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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4672号】春季教師検定試験

2009年4月11日

 

伝道者としての召命を受けている限り

苦しい自己との戦い、しかし喜ばしくも光栄あるもの

2009年の春季教師検定試験は、3月3日(火)~5日(木)、東京会場(早稲田の日本キリスト教会館)で、4階の教団会議室と6階の会議室(貸室)で行われた。
一日目は開会礼拝の後に学科試験、二日目、三日目に個人面接を行った。原則として二日目の個人面接は遠方からの受験者、三日目の個人面接は東京近郊の受験者とし、受験者の負担軽減を図った。
二日目・三日目それぞれ、個人面接に先立ち、全体会を行った。
開会祈祷後、検定委員の自己紹介があり、続いて小堀康彦委員長(第35総会期)から、学科試験の結果を受けての感想が述べられた。
小堀委員長は、教憲第9条に「本教団の教師は、神に召され正規の手続きを経て献身した者とする。」とあることを指摘し、この条文の意味について、概ね次のように解説し、励ました。「教師検定試験の学科試験を終えたが、この試験は受験申請の時から始まっていた。与えられた召命に応えるという意味では、神学校に入った 時から備えが始まっていた。試験の結果に関わらず、伝道者としての召命を受けている限り、神の召しにお応えすることに向かって前進して行くことに変わりはない。伝道献身者は、日々召命に応えるために励む者でなければならない。それは、苦しい自己との戦いであるが、しかし同時に、喜ばしくも光栄あるものでもある。試験 の結果をそれぞれに真摯に受け止め、献身者として主にお仕えするために、更に神学の学びを深めていっていただきたい」。
今回の受験者総数は91名で、内訳は補教師76名(Aコース40名、Bコース16名、Cコース20名)、正教師15名であった。
試験直後の6日(金)に行われた第35総会期第10回教師検定委員会での学科試験の判定結果は、補教師試験受験者76名中、合格者26名、保留者28名、継続者(Cコース)17名、そして不合格者は5名であった。正教師試験では、受験者15名中、合格者8名、保留者3名、そして不合格者は4名であった。保留者とは、学科試験の得点が合 格点に少し足りなかった受験者で、改めてレポートが課せられ、提出されたレポートによって再判定を受ける者のことである。
今回、補教師試験の不合格者は少ないが、保留者は依然として多かった。Aコース、Bコース受験者の奮起を期待したい。
特にまた、新約聖書神学・旧約聖書神学については、これまで同様、神学的な論述になっていないものが目立った。また、正教師試験は、秋季試験の再試験となるものであるから、受験者全員の合格が望まれる。科目も少ないし、教会・伝道所に仕えながらのこととは言え、十分な準備をして試験に臨んで欲しいと思わされた。  教師検定委員会は、毎回、提出物の課題と学科試験の問題において、いつも基本的な理解を問い、また学ぶ姿勢を問うものを出題してきている。教師として宣教の場に遣わされ、み言葉を宣べ伝えていく上で、聖書の基本的な知識や理解と神学的思考は欠かせない。ただ、受験対策としての勉強ではなく、日常的に聖書的・神学的 な学びを継続していって欲しい、と願っている。そして、それは伝道者として長く働くために、確実に蓄えられる力となる。
試験直後の委員会において、幾つかの課題が指摘され、話し合われた。教師検定試験制度の見直しが、継続されている大きな課題である。特に今回はCコース試験について、CⅠ、CⅡを3年以内で通過するよう、推薦牧師の指導を要請していくことが話し合われた。
今回、総数91名の受験者が与えられたことを、主に感謝します。今後も、日本と世界の福音伝道のために、良き働き人が立てられるよう願うものです。多くの献身者が起こされ、それぞれ良い準備をして、試験に臨んで頂きたい、と願っています。
(倉橋康夫報)

 

講評

教師検定試験は、受験者が各々神様から召命を受け、それに応えて献身するためになされるものです。
召命と献身。これは大変厳しいものです。それは神様の御前における厳しさです。甘えることは出来ません。この試験への備えの中で、既にその真実が問われているのです。
とすれば、過去に出た問題の答えを覚えるような安易な備え方は慎んでいただきたい。
教会に遣わされて、主のご用にお仕えするための備えとしての神学の学びをしっかりしていただきたいのです。
合格された方は、伝道の最前線に遣わされることになります。忙しい中、学びを怠る理由はいくらでも付くでしょう。しかし、自らの怠惰の罪としっかり戦って、不断の学びをなしていっていただきたいのです。これは霊の戦いだからです。
残念な結果となった方は、問われた学びの姿勢を整えて、次回に臨んでいただきたいと思います。
(小堀康彦第35総会期委員長)

『2009年春季・補教師検定試験問題』
新約聖書神学(60分)           (B・CⅢコース)
次の3題のうちから2題を選んで答えてください。
1. ヨハネによる福音書におけるイエスの自己証言(わたしは~である)について、述べてください。
2. 共観福音書におけるイエスの受難について、述べてください。
3. パウロ書簡における自由について、述べてください。
旧約聖書神学(60分)           (B・CⅢコース)
次の3題のうちから2題を選んで答えてください。
1. 旧約聖書における「創造」について述べてください。
2. 旧約聖書における「神の霊」について述べてください。
3. 旧約聖書における「祝福」について述べてください。
教憲教規および諸規則・宗教法人法(60分) (A・B・CⅢコース)
次の2題に答えてください。
1. あなたを主任担任教師として招聘しようとしている教会が宗教法人格を持っている場合、あなたの招聘を決定するまでに教会が行なわなければならないことと、また、あなたがその教会に着任してから行わなければならないこととを、「教憲教規および諸規則」と「宗教法人法」に基づいて述べてください。
2. あなたが着任した教会の役員は、「教会員が高齢化し、年金生活者も多い現状では、教会財産をより有効に用いるべき」と主張して、熱心に投資を勧めます。この場合に、あなたが取るべき対応を、「教憲教規および諸規則」の該当個所をあげながら、述べてください。

 

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