較してみたところ、2008年の予測より、実績ではより大きく減少しており、とりわけ近年になってその傾向が大きいことが分かった。この傾向は今後も継続するであろう。教勢は神の御手の中にあることを十分踏まえ、人間の予測を超えた恵みを請い願いながらも、その上で、対策を考える時期に来ている。今回の予測では2050年度の教勢は2000年度に対してほぼ半減という見通しとなった。
これを踏まえた今後の予算縮小はいかにしたら可能であろうか。教団総会については総会で何を行うのかの根本的な検討も必要である。各委員会費に関しては人数、回数の削減で縮小可能ではあるが、現在委員会毎に幹事と担当職員が付き、その幹事・職員人件費は事務費(支出第8款)の内87%を占める。これまでも大幅な削減をしてきたが、必要な仕事量とそれに見合った人員配置の観点から抜本的削減がなされなければならない。それには委員会の組織を変えるなどの改変が必要となってくる。
2020年度までは無理に予算を今の形で組めるかもしれないが、2020年度を越えた時には教団財政は危機的になる見通しである」。
(長谷川洋介報)
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