出版局経営改善、ステアリング・コミッティとして協議
第13回常議員会(臨時)が、6月8日、常議員29名が参加して開催された。前常議員会から継続となっている、教団総会開催方法に関する件と出版局に関する件を扱った。
出版局関連ではまず前回からの継続審議案件となっている「出版局に関する件」(責任役員会下に経営監視チームを設置する)を取り下げ、新たな議案を提出することが雲然俊美書記より説明された。取り下げについては賛成多数で承認され、その上で「出版局経営改善に関する件」が上程された。
本議案は教団三役、総幹事、出版局理事長の五役がステアリング・コミッティ(運営委員会)として経営改善の取り組みについて協議し、必要に応じて経営および業務内容に専門的な知見を有する者を陪席者として迎えて意見を聞くことなどを旨とするもの。費用については常議員会費から支出される。
雲然書記は提案理由として、第12回常議員会での経営監視チーム設置に関する議論の中で「責任役員下ではなく常議員会の下に置くべき」という意見が出たこと、出版局理事会との間に意見の隔たりがあったこと、その後に常任理事会から提出された意見集約文書で理事会が加藤真澄コンサルタントによる「経営改善プロジェクトのロードマップ」に沿って経営改善に取り組む意向を示したこと、これらを踏まえた上で早急に取り組む必要があること等を挙げた。またこの提案は従前から行われてきた五役による話し合いに加藤コンサルタントが提案するステアリング・コミッティの役割を持たせるものであり、新しい委員会を設置するものではないと強調した。なおステアリング・コミッティの主な役割について、陪席した加藤コンサルタントは「経営改善プロジェクトチームが作成した改善案を教団や出版局の事情に鑑みて判断、承認すること」と発言した。
議場からは、議案冒頭の文言に対して意見が出た。具体的には「教団出版局における経営改善の取り組みについて、教団三役、総幹事、出版局理事長がステアリング・コミッティとして協議し」とあるが「五役が横並びに記されていて、誰が代表者で責任者なのかが曖昧」というもの。雲然書記は「提案理由に書いてある」と答えたが、「議案本文に議長の責任を明確にするべき」との意見が相次いだ。これを受けて当該箇所を「議長(代表役員)が副議長、書記、総幹事、出版局理事長と共にステアリング・コミッティとして協議し」とする修正案を提示。採決の結果、「出版局経営改善に関する件」は賛成多数で承認された。
次に「出版局将来検討委員会設置に関する件」が上程された。雲然書記の説明によると出版局検討委員会は教団における出版局の位置付け、管理・運営の検討、経営及び業務内容の見直し等について協議し、その将来的なあり方をまとめるために常議員会下に設置されるもの。委員は常議員から数名を選出し、設置期間は第41総会期となる。また費用については常議員会から支出される。なお本委員会は将来のあり方を検討するものであり、現在行われている経営改善の取り組みとは別立てであると説明された。
将来検討委員会の設置に関して発言を求められた山北宣久理事長は「残された第41総会期でどれだけ成果を上げられるのか判然としない。理事会も総会期で区切られる。今は教団総会の開催に全力投球し、第42総会期の新しい体制になってから設置する方が継続的に取り組むためにもふさわしいのではないか」と述べた。
議場からは質問や意見などは特になく採決の結果、賛成多数で「出版局将来検討委員会設置に関する件」は承認された。
これを受け直ちに委員の選出に入った。雲然書記は久世そらち副議長を招集者とし、教師から勇文人と梅崎浩二、信徒から豊川昭夫と守安久美子の4名の常議員を委員とすることを提案した。これについても議場から発言はなく、賛成多数で承認された。
(米山恭平報)
教団総会、選挙についての意見が相次ぐ
教団総会開催方法に関する件において、雲然俊美書記は、今回は、前常議員会で出た提案を受けて事務局で検討したことの報告を聞き、決議は7月の常議員会で行うことを告げた。
続いて、道家紀一総務幹事が検討事項を詳細に報告。現状見通しについて「10月に参集しての開催は難しい」とした上で、7月までにメトロポリタンホテルをキャンセル(キャンセル料380万円程)し、①延期(1年、半年もしくは3カ月)して、代替会場で行うか、②集まらない方法で10月に開催するかの2つの方向性を提示した。
延期の場合の代替会場については、メトロポリタンホテルと再契約するか、都内の神学校かミッションスクールを借りる可能性があることを告げた。
10月に開催する場合については、書面決議とオンラインのケースを示した。書面決議については、原則として議決できないものはないが、法定議案が中心となるとした他、選挙を郵便投票とした場合、2カ月程度かけて、議長、副議長、書記、常議員を順番に決めるか、一度に投票し、重複して当選した人がいた場合には辞退する形があることを指摘した。
オンラインについては、教団事務局の会場と、全国のサテライト会場(17教区、もしくは最大60会場)をつなぐ方法を提示した。その際、投票、採決、発言者の指名方法等が課題となるとしつつ、各教区で集計のための人員を立て、事務局会場に連絡してもらう形が良いとの考えを述べた。機材については、テレビ会議のシステムを用い、サテライト会場毎に、ワイドカメラ、集音マイク、スピーカーが一体化したもの(購入した場合、一台12万円程度)を設置する案を示した。
また、道家総務幹事は、5月31日と6月1日に、このシステムのデモ機を借りて、14教区の議長、副議長、主事が参加してシミュレーションを行った結果、「カメラに全員が収まるのか。教団からの財政的支援はあるのか。議員登録はどうするのか。発言の公平性は保たれるのか。正確に採決は出来るのか」等の課題が出されたことを報告。更に、機材を整えても、回線がダウンしたら会議は難しくなることを指摘し、「オンラインでの実施は、かなりの準備と綿密なシミュレーションが必要で、ハードルが高い」との印象を述べた。
報告に対して、郵便投票を「2カ月かけて行う」という点について質問があり、道家総務幹事は、「順番に選挙する形を取った場合、かなり煩雑な作業になり、2カ月というのはぎりぎりの日数」と応じた。
また「オンラインで総会を行うのは困難。法定議案は書面で決議し、選挙のみを宿泊を伴わない形で集って行う」との意見があった。これに対して、「一箇所の会場で投票するのではなく各教区で選挙を行い、本部に数を届けてはどうか」、「投票のためだけに集まるのは不自然。郵便投票を行った上で、議長、副議長選で、過半数をとれなかった時には、郵便で再投票する」、「三役選挙は集まってやるべき、それ以外は、教区単位での投票、郵送投票もあり得る」と選挙についての意見が相次いだ。また、500名規模の会議体での選挙は、集ってであろうと郵便投票であろうと難しいとの見方から、延期を支持する意見もあった。(新報編集部報)