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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4683号】eAst21asia 第2回国際会議

2009年9月19日

 

est21asia 2回国際会議

すべて教会青年有志による企画・準備のもと

東アジアにおける10年後の教会像を描く

 

eAst21asia2回国際会議が81日、弓町本郷教会を会場に開催された。

eAst21asiaの活動主眼は、東アジアにおける10年後の教会像を描くことにある。クリスチャン青年として共通の課題がある。国境・教派を越えた学びと交流による相互理解、伝道を通して信仰を深め合いたい。そして平和を希求し、真の契約共同体としての自由な市民社会の形成を志向することが願われている。

昨年に引き続いて2回目となる国際会議も上述の趣旨を活かして開催された。特筆すべきはすべて教会青年有志によるボランタリー・アソシエーションとして、企画・準備が進められたことである。また今回の国際会議準備には東京台湾教会の青年も参加した。

当日のプログラムは、開会礼拝をもって開始された。3ヶ国語対訳のプログラムが用意され、韓国からの参加者11名を加え、言語は異なっても、同じ主を讃える100名超の参加者の歌声が礼拝堂いっぱいに響きわたった。岩田昌路牧師(狛江教会)が「自分の体で神の栄光を現しなさい」と説教、神学生時代の訪韓を通して、献身の姿勢を再度確認させられたことを語り、御言葉を取り次いだ。青山学院大聖歌隊・ハンドベルによる演奏奉仕がなされた。

引き続き「隔ての壁を越境するキリスト者」との題で嶋田順好牧師(青山学院大宗教主任)が講演した。寄留者であった旧約信仰者の列伝から、新約における使徒パウロへと語り進んだ。パウロの生き様に参加者の課題と使命とが重ね合わされた。そしてキリストのものとされている究極的アイデンティティーの故に国家、民族、歴史、言語等の「隔ての壁」を越え、アジアの伝道と和解と一致のために協働し祈り仕えることへの希望の言葉をもって結んだ。

昼食と参加者教会紹介の後、ゲーム等で全身を使い交流を深めた。各国から演奏や合唱が披露されたが、最後は台湾の讃美歌に合わせて参加者の輪が巨大な渦を描き、あたかもグローバリゼーション時代における信仰者の一致と連帯を象徴するかのようであった。

交流が深まったところで4名の参加者より発題がなされた。クォン・ヨンウク氏(韓国セムナン教会員)は、「両班」という韓国の伝統的家系の長男として生まれ、しかし5代前からキリスト者家庭となったことを巡り、伝統的祭儀とキリスト教信仰との間に生じた軋轢、親族交際の難しさなどと伝道実践について語った。次に田村寿子氏(相模原教会員)はキリスト教教育機関を通して教会に導かれ、大学推薦入試を機に受洗したこと、教会共同体の祈りを通じて家族伝道が神の御業としてなされていることを喜びつつ証しした。 続く松永尚真氏(東京台湾教会員)は、現在は日本に帰化したが、台湾人としてのアイデンティティーを持つ者として、台湾宣教の礎となったマカイ博士の功績を振り返り、「愛さえあれば、そこが永遠の住みかとなるのだ」との彼の言葉と自身の境遇を重ねて発題した。

4人目の朴大信氏(千歳船橋教会員)は、在日コリアンであり、クリスチャンホーム育ちと自己紹介し、日本における二つのマイノリティーの要素の自覚と葛藤、そして統合過程を、主イエスからの招きに対する信仰者の応答として語った。

これらを受けて、10グループに分かれてディスカッションのときがもたれた。グループ分けは各国参加者が知り合うことができるよう細やかに配慮され、英語使用のグループも設けられた。そこではキリスト教と伝統文化、信仰生活と社会生活など各国で直面する悩みが率直に語られ共有された。同時に各々の歴史文化の相違、戦争も含む東アジアの現代史についても語り合い、その上でキリスト者としての協働の可能性、将来の幻について、豊かな語り合いがなされ、討議終了時には各グループで祈りのときがもたれた。熱心さのあまり予定時間を超過するグループが続出する一幕もあった。

閉会時には会場教会の菅原力牧師が挨拶、学生伝道を祈りの課題とした弓町本郷教会創設の由来を紹介した後、祈祷をもって会を締め括った。

キリスト者青年の協働が東アジアの将来を新しく形成する、大きな信仰的希望を与えられた一日であった。     (松本周報)

 

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