2016年11月30日の午後、総幹事室を訪れた池田政一牧師の子息・池田大作、息女・土岐祐子各氏から、池田牧師の治安維持法違反被告事件に関わる一連の第1次資料が教団宣教研究所に寄贈された。
池田牧師は、当時教団第6部の教師であり、1943年4月7日早朝に検挙され、1年余りの拘留の後、懲役1年、執行猶予3年の刑を受けている。その間の、「予審終結決定書」、「判決文」、「刑執行猶予告知書」、戦後すぐの「治安維持法違反赦免状」等の裁判資料がすべて揃っており、加えて教団統理者による「教師職辞任勧告書」、総務局長による「就職勧告状」、さらに獄中で池田牧師が筆記した手記や家族宛ての葉書、多数の短歌なども含まれている。
ホーリネス弾圧事件の裁判関係資料がこれだけ揃っているのは他になく、池田牧師自身が生前丹念に記録を保存し、それを土岐氏が大切に受け継いできた。既に、この資料を用いて石浜みかる氏による『紅葉の影に』(教団出版局、1999年)が出版されている。この貴重な資料を今後散逸させてはならないという気持ちから、今般教団への寄贈を思い立ったという。
なお、この資料は3部コピーされ、1部は土岐氏に手渡され、1部は日本ホーリネス教団弾圧資料室に寄贈、そしてもう1部は宣教研究所の閲覧用に用いられるとのことである。(戒能信生報)