釜石・仮設住宅のクリスマス
御子イエス・キリストのご降誕を被災地・釜石で仮設住宅に住む方々と共に迎えました。
釜石には現在65団地3124戸の仮設住宅があり、5086名の方々がいまだに仮住まいを余儀なくされています。徐々にではありますが復興住宅の建設が進み、釜石市分15団地261戸、岩手県分7団地232戸の募集があり、仮設住宅から復興住宅への移動が進もうとしています。仮設住宅全戸廃止されるまでは、まだ2年以上の月日がかかるものと思われます。
そのような中でも、今年も“ハートフル釜石”のお茶っこ生活応援の活動の中で、9箇所の仮設住宅、1箇所の復興住宅でクリスマス会を行うことができました。
通常、宗教活動を仮設住宅で行うことはできないのですが、クリスマスだけは特別です。111名の方々と共にイエス様のご降誕をお祝いしました。このために3名のボランティアの方々が駆けつけ、音楽を通しての奉仕をしてクリスマス会に花を添えてくれました。
教団幹事の飯島信牧師と、新生釜石教会の柳谷雄介牧師によるクリスマスメッセージ、讃美歌を声を合わせて歌い、クリスマスケーキでお祝いの時を持ちました。プレゼントも届き喜んでもらいました。仮設の方々からは「本当のクリスマスが来たみたいだね~」との声を聞くことができ、一人ひとりの心の中に神様からの呼びかけが確かに届いていることを感じることができました。
仮設住宅の生活が長くなるにつれ、仮設住宅の高齢化が進みつつあります。また、独居の方々も多くいます。そのような中でも“お茶っこ”に集まってもらい一時でも心がホッとする時が持てればと企画を進めています。
新しく3名のスタッフが加えられ、新年からは更に4箇所の仮設住宅でのお茶っこ生活応援の活動を増加させ積極的な関わりを続けようとしています。
震災からの年月が経つにつれ被災地の情報が風化してきている今日、皆様の祈り・支えをこれからも宜しくお願いします。
(平田信之報/被災者支援センター・ハートフル釜石、教団派遣専従者)
福島・子どもクリスマス会
12月20日午後、福島の郡山ザベリオ学園において、東京YMCA・日本基督教団共催の〈わいわいキッズ・クリスマス会〉が開催された。福島県内各地から子ども62名、保護者35名、スタッフ・ボランティア等13名、総勢110名が集められた。
東京YMCAは、2011年夏から東日本大震災で被災した親子のためのリフレッシュ・キャンプを継続してきた。これまでに50回以上のキャンプを行い、延べ1800名が参加している。
さらに2013年からは屋内プログラム〈わいわいキッズ〉を始め、キャンプ参加者や参加希望者が年に1、2度集まれる場を設けている。今回は、日本基督教団と共に、初めての〈クリスマス会〉を企画した。
最初に、一同でクリスマス礼拝をささげた。皆でクリスマス・キャロルを歌い、聖書のクリスマス物語に耳を傾ける。
母マリアは、神の選びに従順を示したが、生まれてくる小さな命は、危険と困難の道のりを行かねばならなかった。
福島では、今なお震災のトラウマを抱える家族、放射能不安から自主避難を続けている家族、子育ての課題の中で孤立する家族が少なくない。母親たちの苦悩の中に、しかし、クリスマスの主はおいでになる。
礼拝後には、YMCAリーダーたちによるレクリエーション・ゲームをし、子どもたちは、広い体育館の中で展開される長縄跳びやボール遊び、フラフープやクラフト等、それぞれの好きな遊びに参加して元気いっぱいに活動した。
子どもたちが遊ぶ傍らに保護者のための談話スペースも設けられ、打ち解けて話し込む母親たちの姿が見られた。
最後には、子どもたち全員でパラバルーンをつくり、各地から集められた一人ひとりがひとつとされた。サンタクロースも登場して、盛りだくさんのクリスマス会が閉じられた。
困難に直面する子どもたち、子育て家族が出会うこの場所は、多くの人の祈りと奉仕によって、楽しみと安らぎが生まれる場所となっている。(上竹裕子報/磐城教会牧師)