2016年11月30日早稲田奉仕園スコットホールで、CWS Japan(チャーチ・ワールド・サービス・ジャパン)他5団体共催によって「今伝えたいララからのメッセージ-ララ70周年記念フォーラム」が参加者130名を得て開催された。
「ララ」は、「Licensed Agencies for Relief in Asia」の頭文字をとって呼ばれた通称である。「脱脂粉乳」や「ララ物資」等、戦争世代の誰もが知る、北米諸教会・団体の支援活動を、トルーマン大統領が認可した民間の「アジア救援公認団体」である。
1946年から52年まで当時の日本人の6分の1に当たる1400万人が恩恵に浴したと言われ(円換算にして約400億円相当)、日本及び韓国への救済事業である。
開会挨拶で、長崎哲夫前教団総幹事は、教団はもとより国内全教会人・日本人を代表して同事業の指導者ジョージ・E・バット博士(CWS)、エスター・B・ローズ女史(米国フレンズ奉仕団)、ミカエル・J・マキロップ神父(カトリック戦時救済奉仕団)をはじめ北米プロテスタント各派合同の教会世界奉仕団・フレンド派・カトリック・救世軍・YMCA・YWCA・米労働総同盟・産業別組合・ブレズレン・ガールスカウト・ルーテル・ユニテリアン・クリスチャンサイエンス等、13の教会・団体に対して謝辞を述べた。
プログラムの総合司会は日本キリスト教奉仕団理事長の山田貫司氏が務め、第1部として、ララ物資記録動画が上映された後、CWS代表ジョン・マッカラー牧師とバット博士記念ホーム園長宮本和武氏とによってララの精神がキリスト教信仰と聖書に基づくことが語られた。
第2部では、パネルディスカッションが小美野剛CWS Japan事務局長の司会で、ララの公平・裏方・尊敬・自発性・分かち合い等の精神をめぐって片山信彦ワールド・ビジョン事務局長、小海光ウェスレー財団代表理事、齋木満惠日本キリスト教奉仕団理事、島田茂日本YMCA同盟総主事、山本雅基きぼうのいえ理事長5氏による熱い発言があった。
会の終了後は、早稲田奉仕園スコットホールの地下にあるホールで和やかな交流会が持たれ、また違った雰囲気で、各々の交流が行われた。ララの精神を振り返り、キリスト教諸教会および諸団体の今後の人道支援の在り方を考える良い機会となった。(長崎哲夫報)