▼偶然降りた駅から少し離れた花屋の店頭で、小さな黄色いつぼみをたくさん付けた花に目が止まった。細く長く伸びた茎も可憐だ。どこか高山植物を連想させる葉もまた良い。これまで目にしたことのない珍しい花なのだが、五鉢なら安いと言うのでまとめ買いした。ところで、花の名を知らない。勿論栽培法も。尋ねると「昨日まで憶えていたんだけどね。うーん、思い出せない。今度また来て」と、頼りない。▼適当な日当たりも水はけも分からない。仕方がないので、居間から見て一番栄える場所に下ろしてみた。一週間後、茎も伸び、花も増え、実に元気。特に、風にゆらゆらと揺れる様子がいとおしい。買い足そうと再び花屋を訪ねたが、今度は、その花を置いていたことさえ思い出せないらしい。お手上げ。▼一年草か球根かさえ不明。レントの間咲いたから、レント草と仮名を付けた。来年もまた咲いてくれるかしら。▼図鑑で調べる。写真に撮ってインターネットで流す。調べる方法はあるだろうが、レント草の方が、自分だけのもののような気がして、却って良いか。