7月21日(火)から22日(水)にかけて日本盲人キリスト教伝道協議会(以下盲伝)第36回定期総会が、22日(水)から23日(木)にかけては第59回全国修養会が、全国身体障害者総合福祉センター「戸山サンライズ」で開催された。
2年に1回開かれる総会と全国修養会としては、実に30年ぶりの東京での開催となった。
全国から総会に約80名、修養会に110名の会員が集まり、盲伝の今後のことを考え、学び、交わりの時を持った。
総会では会員の高齢化や会員数の減少などが、現在の課題として挙げられた。
この総会で、議長に日高馨輔氏(日本聖公会東京教区退職執事・盲)、副議長に鳥羽徳子氏(日本基督教団神奈川教区巡回教師・晴)、書記に近藤敏郎(日本基督教団信徒・盲)、岩本和則(日本基督教団名古屋中村教会牧師・晴)の両氏が選出された。また新規約に基づいて新しい理事が選任された。
修養会の講師には日本の英語教育の第一人者である東後勝明氏(早稲田大学名誉教授)が招かれ、2日間に亘って生い立ち、英語との出会い、キリスト教との出会いなどを語った。
最初に英語を習ったのは教会であったにもかかわらず、その後キリスト教から遠く離れており、同級生たちが英語の聖書を読んで勉強する中、一人だけ聖書を読まなかった人間が、家庭の問題や本人の病を通して、キリストに立ち帰ることになった経緯が感銘深く語られた。
夜にもたれたゴスペルと証の時間では、渡邊誠子(ともこ)ゴスペル・リーダーの指導の下、難曲にチャレンジ。耳だけを頼りに3部合唱を行った。そのできは指導に当たったリーダーも驚く程。
曲の間に2名の会員の証がなされた。視覚障害を持ちながら教会役員、会堂建築委員長を務めているという兄弟は「目が見えず、図面が見えない自分に会堂建築委員長は無理だと思ったが、会堂が建つと信じ続けること、祈り続けることはできる。それこそが委員長の役目と信じて引き受けた。その結果、様々な配慮をいただき、現在までは支障なく役目を果たさせていただいている」と証し、何事にも臆せず関わっていくことで、可能性が開けることを示した。
総会、修養会ともに会の雰囲気は明るい。良く祈りが献げられ、良く賛美がなされる。超教派の会であるため、その賛美も聖歌から讃美歌21まで多岐に亘った。出席者はみな積極的で、活発である。初めて盲導犬とふれあった晴眼者会員が、その介助を通して、盲導犬への理解を深める場面も見られた。
今まで守られてきた骨太な信仰を、次の世代にも伝えていくことを希望とし、それぞれが帰途についた。
(辻順子報)