兵庫県南部大地震記念の日」追悼礼拝が兵庫教区の主催により、1月17日、18時より神戸栄光教会を会場として行われた。出席者は342名(兵庫教区259名、他教区その他83名)だった。
礼拝では、20年前の兵庫県南部大地震によって失われた命を覚えて追悼の祈りを捧げ、また、「3月11日を心に刻みつつ」として「被災教区の震災5年目の宣教にあたっての告白」を共に告白した。
説教は「出会いの中で問われ続けて」と題して、宮本真希子さん(甲東教会)が震災後20年の歩みを振り返りながら語った。1995年の震災直後からの「被災『障害』児・者支援の会」メンバーとしての活動の中での出会いを具体的に紹介しながら「被災者支援というよりは出会いを楽しみ、一人一人の貴重な人生の物語を聴かせていただいた20年だった」と述べた。また、2011年以降は福島原発告訴団に加わり、その出会いの中で「人を罪に問うということは、自分が問い直されること。それは自分に向かってくるもので、自分を映し出す鏡のようなもの」との言葉が与えられたとのことであり、「神戸の地震で被災されて不自由な生活をされていた方々やボランティアの方々との出会い、2011年の原発事故の中で悩みと苦しみにあるお母さんたちとの出会いなど、たくさんの方々との出会いの中で、また、これからの出会いの中で、日々、自分を問い直し続けることを重ねたい」と結んだ。
礼拝後には、菅根信彦兵庫教区議長が挨拶し、「兵庫教区は震災20年ということでの区切りをつけなかった。今なお、失われたものへの痛みを抱き、止まったままの時間を生きざるを得ない方々、現在も厳しい生活に追い込まれている方々がいるからだ。20年という時の流れが、震災を過去に押しやる力となって、取り残されていく人々を社会の片隅に追いやることを許してはならない」として、「被災を経験した教区としての宣教の働きを今後も続けていきたい。東日本大震災や各地の自然災害、原発事故による被災地や被災教区の諸教会・伝道所の復興の歩みに共に寄り添いたい」との決意を述べた。
(加藤俊英報)