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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【5023号】荒野の声(1面)

2024年9月28日

 欧米で移民が政治における大きな争点となる中、雇用環境や治安が悪化したとの主張が声高になされるのを耳にすることが増えた。中には、全ての原因を移民に帰するような過激なものも少なくない。日本においても移民を危惧する論調が強まっている。▼この状況に直面して思い起こすのは、外から体に入るもので人を汚すものはなく、「人の中から出て来るものが人を汚す」と語る主イエスの言葉だ。「昔の人の言い伝え」を守り、腹の中に入る食べ物に注意を払っていた人々に、心の中から出て来る「悪い思い」こそ問題であることを指摘する。▼この「外から」ではなく「内から」という見方の転換は、集団における人々の態度にも当てはめることができるだろう。自分たちが属する集団が受け継いでいる文化や伝統の優れていることを主張しようとする時、身の回りで生じる悪の原因を外にのみ見る姿勢が生まれ、内にある問題が見えなくなりがちだからだ。▼移民政策についての立場は様々で、真摯に議論をして行くことが課題だ。それと共に、福音に聞き、見方を転換し、絶えず自らの内を省みると共に、その転換を伝えて行く課題があることを思う。

教団新報
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