【4801号】宣教師からの声 私たちに与えられた存在の意義と 福音を求めて 佐原光児 (シカモア組合教会宣教師)

 米国カリフォルニアのエルサリート市のシカモア組合教会に仕えています。アメリカ合同教会(United Church of Christ)(以下、UCC)に属する教会です。UCCは特に社会正義の問題に取り組む姿勢と、人種的、文化的、性的多様性を重んじ、積極的にそれらを評価する性格を持っています。

 現在、北カリフォルニアには3名の教団宣教師が派遣されており、協力関係の中でそれぞれの教会だけでなく、教会間に存在する日本語キリスト者のための集会を支えています。今後を考えると課題は少なくありませんが、このアメリカでは日本語ミニストリーとそれを包む日系教会全体には、その規模からは見えない大切な存在意義があります。

 レイシズム(人種差別)というと、一昔前の黒人に対する差別と暴力が想像され、過去のものという見方もあるでしょう。しかしアジア系アメリカ人神学者らはこのレイシズムは現在も働き、そしてこれからも何かしらの形で継続していくものだと考えています。それは見える暴力や敵意というよりは、システムとして機能するレイシズムです。それは特定の民族的、人種的、経済的に力あるグループ(白人と呼ばれるヨーロッパ系)の価値基準によって運営され、教育、政治、宗教、文化的に実践されており、それとは異なる多様なマイノリティたちに抑圧的に働くものです。この基準の中で他の国からの移民はその支配的な文化に同化する痛みを負い、またアメリカで生まれた二世、三世の多くも「自分たちはアメリカで受け入れられているのか」と疑問を持ち、疎外を味わうというのです。しかしそうした疎外の痛みの中で、アジア系の神学者たちは、この痛みの中に語られている神による招き、特別な役割について神学的に取り組もうとしています。

 日系教会では、第2次世界大戦の収容体験という人種的、歴史的痛みを経て、様々なマイノリティと共に歩む教会を形成してきました。ここに彼ら、彼女らに与えられた痛みの中で手を開き、他の人々と繋がっていく神に託された仕事があるように思います。

 私が仕える日語部のメンバーの間にも、程度は様々ですが、このアメリカで完全には故郷を作ることのできない寂しさがあります。完全にアメリカ人になれず、またこちらでの年月と共に日本人でもなくなっていくアイデンティティや文化の狭間を生きています。「アメリカで長く生活し、社会にとけ込み、英語で仕事をするこの人の中にも狭間に生きる寂しさ、疎外感があるのか」と気づかされることは少なくありません。けれども、この痛みの中で私たちキリスト者の意義、神の与えた役割があり、そこで語られている福音があると思うのです。少なくともこの教会はこの狭間に生きる人々の命を祝い、文化を積極的に肯定する役割があります。

 民族的なアイデンティティはとても流動的です。人種間、民族間の結婚の増加の中で、アジア系や日系というアイデンティティも変わり続けていくでしょう。しかしいつの時代にも、人種的マイノリティとして歩むこの教会に与えられる神からの仕事があると思います。

 UCCの標語は、〝God is still speaking”です。今もなお、私たちに向かって、また私たちの存在を通して、神は語っておられるのです。

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