試練を恵へ 震災と戦う
陸前古川教会
08年6月24日午前8時43分、震度6強の激しい揺れが、岩手県・宮城県の内陸地方を襲った。震源に最も近い陸前古川教会では、当初、被害は軽微と思われた。しかし、外からは見えにくい亀裂や断裂が建物内部を侵しており、相次ぐ余震もあって、深刻な被害は次第に露呈した。
結局、幼稚園舎と牧師館については、補強工事では十分な耐震効果が得られないことが判明、会堂に至っては、使用どころか立ち入り禁止となった。
以来、園舎での礼拝を守りながら、再建に向かうより他に選択肢はなかった。9月に発行された「建築通信・試練を恵みへ」?1に、関純一牧師は、次のように記した。
「新会堂建設に向けて、夢を共に描いてきましたが、今回の被災により、夢の実現に向けて急ピッチで取り組むこととなりました。この試練を恵みに変えるべく、一人ひとりが枝である自覚をより深め、この業に参与し、私たちの出来る精一杯、最善を御前に差し出したいと願います」。
陸前古川の経常収入は437万円、牧師謝儀等の必要最小限の支出にも十分とは言えない。礼拝出席は20名。99年には、園舎の一部と牧師館を建築している。それでなくとも、会員は直接間接に震災の被害を被っている。資金不足のために何度も設計を見直し規模を縮小した。
08年12月14日、臨時総会を開き、建築プラン及び資金計画を決議、業者の選定も終え、いよいよ、春休みに着工、秋の完成を目標としている。
事ここに至っては、全てを委ねて、日々なすべきを果たすしかない。しかし、正直な気持ちとしては、不安がある。関牧師始め、会員誰もがかつて体験したことのない出来事なのだ。
関牧師から、教団新報宛に、一連の通信等の資料が届いた。教団の諸教会に、陸前古川教会の困難な戦いを覚えて祈って貰いたいという主旨だ。
若い牧師に孤独な戦いをさせてはならない。祈りに覚え、具体的に支えていただきたい。