コロナ禍の中で迎える今年のクリスマス。キャンドル・サーヴィスもページェントも、愛餐会も取りやめ。この時こそ、肉をとられた神の御子を喜び迎えるクリスマスの意義を考える時となるでしょう。
1年前にローマ教皇フランシスコが日本を訪れた時、各地で大きな集会が開かれました。“We protect all life,with power of love”(「わたしたちはすべての命を守ります。愛の力を持って」)の大合唱と共に教皇が幼子を祝福しながら入場した光景を思い出します。あの時は、長崎や広島から核の使用の非道徳性を指摘して、すべての命を守る責任があることを世界に訴えていましたが、期せずして「すべての命を守る」責任はコロナウイルスの危機に怯える世界にあって新たな課題をわたしたちキリスト者に突きつけることになりました。
最近、世界教会協議会と教皇庁諸宗教対話評議会との連名で「諸宗教の連帯による傷ついた世界への奉仕−コロナ危機とその後における省察と行動を求めるキリスト教の呼びかけ」が出されました。キリスト教諸派だけでなく諸宗教が連帯して、「弱い立場におかれた人を支え、苦しむ人を慰め、痛みと苦しみを和らげ、全ての人の尊厳を確保するよう努めましょう」と勧めるものです。この時に当たって、「わたしの隣人は誰か?」の問いに立たせられます。
(教団総幹事 秋山 徹)