【4671号】軽い足取りで

刑務所に赴く。月に一回であるが、第四木曜日の午後としている。刑務所に行く私を送り出す連れ合いが、どの集会に行くときよりもうれしそうだと言うのである。うれしくもないが、キリスト教の教誨を希望し、一ヶ月間を待ち望んでいる人を思うと、足が軽くなる思いであることは確かである。
この日の教誨は四人の受刑者であった。実はこのところ数ヶ月は、教誨希望者は一名であった。最初の三〇分は聖書のお話をし、讃美歌を歌う。その後は質問を受けたり、感想を聞いたり、雑談もする。彼はあまり質問をしないので、一方的にイエス様の教えを示していた。それでも彼はキリスト教の教誨を、たとえ一人でも希望していたのである。その彼は他の刑務所へと移されたのであるが、軽い足取りであったろうか。
新しく四名の皆さんに教誨を行った。キリスト教は初めての人ばかりであった。「十戒って何ですか」との質問があった。十の戒めを示し、これは神様が人間の生きるに必要な基本的な生き方であると説明した。ふと皆さんを見るとうつむいている。「そうか、皆さんはこの十戒に触れるんだ」と言うと、視線を落としたまま頷くのであった。
「殺すな、盗むな、偽証するな」…。人間は基本的な戒めを守れないので、神様はイエス様をこの世に遣わされて救いへと導かれたことを教誨で示したい。出所時は主にあって生きることで、足取りが軽くなることを願いつつ。
(教団総会書記 鈴木伸治)

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