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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4574号】札幌で共同の研修会開催 統一原理問題東京地区連絡会

2005年3月19日

一月三一日~二月二日、北海道クリスチャンセンターを会場に統一原理問題東京地区連絡会(東京、西東京、関東、神奈川教区)共同研修会が開かれた。
講師は北大の宗教社会学教授である櫻井義秀教授とカウンセラーのパスカル・ズィヴィ氏、札幌「青春を返せ裁判」で統一協会から元信者たちに画期的勝訴判決を勝ち取った郷路征記弁護士の三氏。北海教区の牧師、被害者家族も含め、延一八名参加の研修会となった。
教団の抱えた三つの裁判全てが勝訴となり、一つの山を越えた観のある中での研修会であったが、今回は心に傷を受け、トラウマや被害妄想に悩む被害者の問題が共通話題となった。
この問題に取り組む全国の現場では、かつてのような初期段階ではなく長期にわたってカルト集団に所属した被害者や家族の相談が増える傾向にある。
カルト集団によって、あるいは不適切な介入によって(日本基督教団での相談ではそうした事態が起こらないよう徹底している)心に傷を持つ元メンバーの相談も現場では抱えざるを得ない。
その場合に、相談者が被害者の根拠のない「誤った記憶」、「構築された語り(ナラティブ)」に巻き込まれたり、攻撃対象とされたりするというケースが起こり得る。
既に九二年に米国では「誤った記憶症候群」協会が、「性的虐待を行った」として実の娘から思いもしない告発を受けた親たちによって設立され、この深刻な問題が提起されている。被害者の記憶や証言の全てが真実でなく、「悪意」とは別に被害者同士の記憶の摺り合わせの中で妄想のように構築されてしまうことが起こり得るという問題である。ネット上で被害者同士が相互カウンセリングし合う中で、「妄想」が悪質な「ジャーナリスト」の介在によって一人歩きすることさえ、現代では起こり得る。
こうしたケースに対する宗教社会学、心理学、法律家のそれぞれの立場からの見解を聞くことが出来たのは大きな収穫であった。専門家との共同作業の必要性を感じさせられた。

教団新報
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