毎週水曜日は聖書研究・祈祷会が開かれる。夜七時半からであり、この時間に出席するのは困難な方が多い。おのずと出席者が少ない。開会五分前、連れ合いと共に開会を待っている。この時点ではまだ出席者がなかった。もしかしたら、どなたも来られないかな、ふとそんな思いがよぎる。
昔、地方の教会で牧会していたころ、やはり水曜日の集会が続けられていた。冬ともなると寒さがこたえる地方であり、いつもは四、五名の出席であるが、寒さの厳しいときは牧師夫婦二人の集会のことがある。夫婦で集会を開くとき、困るのはどのような話し言葉を使うかである。丁寧な言葉でもなく、普通の言葉でもない。気を使いながらの集会が終わるころ、決まって末の子がチョコチョコとやってくる。両親だけの集会をじっと見つめ、「今日は、お客さん、来ないねえ」と言うのであった。子どもなりに出席者を期待しているのである。「今日は寒いし、御用のある方もあるからね」と言い訳を言う。
宣教方策会議が三月六~七日に開催された。主題「二一世紀を迎えた教会の現状と展望」のもとに、発題があり協議が重ねられた。統計的に減少を続ける日本基督教団であるが、各教会は祈りつつ宣教している。希望をもって明日の教会を担うことを示された。
開会時間となった。その時、玄関の扉が開く音がした。思わず二人は顔を見合す。互いの顔に安堵を読み取っているかのように。
(教団総会書記 鈴木伸治)