『宣教の未来』、研究テーマについて協議
7月10日に教団会議室において第2回宣教研究所委員会が行われた。
開会祈祷・議事録承認・議事日程確認の後、メインテーマである「研究に関する協議事項」について話し合った。前回委員会で、前総会期に引き続き『宣教の未来』(パート2、仮称)の刊行を計画することとなり、今回は研究テーマや全体の構成について事前に意見を提出し合っていたものに基づき、5本の研究テーマを同書に掲載する前提で協議を行った。以下、委員会の議論の様子を反映するように仮テーマの略述を行う。
「全体教会の一体性:信仰告白の連続性」連続性とは、信仰告白が「積み重ね」であることを示唆している。「積み重ね」が教会と個人の両方の成長につながることをイメージしつつ、教団信仰告白の意義や制定の経緯の再確認がなされると良い、という意見が出された。
「部制解消と二種教職制の導入」歴史的な事柄について、肯定・否定いずれの立場をとるにせよ、当時の経緯を正確に理解する必要がある。先行研究を踏まえておきたい。
「AIの誘惑−可能性と問題点」AIの教会での利用は、広範な影響を及ぼす可能性がある。有用な一方で、本質を理解しないまま用いることで足元を崩される可能性がある。
「キリスト教学校と教会の協力」教会間伝道協力が学校を軸にして行われる実例を見ることは、「伝道のプラットフォーム」の幻を垣間見させるものとなろう。
「文書伝道とキリスト教の将来」キリスト教に対する世間の関心が、「護教的なもの」への警戒からか、キリスト教系出版社・キリスト者による著作では受け止め切れておらず、「中立的なもの」によすがを求めているような状況がある。フロントサークル・パラチャーチ的な伝道領域の衰退や、「透明性の確保」が十分自覚されていないのかも知れない。今後の将来像を希望を持って構築できるか。
以上のテーマについて、研究依頼の交渉を開始することとなった。来年7月を最終締めきりとすることを想定している。
それ以外の研究については、提案がなかった。また、陪席の網中彰子総幹事の挨拶をきっかけに議論が起こるなど、委員会では終始活発な意見・情報交換がなされた。
(上田 彰報)