4月14日(木)に起きた熊本地震の報道に接し、翌15日、道家紀一総幹事事務取扱のもとに熊本地震救援対策委員会が設置された。協議の結果、加藤誠世界宣教幹事を現地視察のため派遣することを決定した。直ちに福岡に飛び、新堀真之九州教区書記と共に先ず大牟田正山町教会に向かい、梅崎浩二九州教区議長に教団からの見舞金を渡した。次に山鹿温泉に向かい日下部遣志九州教区副議長と合流した。熊本市内のホテルは地震のため営業を停止していた。16日未明、本震が熊本を襲った。約20キロ北にある山鹿でも揺れは強烈だった。
最初の訪問は山鹿教会であった。現在無牧のため隣接する霊泉幼稚園の職員に被害状況を聞いた。熊本草葉町教会で梅崎議長と合流し、錦ヶ丘教会、武蔵ヶ丘教会、熊本白川教会、熊本城東教会、在日大韓基督教熊本教会を問安した。外から見て一番目立った被害は、熊本白河教会の屋根瓦の崩落と亀裂であった。教会内部では熊本草葉町教会と錦ヶ丘教会のパイプオルガン損傷及び食器類の被害。ほとんどの教会で集会室や牧師室の書類や備品が散乱していた。そのような中、教師たちは教会員の安否確認、熊本白河教会、錦ヶ丘教会では礼拝堂に避難してきた近隣の住民や教会員に宿泊と食料を提供していた。
17日、福岡で石橋秀雄教団議長と合流し支援物資のほとんどを武蔵ヶ丘教会に搬入した。教会をオープンにして誰でも食料を手にすることが出来るようにしていたからである。18日には、断水も一部回復し物資も驚異的なスピードで市内に入ってきていた。同日夜は福岡に宿を取ったが無意識に前後に揺れていることに気付いた。絶え間なく続いた余震のせいであろうが、現地の方々のストレスはいかばかりであろうかと思わされた。(加藤 誠報)
熊本地震の報告 (九州教区総会報告)
錦ヶ丘教会牧師 川島 直道
熊本地震直後から、教団の石橋秀雄議長、加藤誠幹事、教区3役、福岡、長崎、鹿児島の牧師たちが熊本を訪れ、祈って下さり、物資を届けて下さり、片付けを手伝って下さり、物心共に励まして下さった。
熊本地区10教会1伝道所で、人的被害は幸いにも報告されていないが、熊本地震の特徴は、震度7の地震が2度あったこと。4月14日の前震に続いた16日の本震は、16倍のエネルギーがあったという。今でもその恐怖ゆえに家で眠ることが出来ない人が沢山いる。その精神的ダメージは、私たちの想像を絶するものがある。
本震翌日、17日の礼拝には、34人が出席した。洗礼盤がひっくり返り、パイプオルガンのパイプが飛び出して床に落ち、空調のダクトが天井から落ちかけ、スピーカーも落ちかけ、余震の続く中だったが、共に讃美歌を歌い、祈り、御言葉に耳を傾ける。大地が揺れ動く中で、そこだけが平安という体験。私にとっては、生涯忘れることの出来ない礼拝となった。
この20日間、余りにも多くのことがあり過ぎて、なかなか気持ちの整理がつかないでいる。その中で5月1日、発生後3回目の主日を迎えた。説教の準備など、殆ど出来なかったが、礼拝を守ることが出来るということが、どれほど大きな喜びなのか改めて覚えた。
建物の被害が一番大きかったのは、最も震源地に近い錦ヶ丘教会だった。十字架の塔は撤去することになった。パイプオルガン、空調などの修理も必要となる。武蔵ヶ丘、八代教会も被害があり、専門家の診断により、補修の必要な教会が今後出てくるかもしれない。
地震はまだ続いている。これは大きな試練だが、このことを通して、いろいろなことを学んでいる。これからも学ぶだろう。
どうか熊本を覚えてお祈り下さい。