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日本基督教団 The United Church of Christ in Japan

【4610号】祈っている中で

2006年9月16日

小泉首相が靖国神社を参拝した。しかも八月十五日敗戦記念日、本殿に昇殿してまでである。
「公約通り」というが、一体誰に対しての公約なのか。それは総裁選挙の際の自民党に対してであり、また日本遺族会に向けてであろう。
公約といってもごく内輪に対しであり、「公」などという言葉を使える代物ではない。私的な約束を公約として意地でも貫く強引さは、まさに公私混同の成れの果てそのものだろう。
本人は有終の美を全うした積もりかも知れぬが、憂愁の媚で身近な者に媚を売った分、今後に大きな憂いを播き散らしただけでたまったものではない。
それにしても、靖国神社というものの性格を熟知し、歴史教育の問題点を知り尽していながら参拝を決行する首相において最悪の居直り、開き直りを見てとる。
国民もずいぶん舐められたものだ。本当に目覚めを経験しなければ危ういと痛感させられる。
八月十五日、多くの人々と千鳥ヶ淵戦没者墓苑にて、平和祈祷会を持っていた。雨の中、静かに祈り始めていたが、やがてヘリコプターの轟音で祈りの声も掻き消されがちになってしまった。
あとから午前七時四〇分の参拝と知った。
祈っている時の靖国参拝。これから掻き消されそうになる轟音や混乱の只中で執拗に祈り抜き、平和憲法を守り通さねばならない思いを強くしてくれた。
(教団総会議長 山北 宣久)

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