わたしを強くして下さるかたによって
ワールド・ビジョン・ジャパン サポートサービス部部長
武蔵野教会員
佐野弘枝さん
4歳の頃に母が召され、祖母の家に預けられた佐野弘枝さん。急遽、入園することになった幼稚園がキリスト教系だったことが神さまとの出会いだった。縁側から空を見上げて、神さまとお話をするような子どもだったという。
父の再婚によって新しい生活が始まるが、両親に対する反抗心から心無い言葉をかけたこともあった。中学生の頃に国際支援活動に興味を持つ。授業で世界情勢を学び、自分が加害者であるとの意識を持った。また、家族から遠く離れた地で働きたいという思いもあったそうだ。
大学時代に宣教師が開いていた英会話教室に通い、クリスマス礼拝に出たことがきっかけで、教会にも通うようになり、1年後に受洗した。卒業後、民間企業に就職するも1年半で退職。宣教師の勧めでアメリカに渡り、教会生活を送った。帰国後、キリスト教精神に立ち人道支援・開発援助を行う国際NGOワールド・ビジョンに就職。当初は、慣れない経理を任され、勉強しながら働いた。現在は総務部門の長として80名近いスタッフを裏方で支えている。
厳しい環境にある子どもたちに愛を注ぐ働きを担う中で、その子どもたちと幼い頃の自らが重なり、自分も両親をはじめ、周囲の人々にどれだけ愛されてきたかということに気づかされた。それは、ワールド・ビジョンが大切にする活動の一つ「子どもたち自身が神と人とに愛されていることを知る」を、自らが経験することでもあった。
神の導きと救いの約束を信じているものの、争いの絶えない世界の現実を前に虚しさと憤りを覚えることもあると語る佐野さん。「わたしを強くして下さるかたによって、何事でもすることができる」(ピリピ4・13)との御言葉に励まされて、平和を実現するべく、世に遣わされて行く。