6月から毎主日の礼拝の中で「祈りの時」を持つようになった。もちろん今までも礼拝に於いて祈ってきたのである。ただ今回は牧会祈祷に続いて奏楽者が静かに讃美歌を弾いている間、会衆がそれぞれに黙祷をする時を設けたのである。
この事が幹事会で提案されたのは、新会堂建築に関連してであった。新会堂建築実現に向けて私たちの信仰が強められ整えられることが大切であり、会堂だけでなく教会が主によって建てられるようにとの願いからである。新会堂はまさに礼拝の場である。それならば教会全体が礼拝の場でこのことを祈り続けるのが幸いとの判断であった。毎主日の週報に祈りの課題が示される。それも含めて各自が自由に祈る。新会堂建築はその中で積み重ねられる祈りとなる。
祈りの間、百数十人が座る礼拝堂から物音が消える。わずか2分程度ではあるが、オルガンの音だけが流れ、皆が祈りに集中している。神に心を向け、存在を向けた姿がそこにある。先日は子どもたちとの合同礼拝であったが、子どもたちもまた静かに祈っていた。大人たちのよき証がそこに立てられていたからであろう。共に祈る幸い、共に祈る喜びが礼拝の中に具体的に現れ、主に従う群れが形成されて行く時、祈る事柄に神の御業を見る信仰も一層強められていることであろう。信仰は見えない事実を確認するのだから。
(教団総会副議長佐々木美知夫)