第34総会期の最初の靖国・天皇制問題小委員会が四月一九日から二〇日まで教団会議室で行われた。村田元委員長による開会礼拝に引き続いて委員の自己紹介、委員長による書記指名があり、深井智朗委員を選出した。
まず、第一回目の小委員会では、村田元委員長より、本小委員会設置の経過、これまでの活動の継承ということの意味、さらに前総会期からの継続課題についての説明(特に「教育基本法」の問題。「日の丸・君が代」の問題等)、また今後取り組むべき課題についての説明があり、それらをめぐって議論をした。
さらに、議論の中で、これまでの教団の設置機関でのこの問題との取り組みと各個教会におけるそれとの認識のズレを認識し、それを埋めて行く努力が必要なのではないかという意見が出され、この委員会の活動の性格は、それぞれ状況の違う各個教会の活動に益となる、より基本的な事柄の整理や提示にあるのであって、委員会としての直接的な活動ではないことが確認された。
さらには前総会期以来の課題でもあるが、信仰告白の問題、あるいは「神ならぬものを神としない」という信仰者の礼拝的な態度の問題としてこの問題と取り組むことが大切であること、また反対意見や教団が出す声明が現実の信仰者の生活と結びつかないのは、この問題との関連で言えば、キリスト者にとって国家や支配とは何であるのか、というより基本的な問題についての神学的な議論が不十分なため、なぜ反対するのか、ということについて考えたり、判断することができないでいるのではないか、という意見が出され、これについても議論した。
次回委員会は九月に予定されており、そこでは、明治以後天皇制の成立との関連で「国体」の問題を取り上げ、日本における宗教と政治、教会と国家の問題は、教会形成の課題とどのように関連しているのかを解明して行くことにした。
(深井智朗報)