10月10日~12日、東京教区東支区青年部のワークキャンプが、大島波浮教会において行われた。10日に東京竹芝桟橋から船に乗り、11日早朝に大島到着という強行軍。大島を初めて訪問する参加者から「こんなに大変だと思わなかった」と「島の子」たちが支区のキャンプや集会に出席することに、自分たち以上の努力が必要なことをおもんぱかる声も聞かれた。インフルエンザの流行で、欠席者の相次ぐ中、それでも19名の青年が波浮教会に集った。
到着後、青年たちは波浮教会で聖日礼拝を守った。神学校日ということもあり、参加者の一人である久保哲哉神学生(東神大M2・西新井教会員)が講壇を担当した。教会員からは「神学校日に神学生が来るのは20年ぶり」との声も聞かれたという。
礼拝後の懇談会では波浮教会の会員手作りの昼食を取りながら、交わりの時を持った。「島の教会は青年を育てても、進学や就職で出て行く。育てて送り出すだけだった教会に、若い人たちが来てくれてうれしい」と歓迎を受け、涙を流して喜ぶ教会員と交わりを持つことで、これからの教会に対する自分たちの責任を感じさせられた時でもあった。初めて知る島の生活、周囲の人から常にクリスチャンとして見られる環境で培われた、強固な信仰とクリスチャンとしての自覚に若い世代が良い感化を受けたひとときだった。
ワークの主な作業は会堂のペンキ塗り。島の生活は、本土の生活とは違い、自分たちでやらなければならないことがたくさんある。業者を頼むと本土よりも割高になることもある。教会員が下塗りをした会堂に青年たちが丁寧にペンキを塗った。青年たちの意気込みは見えない所にまでペンキを塗っていく程だった。ちょうど修養会で大島に来ていた支区内の教会が差し入れに訪れ、作業を見学するなど、青年たちの働きが注目されていることも感じられた。12日の午後まで作業は続き、全員心地よい疲労を味わった。青年たちから「これからもワークを続けていきたい、知らない教会のことをもっと知って、一緒に歩む者になっていきたい」との感想が出た。今回のワークキャンプは波浮教会のご厚意で材料や食事が全て賄われた。ワークキャンプを受け入れる教会の財的負担は大きい。今後、支区内でその問題を解決して、この交わりを続けていくことができれば、実りは大きいと思える。
帰る間際、入り江を回り込んだ所から会堂を見た。来た時にはくすんで見え辛かった会堂が白く浮き上がり、特に十字架がはっきりと見える。この小さな島で、キリストの福音もこのようにはっきり示されるように、と願う思いが与えられた。
(辻順子報)