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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4890・91号】2018年秋季教師検定試験 正・補36名合格、18不合格を報告

2018年10月27日

聖書・会衆・世界を黙想し、語るために

 2018年秋季教師検定試験が、9月11~13日、大阪クリスチャンセンターで行われた。正教師42名、補教師19名が受験した。伝道者の不足が叫ばれている今日の日本のキリスト教会にあって、教団教師検定試験に61名の受験者が与えられたことは喜びであった。全ての受験者が真剣かつ誠実に試験に臨んでいた。試験の結果、正教師の合格27名、不合格15名、補教師の合格9名、不合格3名、継続7名と(教団総会の承認を経て確定)、厳しい結果となった。

 教師検定試験は提出試験、学科試験、面接試験を通して、伝道者としての召命を問う試験である。日本に生きる一人一人の魂に向かって御言葉を語るために、基本的な神学を身に着けることが求められる。試験問題はいずれも基本的な神学が身に着いているかどうか。そしてそれを咀嚼し、自分の言葉で表現することができているかどうかを問うものであった。しかし残念ながら、基本的な神学が身に着いていない受験者、それを自分の言葉で表現できない受験者が多くいた。

 提出試験は正教師試験においては、「旧約説教・釈義」、「新約説教・釈義」、「神学論文」、「組織神学」であった。釈義が不十分なため、メッセージが鮮明でない説教が多くあった。また、自分が牧会・伝道している教会、学校の現実が見えて来ない説教が多くあった。聖書の黙想と共に、会衆の黙想、私どもが生きている世界の黙想が問われる。「組織神学」論文では、いつも指摘されていることだが、組織神学的に思考することが甚だ弱い。これは説教作成の福音を明確にすることに繋がることである。

 学科試験は正教師試験においては、「教憲教規・宗教法人法」、「旧約聖書神学」、「新約聖書神学」、「教会史」であった。「教憲教規・宗教法人法」は、教憲教規で言い表されている公同教会理解が曖昧な解答があった。「旧約聖書神学」、「新約聖書神学」は、聖書を聖書神学的に捉える力が弱い。「教会史」は、暗記ではなく、教会史を学ぶことが、歴史を生きる現在の私たちの教会に教会の信仰がどのように受け継がれ、問われているかを問うものであったが、不明瞭な解答が多くあった。

 面接試験は、受験者の伝道者としての召命を問うものである。「全体面接」と「個人面接」がある。日本基督教団はどのような教会か。日本基督教団の教師として召されていることはどういうことか。そのような問いかけがなされたが、教憲教規、信仰告白との関わりの中で、答えに窮する受験者もいた。

 教師検定試験は伝道者としての召命を問う試験なので、課題を与えられた受験者はもう一度、自分の問題点を確認し、主の召命に誠実に応えてほしいと願っている。

 学科試験の間に、「Cコースガイダンス・面接試験」を行った。Cコースの受験者は独学で行っている方が多い。神学の学びで課題としていることは何かを聞き、伝道者としての召命に揺るぎがないかを確認している。また秋季教師検定試験後に、「Cコース認定面接」を行った。Cコースを受験するに当たり、教団の教師として主に喜んで仕える召命が明確かどうかを確認した。主が様々な形で、伝道者を召してくださることに畏れと喜びを感じた。 (井ノ川勝報)

 

講 評
 この夏の自然災害の影響を受けた受験者たちもありましたが、2018年秋季教師検定試験が9月11日から13日にかけて無事行われました。

 教師検定試験は、召命を確認する機会であるため、筆記試験のみならず、面接も重要な試験として位置づけられています。教団信仰告白に共に立ちつつ為される試験全体を通して、日本基督教団に教師が生み出されている恵みを先ず思います。

 また、筆記試験における近年の傾向は、聖書自体を良く読んでいるか否かが答案に表れています。加えて、神学的に思考する力も一朝一夕には培われませんので、教師の生涯の重要事として意識していただきたいものです。

 試験の結果もそれぞれですが、主の御旨と信じ、受け止めて歩んでいただきたいと切に願っております。

第40総会期教師検定委員長   服部 修

 

2018年秋季・正教師検定試験問題

教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分)
 次の2題に答えてください。

 1.日本基督教団は教憲第1条に「本教団はイエス・キリストを首と仰ぐ公同教会であって…」と定義しています。日本基督教団が公同教会であることと、あなたが仕える「日本基督教団○○教会」とはどのような関わりがあると説明できますか。必要な条項およびその内容を明示しながら論述してください。

 2.教会が宗教法人格を取得するため、宗教法人設立の申請をしようとするときは、宗教法人法第12条の規定に基づいて「法人規則」を作成しなければなりません。日本基督教団教規85条に示される「教会規則」との違いを明らかにしながら、「法人規則」の目的と役割について論述してください。

旧約聖書神学(60分)
 次の3題のうちから、2題を選んで答えてください。

 1.旧約聖書において「金の子牛」が何を象徴しているのか、複数の書に触れて述べてください。

 2.エゼキエル書において「ダビデ」が登場する箇所を全て書き、それらが指し示していることについて述べてください。

 3.ヨブ記42章において、ヨブの3人の友がとりなされなければならなかった主張の問題点は何か、具体的な例を引用して述べてください。

新約聖書神学(60分)
 次の3題のうち2題を選んで、聖書個所をいくつか挙げつつ、答えてください。

 1.新約聖書における「希望」について

 2.使徒言行録における「われら(わたしたち)」章句について

 3.パウロ書簡における「神の怒り」と「神の義」について

教会史(60分)
 1.古代教会における正典、信条、職制の確立について、述べてください。

 2.次の2題から1題を選んで答えてください。 ①アウグスティヌスの神学の特色とその教会史的意味について、述べてください。 ②カルヴァンのジュネーヴでの改革について、述べてください。

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