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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4801号】第59回台湾長老教会総会に出席して

2014年7月5日

 去る4月22〜25日、主題「疼惜国家台湾 遍伝基督促福音」(イザヤ52・7〜10、一コリント12・26)を掲げた第59回台湾長老教会定期総会は、台南・長栄女子高級中学大礼拝堂を会場に開催された。

 開会礼拝には全国より集まった約700名の代議員によって大きく喜びに溢れた讃美歌が歌われ、熱い祈りが捧げられて開会した。

 続いてアフリカ大陸をはじめほぼ全世界各地からの国内外来賓の紹介があり、アジア・キリスト教協議会、教団、米国合同教会とディサイプルズの共同世界宣教局の3団体が挨拶し、教団として11年3月11日の東日本大震災以来3年にわたりPCTから受けた多くの献金・ボランティア奉仕・2度にわたる台湾における放射能被災地児童と保護者の「こひつじキャンプin台湾」に謝意を表した。

 この後、今総会特別プログラムである、前総統でPCT信徒である李登輝氏の講演会が行われた。

 李氏は既に90歳を超えたものの、堂々たる体からほとばしる声量に一同感動するなか、特にガラテヤ書(2・20)から、「最早われ生くるにあらず、キリスト我が内に在りて生くるなり」を強調した信仰告白的講演となった。

 これを聞く者には、3月18日台湾総督府に馬英九政権の推進する「中台経済協力枠組み協定」に対する玉山神学院の神学生をはじめとする学生たちの非暴力デモ及びPCT四役をはじめ、CCAも支持した運動であることは明らかであり、今また台湾全体に、何よりも中国の政治・経済的圧力によって民主主義が危うくなることへの危機感に対する訴えでもあった。

 このことは、2日目朝の第58期許栄豊議長報告の最初に、その時のデモと林芳仲総幹事をはじめ関係者らがそこにあって祈祷を献げる光景を大型スクリーンに映し出し、PCT全体が台湾の行方を憂い、責任ある教会がいかに民衆の中に根強く立とうとしているかを現出していたことでも明らかであった。

 更に、第59期総会議長に選出された羅隣貴牧師による総会議事は、今や世界中の教会で共通の課題の一つでもあり、賛否両論拮抗する同性愛をめぐる議論、担当委員の年齢制限をすることで世代交代を計ろうとする若手と、可能な限り奉仕の手を緩めぬとする高齢婦人との間のPCT婦人会問題、次第に困難となりつつある青年伝道問題や言語・経済等が山積する現地人各中会問題等であったが、この合間に祈られたPCT全体の祈りが如何に熱烈なものであるかが伝えられた。

 折しも、総会の期間と重なった4月22日より台北の民進党元主席・林義雄氏がハンストにより台湾政府が建設推進する龍門原子力発電所(通称第4原発)の第2号機建設阻止をする行動が総会議員に詳細に報告され、総会は林氏応援のため色紙を書き、総会最終日の昼食は絶食するとした。

 因みにこの件は、市民団体等の総督府前での座り込みも加わり27日馬総統が建設中止を宣言した。

 かくして総会は、三役改選選挙等議事を進める合間にも来賓に対する対応が実に手厚く、ホテル・食事等への配慮をはじめPCT 直属の新楼病院・台南神学院・台湾文学館・台湾教会第1号の泰平境教会・安平古城等へも案内した。

 この間、教団総幹事としてPCT教団派遣宣教師、うすきみどり、林田義行両牧師への問安と教団の古い牧師方には馴染みの高俊明元PCT総幹事ご夫妻とも親しく会談できたことは幸いであった。
(教団総幹事 長崎哲夫)

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