今年も教団新任教師オリエンテーション(6月)に出席し、大きな励ましを与えられた。新任教師37名、神学校代表・教団関係・スタッフ24名の参加で、講演等の学び、食事等の交わりを共にし、新任教師はもちろんのこと、経験を積んだ教師にとっても、伝道者としての歩みの原点を確認する良い機会となったことと思う。何よりも新任教師の方たちの、遣わされた地、置かれた場での活躍を祈るものである。
会の最後に、主催した教師委員会から、突然、「何か一言を」と言われてあわてたが、「伝道は『けもの道』だ」と話した。「けもの道」とは、山の中にできた動物たちが行き来した跡であり、獣の通路である。このところ私が住む秋田県では山菜採りの方たちが熊に襲われる被害があるが、そのような時、その近辺に熊が通った跡を見つけることがある。
つまり、伝道には、このようにすれば受洗者が起される…といった何か決まりきった「王道」(ラクな方法)や、すぐに伝道の成果が出る…といったハイウェイ(高速道路)のようなものはないということである。伝道は、伝道者が、聖霊の導きによって、時に自分の願いや計画といったものを放棄させられて、日々の務めを担い続ける時にできる道のようなものという意味である。
この度も、私自身、今出会っている一人ひとりとの関わりを感謝し、大切にして伝道の業に励もうとの思いを新たにした。
(教団総会書記 雲然俊美)