「Kちゃんは、今年成人式です」と言われ、うっかりしていたことを悔いた。一月の役員会のときである。その役員会で、二〇歳を迎えているKちゃんに堅信礼を施すことになった。役員会の祈りの決断である。Kちゃんは知的障害を伴った自閉症である。両親により幼児洗礼を受けたのは一歳であり、二年後にはお父さんが召天されている。お母さんと共に礼拝に出席しつつ成長した。
役員会の決断は、そんなに時間を要しなかった。このクリスマスには三人の皆さんが洗礼を受けたが、その一人は知的障害者のYさんである。Yさんは知的障害者のグループホームで生活していた。そのホームが閉鎖されることにより、妹夫婦の家で生活するようになった。教会には近いので礼拝に出席するようになる。グループホームを開設したのは当教会員であるが、高齢に伴い閉鎖したのである。ホームの皆さんとは牧師としても親しくお交わりをもっていた。Yさんはいつもニコニコと笑みを浮かべている。あまりお話はしない。礼拝出席簿に名前を書くときには、妹さんに書いてもらった自分の名前を写すようにして記す。私達の家族としてYさんに洗礼を受けていただきましょう、と役員会が決断したのである。
Kちゃんは信仰告白が出来ない。教会員が代わって信仰の告白を行い、神の家族の一員として共に歩みたいのである。
今年のイースターは奇跡が起こるのである。
(教団書記 鈴木伸治)